14/16
第14話:やってきたのは懐かない猫
数日後。
再び我が家に届いた巨大なダンボール。中から現れたのは、漆黒の髪に猫耳を生やし、タイトなゴシック風の衣装に身を包んだ、息をのむほど美しい少年型アンドロイドだった。
「……ふん」
起動するやいなや、猫モデルは足音もなくリビングのカーテンレールの上にヒョイと飛び乗り、そこから下界を見下ろすように冷ややかに鼻で笑った。
「狭い部屋だな。雑居ビルの巣窟か。いったいどこのどいつが私を買い取った」
「私だぁぁぁっ!! 私がお前のマスターだ! ようこそ我が家へ!」
妹が両手を広げて歓迎するが、猫モデルは耳をペタリと伏せ、あからさまに嫌そうな顔をした。
「人間の分際で声が大きい。耳障りだ。近寄るな、下僕」
「起動直後から当たりが強い!! なんで私の周りに来るドールは揃いも揃って性格に難があるんだ!?」
「メーカー保証書に『観賞用につき、抱っこ厳禁』と書いてあるが読めなかったのか? まぬけが」
見下ろしながら吐き捨てるその姿は、かつてのフェンリルを彷彿とさせる見事なまでの塩対応だった。
――血は争えない。妹が引き寄せるドールは、なぜか最高峰にプライドが高い「懐かない系」に偏っていた。




