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【特別編も完結】草食勇者と淫乱バーサーカー  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
特別章 裏切り女剣士と見せつけられたハッピーエンド
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第858話 周囲の怒りと私は悪くない

 黄金樹(おうごんじゅ)という何だかよくわからない場所の食堂、

 ちょっとここ水も出ないの? とか思ったのは今は置いておいて、

 呼び出されて来たらデレスちゃんを取り戻すチャンスが! という状況なのに、なぜか囲まれている。


(そう、『デレスフライヤーズ』のメンバーに)


 私はリーダーなのに、なぜ? どうして?

 そして今、私に従う存在のサブリーダーであるフラウが、

 恐ろしい形相で睨み、私によくわからないことを告げた。


「現実を理解って、私はデレスちゃんの婚約者、正妻よ?」

「かつてはね、わたしだってそうだったわ、でも、今は違うわ」

「何よ、私はずっとそのつもりだし、そうしてきたし、そのはずよ」


 フラウまで私を引っ叩こうと手を振りかぶるも、

 ハービィに腕を掴まれ、首に指をさす仕草で左右に顔を振る、

 それを見て大きなため息をつくフラウ、奴隷だからやめなさいということね、これは。


(うん、私はちゃんと、現状を把握できている)


 それでもフラウは、

 怒りの表情で静かに語りはじめた。


「みんなリーダーのリッコに、

 貴族の事実上の跡取りに従っていた、

 逆らえなかった、たとえそれが間違いであっても」


 ……決闘に負けた事を言っているのかしら。


「確かに作戦は間違ったかもしれないわ、

 やさしいデレスちゃんなら、コロッと行っちゃうと」

「そもそも今のデレスは、いえデレスさんは、もうあの頃のデレスじゃないわ」


 他のふたりも私を睨んでいる。


「だって私は私、デレスちゃんはデレスちゃん、

 ずっと、ずっと私の言う通りに躾けてきて、その通りになって、

 そうよクロウよ、クロウが全て悪いのよ、アイツが罪を全部被るって!!」


 ハービィと顔を合わせるフラウ、

 どうして複雑そうな顔をしているのかしら、事実なのに。


「まず最初に私達も取り返しのつかない大きな罪を背負っている、

 その前提を否定するつもりは無いわ、気付くのが随分と遅れたけれど、

 もう気付いていないのは、本当に反省していないのは、リッコ、貴女だけよ」


 私とずっと、

 ずーーっと意気投合していたフラウが、

 いったい何を今更……?!


「方法を間違い続けたのは事実、それはリーダーとして謝るわ、

 ただ、デレスちゃんを追放したのは私じゃなくクロウよ、私も、

 みんなも操られていただけ、だから私も、フラウも、ミジューキもハービィも」「それが間違っているのよ」


 私は悪くない、

 私は絶対に悪くない、

 だって、だってクロウが全部、罪を被るって言ったもの!!!


「私、幼いころからデレスちゃんを弟として、そして婚約者として育て、躾けてきたからわかるの、

 デレスちゃんは許すタイミングを待っている、ううん、おそらく私達に謝るタイミングを逸して困っている」

「……ようやくわかってきたわ、リッコ、あなた心が壊れているのよ」「私は真面目よ」「ミジューキ以上に重症だわ」


 そのミジューキを見る。


「ねえミジューキ、大丈夫? 何を考えているの?」

「……クズ」「えっ? ああクロウのことね、アイツはもう」

「リッコさんが、フラウさんも、私も、ハ……」「言っていいよっ!」


 しかしハービィのその声に、

 ミジューキは黙ってしまった、

 可哀想に、ミジューキも被害者よ、クロウの。


(これは一刻も早く、デレスちゃんを救出しなきゃ)


 その最後のチャンスとして、

 私達はここにきているはず、

 だから……だから、ここでこんな話をしている暇は、無いはずなのに!!


「ねえリッコ」「何よハービィ……さん」

「リッコはデレスさんと、今更会って、どうしたいの」

「そんなの引っ張って連れて帰るわ、さっさと、とっとと首輪を外しなさいって、順番がおかしいで……うっ」


 首輪を絞めようとする仕草をされた、ずるい。


「最終的には?」「……元に戻すのよ、何もかも」

「デレスさんを苦しめたいんだ」「デレスちゃんはそれが幸せよ、あの悪女に苦しめられているのに比べたら!!」

「じゃあ、何をしてゴールにしたいの? 子供は作りたくないんだよねっ_」「ゴール……それは……はっ、思い出したわ!!」


 私がデレスちゃんに、

 擦り込んだゴール、それは!!


「何を思い出したのかな?」

「朝日と共に、幸せなキスよ、全てが終わってからの」

「それで終わりなんだ」「ええ、デレスちゃんにはそれで十分、最大のご褒美のはずよ」


 ……無言になるみんな、

 フラウ、ミジューキ、ハービィ、

 みんなみんな、みんなずーっと私に従ってきたはずなのに、そう、デレスちゃんも……!!


「そうだわ、デレスちゃんの本当の気持ちを聞きましょう、

 あの悪女の監視のない、悪女の居ない所、悪女から取り戻した状態で、

 誰にも邪魔されずに、本当に、本当の本心を聞きましょう! ねっ?!」


 そこへ私の背後から誰かが!!


「教えてあげましょう、デレスさんの本心を」

「そっ、その声は、アンタ、アンタはーーーーっ?!?!」

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