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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
吸血鬼

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86/126

82.角

読んでいただきありがとうございます!


『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。


高評価、低評価、感想、酷評まで何でも歓迎しております(笑)


読者の皆さまの反応が作者の活力になります。


少しでも面白いと思っていただけたら、お気軽に感想など残していただけると嬉しいです!

 夕方。


 冒険者ギルド併設宿舎前。


 俺たちは巨大な白銀の鹿――ルクス=アルヴァを見上げていた。


「……で、どうするんだこれ」


 ヴェルナが言う。


 ルクスは静かに首を傾げた。


 その巨大な角が夕日に照らされ、淡く輝く。


 神秘的ではある。


 だが問題があった。


「住処がないな」


 俺が言った。


「いやまあ、そうだけどよ……」


「宿舎を使えばいい」


「使えねぇだろ!」


 ヴェルナが即座に突っ込む。


 どう見てもデカすぎる。


 普通の部屋へ入るサイズではない。


 だが俺は気にしていなかった。


「俺の部屋はヴェルナがいる」


「嫌な言い方すんな」


「なのでミハイルの部屋を使えばいい」


「え?」


 ミハイルが固まった。


「ちょっと待ってください」


「広いだろう」


「広い狭いの問題じゃないですよね!?」


 ルクスは静かにミハイルを見た。


 優しい目だった。


 だがデカい。


 圧が凄い。


「大丈夫だ」


 俺が言う。


「ルクスは温厚だ」


「そういう問題でもなく――」


 ルクスは宿舎入口へ近づく。


 そして。


 ガゴンッ!!


 巨大な角が入口へ引っかかった。


 沈黙。


「……」


「……」


「……入れませんね」


 ミハイルが小声で言う。


 ルクスは少し悲しそうだった。


 俺は角を見上げる。


「邪魔か」


 次の瞬間。


 バキッ。


「え?」


 俺は躊躇なく片方の角を折った。


「ええええええ!?」


 ミハイルが叫ぶ。


 ヴェルナも流石に引いていた。


「お前なにしてんだ!?」


 だが。


 ルクスは目を見開いた後――


 ぶんっ、と軽く首を振った。


 そして。


 どこか嬉しそうに鼻を鳴らす。


「……?」


 ミハイルが困惑する。


 俺は折れた角を拾っていた。


「軽くなったらしい」


「そうなの!?」


 ルクスは何度も首を動かしている。


 明らかに動きやすそうだった。


「前から邪魔だったんだろうな」


 俺が分析する。


「もっと早く折れば良かった」


「普通折らないんですよ!!」


 ヴェルナは額を押さえた。


「いや待て……鹿って角生え変わるよな……?」


「そのうち再生するだろう」


「さらっと言うな……」


 俺は折れた角を眺める。


「高純度魔力結晶に近いな」


「素材扱いすんな」


 ルクスは満足そうに宿舎へ入っていった。


 なお。


 入口の幅はギリギリだった。

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