表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
禁域

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/126

78.守り神

読んでいただきありがとうございます!

『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。

 光はゆっくりとこちらへ近づいてくる。


 敵意は感じない。


 ただ。


 観察されている。


 そんな感覚だけがあった。


 そして。


 空気が震えた。


『…………』


 声ではない。


 だが意味だけが直接流れ込んでくる。


「“壊れずここまで来た”……か」


 光が揺れる。


 驚いている。


 そんな感覚が伝わってきた。


『…………』


「“なぜ存在を維持できる”」


 俺は静かに周囲を見る。


 暴走する波長。


 高密度魔力波。


 可視光を超えた危険領域。


 普通の生物なら、近づくだけで神経が焼ける。


「防いでいる」


『…………』


「“理解しているのか”」


「ああ」


 俺は頷く。


「観測できる現象は、干渉可能だ」


 数秒。


 沈黙。


 その後。


 光がゆっくりと明滅した。


 まるで思考しているようだった。


『…………』


「“昔、似た人間が一人いた”」


 俺は目を細める。


「人間?」


『…………』


「“お前ほどではない”」


「“だが、近づくことはできた”」


 森の空気がわずかに揺れる。


「そいつはどうした」


 光が静かに揺らぐ。


『…………』


「“壊れた”」


 短い返答だった。


 だが。


 そこに含まれる感情は重かった。


 寂しさ。


 後悔。


 諦め。


『…………』


「“皆、壊れる”」


「“近づこうとした者は、例外なく”」


 俺は周囲を見る。


 変異した森。


 茸。


 魔物。


 全てが、この存在の影響下にある。


 そして理解する。


 こいつは壊したくて壊しているわけじゃない。


 ただ、存在しているだけだ。


『…………』


「“人間は我を崇めた”」


 光がわずかに暗くなる。


『…………』


「“精霊”」


「“神”」


「“守り神”」


「“好きに呼んだ”」


 森の空気が静かに揺れていた。


『…………』


「“だが、そんなものは望んでいなかった”」


 俺は黙って聞いていた。


『…………』


「“ただ、友が欲しかった”」


 光が小さく揺らぐ。


 それは呼吸にも似ていた。


『…………』


「“だが近づく者は皆壊れていく”」


「“触れれば崩れる”」


「“会話すら長く続かない”」


 周囲の魔力波がわずかに乱れる。


 悲しんでいる。


 そう感じた。


『…………』


「“だから遠ざけた”」


「“壊れる前に”」


「“鹿も”」


「“森の生物も”」


「“皆、我へ生物を近づけぬよう動いていた”」


 俺は静かに光を見る。


 なるほど。


 あの鹿は守り神ではない。


 門番だ。


 この存在へ誰も近づけないための。


『…………』


「“お前は初めてだ”」


 光がゆっくりと俺の周囲を漂う。


『…………』


「“壊れず、会話を続けている”」


 俺は少し考える。


 そして静かに答えた。


「慣れている」


『…………』


「“何に”」


「光に触れることへ」


 短く答える。


 光が揺れる。


 まるで笑ったみたいだった。


『…………』


「“変な人間だ”」


「よく言われる」


 その瞬間。


 初めて。


 光が少しだけ楽しそうに明滅した。

面白い、続きが気になると思っていただけたら、

評価・ブックマーク・いいねなど頂けると嬉しいです!


あなたのワンクリックが作者のモチベーションにつながります。


評価はこの下の星マークをクリック(タップ)するだけ!

星一つからでも大歓迎です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ