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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
吸血鬼

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91.防衛戦

読んでいただきありがとうございます!


『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。


高評価、低評価、感想、酷評まで何でも歓迎しております(笑)


読者の皆さまの反応が作者の活力になります。


少しでも面白いと思っていただけたら、お気軽に感想など残していただけると嬉しいです!

 地下施設。


 吸血鬼たちの悲鳴が響く。


「"ま、待て!!"」


「"やめろ!!"」


「"これ以上何をするつもりだ!?"」


 俺は次の器具を机へ並べていた。


 組織サンプル採取用の器具だ。


 ミハイルが少し引いている。


「……まだやるんですか?」


「当然だ」


 俺は頷く。


「血液だけでは分からないこともある」


「体組織」


「細胞」


「調べるべき箇所はまだ多い」


 吸血鬼たちの顔色が変わった。


「"もう話す!!"」


「"知っていることは全部話すから!!"」


 俺の手が止まる。


「ほう」


「"本当だ!!"」


「"だからやめてくれ!!"」


 俺は少し考えた。


「"別に聞いていない"」


「"えっ"」


 吸血鬼たちが固まる。


「"お前達の身体に興味があるだけだ"」


 沈黙。


 ヴェルナが横で呟く。


「なんて言ったか分かんねぇけど、ご愁傷様だな……」


 ミハイルも何となく察したらしい。


「顔を見る限り、あまり良いことは言ってなさそうですね……」


 吸血鬼たちは本格的に怯え始めた。


「"ろ、ロサンゼルス各地で襲撃が始まる!!"」


「"もう始まってるはずだ!!"」


 その言葉に。


 俺の手が止まる。


「"続けろ"」


「"ご、五箇所だ!!"」


「"ここだけじゃない!!"」


「"同時襲撃だ!!"」


 隊長が顔を上げる。


「"何だと?"」


 吸血鬼は必死だった。


「"俺達はそのうちの一つに過ぎない!!"」


「"他も今頃襲われてる!!"」


「"本当だ!! 嘘じゃない!!"」


 隊長は即座に無線機を取った。


「各拠点へ連絡」


「現在の状況を報告しろ」


 しばらく後。


 無線から慌ただしい声が響く。


『東部拠点、交戦中!』


『北部拠点より救援要請!』


『西部防衛線突破!』


『南部でも吸血鬼を確認!』


 隊長の顔が険しくなる。


「……本当だったか」


 司令部の空気が重くなった。


 誰もが理解している。


 戦力が足りない。


 今この瞬間も各地で人が死んでいる。


 俺は地図へ視線を向けた。


 現在地を含めて五箇所。


 つまり残り四箇所。


「なら手分けすればいいな」


 隊長が固まる。


「……は?」


 俺は当然のように続ける。


「幸い、俺達は吸血鬼に対して効果的な手段を持っている」


 地図の四箇所を順番に指差す。


「俺」


 東部。


「ヴェルナ」


 西部。


「ミハイル」


 北部。


 そして最後。


 ルクスを見る。


「ルクス」


 南部。


『……』


 ルクスは静かに頷いた。


 隊長は額を押さえる。


「"待て"」


「"今、その鹿を同列に数えたのか?"」


『……』


「"問題あるか?"だそうだ」


「喋ってねぇだろ!?」


 隊長が叫んだ。


 ミハイルも頷く。


「言葉は分かりませんが、僕も最初そうなりました」


 隊長は頭を抱える。


 だが。


 目の前にいる連中は、数時間前まで人類が不可能だと思っていたことをやってのけた。


 吸血鬼の殲滅。


 生け捕り。


 そして研究。


 理解不能だが実力だけは本物だった。


「……本当に大丈夫なんだろうな?」


 思わず漏れた言葉だった。


 俺は地図を見たまま答える。


「問題ない」


「根拠は?」


「吸血鬼だからだ」


 隊長はますます意味が分からなかった。


 だが。


 何故だろう。


 その言葉には妙な説得力があった。


 隊長は深く息を吐く。


「……分かった」


「正式に依頼する」


「各地の防衛拠点への増援を頼みたい」


 俺は頷いた。


「受けよう」


 ミハイルが青ざめる。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


「僕も一人で行くんですか!?」


「ああ」


「戦力の分散は愚策だが、吸血鬼が相手なら問題はないメンツだ」


「効率の問題じゃありません!」


 ヴェルナが肩を竦める。


「諦めろ、こうなったら止まらねぇ」


 ルクスも静かに立ち上がった。


 こうして。


 銀髪の異端児。


 吸血鬼。


 魔法使い。


 神獣。


 三人と一匹は、それぞれ別々の戦場へ向かうことになった。

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