↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神狼様は懐かない(はずだった)  作者: 絹ごし春雨


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/16

第3話:フェンリル姉を見る(姉の少し離れた側に座る)

 数日後。


 妹が「ちょっとネットの掲示板で『懐かせ方』を相談してくる!」と血走った目で自室に籠もった隙のことだった。


 リビングには、ソファで読書を続ける姉と、充電スタンドから離れて床に佇むフェンリルの二人のみが残されていた。


 静まり返った部屋の中、フェンリルは音もなく床を滑るように歩き出す。その足音は、まるで本物の狼のように気配を感じさせない。


 スタ、スタ、と姉の座るソファの脇まで歩み寄ると、フェンリルはすっとその場に腰を下ろした。


 ただし、ぴったり隣ではない。ソファの端、姉から半径一メートルほど離れた「絶妙な距離感」の床の上である。


「……?」


 気配に気づいた姉が本から目を離し、斜め下を見る。


 そこには、銀髪を揺らしながら、澄んだ三白眼でじっと窓の外を見つめているフェンリルがいた。


 触れてくるわけでもなく、何か要求するわけでもない。ただ、近くにいる。


「……何? そこ、日当たりいい場所でもないけど」


「……お前に関係はない」


 ふん、と顔を背けるフェンリルだったが、その尻尾はなぜか機嫌良さそうに床をトントンと叩いていた。


 ちょうどその時、自室から戻ってきた妹がリビングの扉を開け――その光景を目撃する。


「は……? え……? 私のフェンリルが、なんでお姉ちゃんの近くに座って、しかもそんな穏やかな顔して――ぐぬぬぬぬっ! 私には『死ね』って言ったのにっ!!」


 あまりの不遇さに、妹は血涙を流して床を転げ回ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。