第853話 まだ私は婚約者と思っています
「到着しました」
モグナミさんに転移スクロールで連れて行かれた先、
ここは木造の冒険者ギルド? なんだか、樹の中っぽいわね、
そして受付に居たのは大きな羽根を生やした、これは伝説の……天使族?!
「ここって」
「奴隷は勝手に喋らないように」「あっはい!」
「黄金樹ですよ、みなさん集会場に集まっています」
行くと天使族がいっぱい、
でも前の方は人間が群がっている、
窓の外は夜、ということはここ、違う大陸なのね。
(最前列の中央はまだ子供? 勇者っぽい格好はしているけど)
両隣は獣人メイド、
さらにその両隣には人間のメイドが座っている、
そして前方には大きな『映像』とかいうやつだったわね確か。
(チャンミオのカジノにもあったわ)
そこに映し出されているのは……!!
「あっ! デレスちゃん! ねえ、あれは私の婚約者の、デレスちゃんよ!!」
……その私の言葉に反応はない、
フラウたちでさえも迷惑そうな表情、
そしてようやく私に声をかけたのは……魔物?!
「うるさいわね眼鏡の人間、とっとと、さっさと座りなさいよ!」
集会所の後ろの壁沿い、
空中に浮いている小さな子供サキュバス、
目から光を出していて、この『映像』とやらを映し出しているよう。
(そして映像からは、声まで聞こえる)
突然、デレスちゃんの後ろ姿を遮るように、
不気味な幻術師がいっぱいに映し出された。
「あーあー、テストテスト、
女神様は言いました、『○○とお酒のお店』『ワインと○○の店』は、
アルコールを売って儲けたい店なのでお酒を頼まず○○ばかり頼むと、心の中で凄く嫌な顔をされるゾ!」
相変わらず不気味な幻術師、
デレスちゃんは、私のデレスちゃんは、
きっと、あの幻術にやられている……早く目を醒まさせてあげなくちゃ。
「という訳でアンジュです、幻術師です、女神教では教徒を募集しています、
今なら女神教スターター7点セット、エコバッグとサインペン、ハンカチーフ、
頬をコロコロするやつ、教えの入った5インチフロッピーディスク、謎の調味料、女神の尿路結石をプレゼントしまっす!」
そんなことよりデレスちゃんを、
私のデレスちゃんを映してよっていう!
どうやらみんな、飛びながら夜空を移動しているようだけれども……
「ではメンバー紹介、まずはナーレっちから!」
「はい、新参者ですがよろしくお願いします、ナーレと申します」
「ギャンブラーなんだよねー」「デレスちゃんの第八夫人になりました」
チャンミオのカジノに居た審判だわ、
デレスちゃんが冗談でプロポーズして……
今でもその冗談は続いているみたいね、現にカジノの服装みたいだし。
(私は冗談とかではなく、正式なデレスちゃんの婚約者よ!)
続いて別の、
背の高い女性。
「オトゥハです、エルフ代表として頑張ります、
もし行き場が無くて困っているエルフを見つけたら、
私が回収しますのでいつでも……はあぁーーっ!!」
急に弓矢でどこかを打った、
敵だったみたいね、的中して落ちて行ったわ。
「次はナタイラっち~」「はいアンジュさん!」
褐色の踊り子ね。
「んっとその前に、ヘレンっちうしろうしろ」
「はい、ふんっ!!」
(あっ、これあのヘレンとかいうのの視点)
鞭が伸びて背後を追っていた敵を倒した、
あれね、いかにも悪女なテイマー、サモナー、
あれこそデレスちゃんを魔法でどうにかしていそうな。
(あの女とリーダーは、誰がどう見たって悪女よ!)
早く助けてあげないと、
そして私が、このリッコが助けたら、
今度こそ一生、私に恩を返すために尽くして貰うんだから。
(誰が何と言おうが、どうなろうが、私はデレスちゃんの婚約者よ!)
そう、私がそう思っている間は……永遠に。
「ナタイラです、デレスさんのために、舞って舞って、
踊りで最後の七大魔王『クィーンチッヒー』を倒し切ります、
ライリア待っててね、必ず戻ってくるから、デレスさんたちと一緒に」
その言葉に、
ガタガタッと立ち上がる褐色の少女。
「うん、お姉ちゃん、待ってる、頑張って!
見た感じ、本当に妹さんみたいね。
(私だって、デレスちゃんのお姉ちゃんよ)
あぁ、早く……早く、デレスちゃんに、会いたい。
今年もよろしくお願いします、新作、
『 捨てられ貴族の公園造り ~婚約者もメイドも寝取られ危険な荒野に追放された僕は、
前世を閉じ込めた箱を開けて未来型都市公園で暮らします~ ざまぁもあるし地域猫もいるよ! 』
スタートしました、よろしければどうぞ、出来れば作品ブックマーク&評価もお願いします!!




