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第2話 フィリアの水魔法


「フィリア〜、もう9時過ぎてる~」

「ん〜」


目は覚めてて、眠くはないのに体が重い。それに起きあがろうとすると昨日のふわふわとした感覚がまた襲ってくる。


「フィリア〜?」


声をかけてもなかなか起きてこない私のところにお母さんが心配した声でやってくる。


「大丈夫?熱あるわね。今日は寝てましょ」

「えー。それは無理!今日はソウと図書館で魔法の本を探すの!」

「大丈夫よ。図書館は明日も明後日もやってるわ。ソウはもう出かけたし、今日は寝て、元気になったら行きましょう?」

「だめ!今日やりたいの〜ってソウ出かけちゃったの!?」

「はいはい。とりあえず寝ましょうね〜」

〈光よ、安らぎを〉


お母さんが魔法をかけると落ち着いて、水魔法…と思いつつもすぐに寝てしまった。





起きるともう午後でベッドのとなりの丸い机には初級水魔法の本が置いてある!ソウ〜!ありがとう!!

嬉しくて飛び起きるとちょっとふわっとした感覚になってよろける。あ、と思った次の瞬間、私は棚と机、そして古めの大きな扉だけの殺風景な部屋に居た。窓の外を見ると地面が雲みたいなところだなぁと思ったところで机で書類をめくっている人もいることに気づく。


「すみません、ここって…」

「こいつがここにいるってことは前世の記憶が戻って魂が…」


ごにょごにょしてて上手く聞き取れないけど前世の記憶?もしかして…あのこと?


「まあいい、ここにはあまり長くいない方がいい。早く戻れ」

「え、戻れってどうやって…」

「ほら、そこにあるだろ大きな扉があるだろが。」


(いや、あれ?飾りじゃなくて?)

おそるおそるドアノブに手をかけ、開けてみる。すると白い光に飲み込まれ、気がついた時には治癒院のベッドの上で目を覚ましたところだった。


「フィリア…大丈夫?」


そこには今にも泣きそうな目で見つめてくるソウがいた。あれ、ソウってこんな感じだったっけ?


「大丈夫だよ!ほら、もう元気いっぱい!」


私はソウを元気づけようとほら!と立ち上がった姿を見せる。


「本当か?」

「うん本当!」

「なら良かった。もう熱出てるのに飛び起きたりすんなよ」

「なるべく気をつける…」

「なるべく…か。まぁ、フィリアだし、そんなもんか。急に絶対にもうしませんなんて言われたら空ごと降ってくるかもな」

「いい意味…じゃないよね?!」

「バレた?笑」



村長兼治癒師のジェイルさんにOKをもらって迎えにきたお父さんと家に帰るとお母さんが作ってくれたシチューを食べて部屋で寝る…と見せかけて部屋で布団に潜ったままソウの借りてきてくれた本を読みつつ夜の実験開始!

魔法をうまく使うコツはイメージと詠唱。でもそれが本当かどうかなんて自分で実験しないとわからない。実験の正確さを上げるために実験を繰り返し、家にあった紙に実験結果をかいて、まとめ終わる頃にはもう太陽が登り始めていた。もうこの時間になったらちゃんと朝になるまで起きているしかない。お母さんが起きる音がするまで初級魔法の本を進め続けた。





お母さんが朝ごはんの準備が終わるのを見計らって部屋から出るとお父さんはまだ寝ているようでお母さんがテーブルに料理を並べているところだった。


「おはよー」

「おはよう、フィリア。気分はどう?」

「大丈夫、元気だよ!」

「よかった。なら早くご飯食べちゃいなさい」

「はーい!」


焼きたてのパンを口に入れながら魔法の実験の成果を思い出す。結果は「詠唱はイメージがしっかりできていれば必要なし。」「イメージは正確なほど魔法の発動率、成功率ともに上がる。」だった。本に書いてあったことが嘘だと証明したのだからかなりの成果だと思う。


「ごちそうさま。ソウのところ行ってくるね!」

「はい、気をつけてね」


眠い目を擦りながら昨日の実験結果をまとめた紙と初級水魔法の本をカバンに詰め込む。そのままソウの家にとつると、ジェイルさんと奥さんのエミルさんは治癒院の仕事をしていた。なんかすごい。


「あ、エミルさん達、おはようございまーす。ソウは?」

「フィリアちゃんおはよう。ソウは部屋で読書じゃない?」

「はーい、エミルさんありがと!」


「コンコンコーン、ソウいるー?」

「居ませんっていったら帰ってくれんのかよ」


呆れ顔で部屋のドアを開けてくれたソウはエミルさんの予想通り片手に本を持っていた。


「いなくってもソウの部屋で勝手に待つから意味ないかもね。ざんねーん」

「ってかコンコンコーンって口では言わなくていいし、コーンで最後伸ばしたのなんだよ、とうもろこし食べたかったら夏だぞ〜。」

「ちゃんと手でもドア叩いたよ?ソウに聞こえなかったら困るから一応口でも言ってみた!」

「で?今日は何の用?」

「実は…本の内容が嘘だということを約一晩かけて証明しました〜!わーい」

「は…?」


誤字脱字の確認一応してるのですが、何回も編集しててあるかもしれないので見つけましたら是非報告お願いします…!


明日も朝9時に投稿予定なので是非読んでみてください!

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