表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブルーレゾナンス  作者: kiriiti
コルナ港へ
17/34

新たな剣

AIを一部使用しています。ご理解のうえお読みください。

ガルウィンとティアは、セルディオに紹介された武器屋の前に立っていた。


「前来た武器屋ですね」


「ああ」


 二人は扉を開け、中へ入る。


 店内には所狭しと武器が並び、鉄の匂いが微かに漂っていた。壁には剣や槍、斧が整然と掛けられており、奥ではスキンヘッドの中年の男が何やら手入れをしている。


 ティアが声をかけた。


「すみませんーー」


 顔を上げた店主は、ガルウィンを見るなり目を細めた。


「……おお、お前か」


「……?」


「覚えてるぜ。この見た目で、女の子に安物の剣を買ってもらってた中年男」


「……」


 ガルウィンは一瞬で言葉を失い、わずかに視線を逸らした。


 ティアはきょとんとした後、くすっと笑いそうになるのを必死に堪える。


「その……その節はありがとうございました。あの剣のおかげで、セルディオさんを守ることができました」


 ティアが改めて頭を下げると、店主はふっと鼻を鳴らした。


「そうか。役に立ったなら何よりだ」


 そして腕を組みながら続ける。


「それで? 今日はどうした」


「セルディオさんから紹介していただいて――」


「ああ、話は聞いてる。あんたらがそうか」


 店主はにやりと笑った。


「クーパー商会から連絡が来てな。好きなもん持っていけって話だ」


「本当ですか!?」


 ティアが嬉しそうに振り返る。


「どれか良さそうなのありますか?」


 そう問われ、ガルウィンは店内をゆっくりと見渡した。


 並んでいる剣はどれも質が良い。以前使っていたものとは比べ物にならない。

 だが――その中で、ふと視線が止まる。


 店の隅。

 少し離れた場所に置かれたガラスケースの中に、一振りの剣があった。


 細身の直剣。

 刃は片刃で、刀身は淡い緑色を帯びている。

 鍔はなく、全体的に無駄を削ぎ落としたような洗練された造りだった。


 ガルウィンは自然とその前へ歩み寄る。


「……これだな」


 小さく呟いた瞬間、後ろから店主の声が飛ぶ。


「お目が高いな」


 振り返ると、店主は腕を組んで立っていた。


「そいつは売り物じゃねぇ」


「……そうか」


 ガルウィンはわずかに残念そうに目を伏せる。


 だが店主は肩をすくめた。


「とはいえ、好きなもん持っていけって言っちまった手前、ダメとも言えねぇな」


「……?」


「持っていけ」


「いいのか?」


「ああ。セルディオ会長の命の恩人だしな」


 店主は顎で剣を示す。


「そいつ、元々はセルディオ会長から貰ったもんだ。なら、その恩人のお前が持っていっても文句は出ねぇだろ」


 ガルウィンは一瞬だけ考え――やがて静かに頷いた。


「……ありがたく受け取る」


 ガラスケースを開け、剣を手に取る。


 握った瞬間、しっくりと馴染む感触が伝わる。

 軽すぎず、重すぎず。力の流れを妨げない絶妙なバランス。


 ティアが期待した目で見つめてくる。


「どうですか?」


 ガルウィンは軽く一振りしてから答えた。


「……悪くない」


 その一言には、十分な評価が込められていた。


 剣を鞘に収める。


「これにする」


「はい!」


 ティアが嬉しそうに頷く。


 二人は改めて店主に向き直り、頭を下げた。


「世話になった」


「ありがとうございました!」


 店主は片手をひらひらと振る。


「気にすんな。次は壊すなよ、その剣」


「……善処する」


 わずかに苦笑を浮かべながら、ガルウィンは店を後にした。



 外に出ると、ティアが隣を歩きながら言う。


「これで、次の準備は整いましたね」


「ああ」


「これからどうしますか?」


 ガルウィンは少しだけ考え、答える。


「まずはクレリアットだ。あそこを中継地点にして、路銀を稼ぐ」


「それからコルナ港、ですね」


「その通りだ」


 目的が定まり、二人の足取りも自然と軽くなる。



 その後、二人は冒険者ギルドへ向かった。


 ギルドマスターの元を訪れ、旅に出ることを告げる。


「……そうか。行くのか」


「ええ」


「しばらく世話になりました」


 ティアが丁寧に頭を下げる。


 ギルドマスターは二人を見比べ、静かに頷いた。


「無理はするなよ。お前たちなら大丈夫だとは思うがな」


「肝に銘じておく」


 短いやり取りの中にも、確かな信頼があった。



 必要な食糧や物資を揃え終えた頃には、すでに日も傾き始めていた。


 城門の前に立つ二人。


 振り返れば、これまで過ごしてきたオーレリア王国の街並みが広がっている。


「行きましょう」


 ティアが一歩前に出る。


「ああ」


 ガルウィンも頷き、その背を追った。


 二人はそのまま城門を抜け――

 新たな目的地、クレリアットへと歩み出す。


 まだ見ぬ旅路へ向かって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ