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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
吸血鬼

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93.北部からの通信

読んでいただきありがとうございます!


『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。


高評価、低評価、感想、酷評まで何でも歓迎しております(笑)


読者の皆さまの反応が作者の活力になります。


少しでも面白いと思っていただけたら、お気軽に感想など残していただけると嬉しいです!

 対吸血鬼司令部。


 日が沈み始めていた。


 東部。


 西部。


 南部。


 それぞれの拠点から勝利報告が届いている。


 被害は出た。


 だが壊滅は免れた。


 吸血鬼たちも撤退を開始している。


 隊長は安堵の息を吐いた。


「助かった……」


 兵士たちの表情も明るい。


 人類側の勝利。


 それも圧倒的な。


 あり得ない結果だった。


 ソロモン。


 ヴェルナ。


 そしてルクス。


 三人は戻ってきた。


「終わった」


 ソロモンが短く言う。


「東部は制圧した」


「こっちも終わりだ」


 ヴェルナが肩を竦める。


『……』


 ルクスも静かに頷いた。


 隊長は周囲を見回す。


「……一人足りないな」


 沈黙。


 ミハイルの姿がなかった。


「まだ戻ってないのか?」


 ヴェルナが眉をひそめる。


「遅ぇな」


 ソロモンも黙っていた。


 ミハイルは弱くない。


 学院では落ちこぼれだったとは言え、ソロモンが直接指導したのだ。


 それでも。


 妙な違和感があった。


 数十分後。


 司令部が騒がしくなる。


「隊長!」


「北部拠点から通信です!」


 全員が振り返った。


 大型モニターへ映像が映し出される。


 ノイズ。


 乱れた画面。


 そして。


「ミハイル!」


 拘束されていた。


 全身を鎖で縛られている。


 顔には殴られた痕。


 意識はある。


 だが満身創痍だった。


 隊長が立ち上がる。


「何だこれは!」


 その時。


 画面の奥から男が現れた。


 黒い外套。


 赤い瞳。


 吸血鬼だった。


 男は静かに笑う。


「初めまして」


「私はグラン」


 ソロモンの目が細くなる。


 グランは楽しそうだった。


「この男の仲間に告げる」


 ミハイルの髪を掴み上げる。


 ミハイルが苦しそうに顔を歪めた。


「安心しろ。殺す気はない。」


「だが、返してほしければこちらが指示する場所まで来てもらおうか」


「場所はアルトレイン南部街道を更に南下した先」


 グランは笑みを深めた。


「ノクタリア」


「そこで待っている」


 通信が乱れる。


 そして。


 最後にグランは言った。


「来なければ、この男の命はないと思え」


 画面が暗転した。


 沈黙。


 誰も喋らない。


 そして。


 ソロモンは静かに立ち上がった。


「なるほど」


 その声に感情はない。


 だが。


 ヴェルナは知っていた。


 ソロモンが本気で怒っていることを。


「迎えに行くぞ」


 こうして。


 ミハイル奪還作戦が始まった。

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