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神狼様は懐かない(はずだった)  作者: 絹ごし春雨


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第15話:妹の奮闘と遊びに来た姉

 それから数週間後。


リビングでは、相変わらずカーテンレールの上から降りようとしない黒猫モデルに対し、妹がマタタビと高級キャットフードを片手に必死の交渉を続けていた。


「お願いだから一口だけでも……! 美味しいよこれ……!」


「人間の食べかすなぞ口にせん。消えろ、視界に入るな」


「――相変わらず、にぎやかねえ」


そんな修羅場と化したリビングの扉をガラリと開け、のんびりとした声を響かせながら一人の女性がやってきた。姉である。


そしてその背後には、すっかり落ち着いた様子で、しかし相変わらず端正な顔立ちを崩さないフェンリルが静かに付き従っていた。


「あ、お姉ちゃん! よかったら上がって……って、その狼を連れてくるな! 私の傷口に塩を塗るような真似をっ!」


「いいじゃない。こっちも暇だったからさ。そっちは……新しい子?」


「そうだよ! 見てよこの可愛げのない黒猫! 私が買ったのに全然懐かないの! デジャブかな!?」


姉がクスリと笑ったその時だった。

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