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神狼様は懐かない(はずだった)  作者: 絹ごし春雨


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第14話:やってきたのは懐かない猫

 数日後。


再び我が家に届いた巨大なダンボール。中から現れたのは、漆黒の髪に猫耳を生やし、タイトなゴシック風の衣装に身を包んだ、息をのむほど美しい少年型アンドロイドだった。


「……ふん」


起動するやいなや、猫モデルは足音もなくリビングのカーテンレールの上にヒョイと飛び乗り、そこから下界を見下ろすように冷ややかに鼻で笑った。


「狭い部屋だな。雑居ビルの巣窟か。いったいどこのどいつが私を買い取った」


「私だぁぁぁっ!! 私がお前のマスターだ! ようこそ我が家へ!」


妹が両手を広げて歓迎するが、猫モデルは耳をペタリと伏せ、あからさまに嫌そうな顔をした。


「人間の分際で声が大きい。耳障りだ。近寄るな、下僕」


「起動直後から当たりが強い!! なんで私の周りに来るドールは揃いも揃って性格に難があるんだ!?」


「メーカー保証書に『観賞用につき、抱っこ厳禁』と書いてあるが読めなかったのか? まぬけが」


見下ろしながら吐き捨てるその姿は、かつてのフェンリルを彷彿とさせる見事なまでの塩対応だった。


――血は争えない。妹が引き寄せるドールは、なぜか最高峰にプライドが高い「懐かない系」に偏っていた。

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