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第1話 記憶


「ケホッケホッ、」

「フィリア、大丈夫?」


いつものぜんそくで咳が止まらない。

それに、なんだか自分が経験したような記憶が頭に流れ込んで来て、ふわふわとした感覚に襲われる。



「ごめん、父さんは今、診療中で来れなくて…いつものなら僕が見てもいい?フィリア、ゆっくり深呼吸して見て」


しばらくして来たソウはお母さんが頷いたのを見ると、私に言う。幼馴染のソウはこの村で治癒院を村長子供だし、よく一緒に遊んでいるから私より対処法は詳しい。深呼吸をしていふとだんだん呼吸が楽になって普通に話せるようになり、それと同時にふわふわとした感覚も無くなった。


「ソウ、ありがとう。」

「ううん、落ち着いた見たいでよかったよ。」


「ソウくん、助かったわ、ありがとう。今度村長さんにもお礼をしなくちゃね。ソウくん今日は夕ご飯食べてく?」

「いいですか?いつもすみません。」

「いいのよ。村長さん達にはお世話になってるしね、もちろんソウくんにも。」


村長さんは奥さんとソウとの3人家族。お医者さんと村長さん両方の仕事で忙しくてソウとご飯を食べられないときはよくうちでご飯を食べる。


「よし、今日は2人の好きなハンバーグにしましょうか。」

「やったー!」


「あ、お父さんー、釜戸に火入れてくれる?」

「はいよ」


お母さんがお父さんにお願いするとお父さんが釜戸の前で詠唱すると釜戸の中にボウッと火がついた。そういえば、頭に流れ込んできた記憶の中は不思議な世界だった。家を作るにも木材でも魔法でもなく、謎のかたまり。それに、魔法を使ってる人がいなかったような…



4人で夕ご飯を食べ終えると、村長さんから連絡があり、ソウは泊まって行くことになった。


「フィリア、もう9時になるわよ。」


「はーい、ソウ、そろそろ寝よ!」

「うん」

「ねぇソウ、明日図書館に連れて行ってくれない?」

「図書館?なんで急に?」

「魔法を使ってみたいから、勉強しようと思って」

「ふーん、いいけど。」

「ありがと」


今日、麦畑を手伝ったからか、記憶が流れ込んできたからか、目を瞑るとすぐに眠くなって、流れ込んできた記憶を思い出しているうちにいつの間にか眠っていた。



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