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神狼様は懐かない(はずだった)  作者: 絹ごし春雨


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第7話:フェンリル姉の隣に座るようになる。

 「少し離れた側」という微妙な距離感に収まっていたフェンリルは、護衛生活を経て確実に姉に近づいてきた。


 夕暮れ時のリビング。ソファに座る姉の隣に、フェンリルはいつの間にか「ぴったりと隙間なく」腰を下ろすようになっていた。


 ふと、姉が日中の疲れからか、こくん、と大きな頭を揺らしてうたた寝を始めた。


 こくん、こくん、と危なっかしく揺れる姉の頭。


 それを隣でじっと見つめていたフェンリルは、周囲をちらりと確認した後、意を決したように自分の肩をそっと差し出した。


 コツン、と姉の頭がフェンリルの肩にもたれかかる。


 ビクッとフェンリルの全身が硬直した。メーカー保証の観賞用ドールにあるまじき、内部モーターの異常過熱のような体温の上昇。


 しかし、フェンリルはそれを払いのけず、むしろ自分の重心を微調整して、姉が心地よく眠れるように固定した。


「……まったく、無防備な奴だ」


 低く呟いた声には、呆れよりも深い愛しさが滲み出ている。


 その銀の耳は、恥ずかしさからか、ぴくぴくと小刻みに震えていた。

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