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第3話 ソウ、怒る!


「実は…本の内容が嘘だということを約一晩かけて証明しました〜!わーい」

「は…?」

「これ見てくれれば詳しく書いてあるからいる?」


と、実験結構をまとめた紙をソウに渡すと、ソウは笑顔でこっちを見つめてくる。私は普段、温厚な人が怒ると怖い、ということは知っていても現実を甘く見ていたのかもしれない。


「一晩かけて…?見た感じ俺が借りてきた魔法書も初級魔法も手つけてるようだけど。この魔法書、初級とは言ってもそんな一回ではできないと思ってるんだけど。寝てないの?」


「えっと…まぁ…」


うぅ…、ソウの笑顔が怖い…!めっちゃ怒ってる?!笑顔のまま背中を押されてソウのベッドに寝かされる。もう、本気で怒ってるソウに今の私ではかなわない。


「ご、ごめんなさい~!ねぇ、お願い、魔法書だけ!ベッドの上で読むから…」

「それってさぁ、寝るって言うと思う?」


ピシャッ


仕返しに覚えたてホヤホヤのウォーターボールをソウの顔に当てて、その隙に魔法書をとる。最後は、毛布にくるまって隠れれば…


「あ…」


毛布に隠れようとしたその時、


「毛布に隠れても、無駄だよ。」


そう言いながらソウはニコッと笑いかけた。


「ギャー!」


隠れても無駄とかもう怖い!お化け屋敷だよ!行ったことはないけど多分ソウがお化け屋敷のお化け役したら大繁盛するかも…


「何かよからぬことを考えているんじゃない?」

「そ、そんなこと…ない、よ?」

「はい、じゃあ今度こそおやすみ。この実験結果?読んどくから。」


(ソウが読んでくれるならいっか…)






すやすやと気持ちよさそうに寝ているフィリアの隣でイメージと詠唱の実験結果を読む。俺はこんな実験したこともないし、しようと思ったこともなかった。イメージをしながら詠唱することで魔法は発動する。どちらがかけても魔法は発動しない。今この世界にいるフィリア以外の全ての人がそう思っているはずだ。詠唱が必要ないとわかっていたらもう世界中に広まっているだろう。


「あと10回試して…成功したら…」


「夢の中でも実験してんのかよ…どれだけ実験したら気が済むんだ…?」


前から好奇心が旺盛なのは変わりないけどこんな魔法が好きだったなんて。フィリアほど魔法が好きなやつ俺は見たことない。


それに昨日熱で倒れたってなんてそんなに高い熱だったのだろうか。フィリアはぜんそくは持ってるけど特別、体が弱いわけでもなかったはずなのに…


「ま、起きたらちょっと聞いていみてもいいしな。」


少し不安な気持ちを抑え、フィリアに毛布をかけ直す。


「俺たちも、もうすぐ初等学校入学だし魔法の練習しとくかー」


んー、と伸びをして机に初級風魔法の本を開く。


その時の俺は、まだ昨日のフィリアの異変がただの風邪ではないことを知らなかった。



話の長さがバラバラですみません…。


追記:初級魔法の設定を少し変えさせていただきました。

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