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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
学園

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54.二日目

読んでいただきありがとうございます!

『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。

 二日目。


 朝の森は冷えていた。


 木々の隙間から差し込む光が白い。


 簡易野営地では、各班が出発準備を進めている。


 第七班も例外ではなかった。


「荷物確認終わった」


 レティアが淡々と言う。


 フェリクスが小さく頷く。


 アレスは剣を肩へ担いだ。


「今日は昨日より奥だろ?」


「少しはデカいの出るといいな」


「そういうこと言わないの」


 レティアが即座に返す。


 だが昨日ほど空気は硬くなかった。


 少なくとも、“知らない相手”ではなくなっている。


 森へ入ってからも、それは感じられた。


「左から来るよ!」


 最初に気付けた僕が言う。


 直後。


 木陰から飛び出した魔物へ、シオンが即座に反応した。


 踏み込み。


 一撃。


 無駄がない。


 その横をすり抜けようとした別個体へ、レティアが剣を滑らせる。


 浅いが、十分。


 動きが止まったところへ火球が落ちた。


 フェリクスの魔術。


 昨日より明らかに精度が高い。


「おぉ、いい感じじゃねぇか!」


 アレスが笑いながら最後の個体を叩き伏せた。


 戦闘終了。


 昨日より短い。


 噛み合っていた。


「今の悪くなかったわね」


 レティアが言う。


 シオンも小さく頷く。


「索敵が早かったおかげだろうな、余裕を持って対処できた」


 僕は少し驚いた。


「え、あ……はい」


「助かってるぞ」


 短い言葉だった。


 だが、それだけで少し嬉しかった。


 歩きながら、アレスが軽く伸びをする。


「案外余裕だな」


「油断しないで、まだ浅い区域よ」


 レティアが返す。


 だが、その声も昨日ほど張ってはいない。


 班全体の空気が少し変わっていた。


 余裕。


 安心感。


 成功体験。


 それらが、少しずつ混ざり始めている。


 魔物と遭遇しても、昨日ほど慌てない。


 陣形も自然と整う。


 声を掛け合う回数も減っていた。


 “言わなくても動ける”場面が増えている。


「前!」


 僕が光を向ける。


 魔物が怯む。


 そこへアレスが突っ込む。


「おらぁ!」


 吹き飛ぶ。


 そのままシオンが止めを刺した。


「終わりだ」


 静かに剣を払う。


 昨日なら苦戦していたはずの相手。


 だが今は違う。


 戦闘後。


 アレスが笑った。


「なんか俺たち普通に強くね?」


「調子に乗らないの」


 レティアはそう言う。


 だが口調は少し柔らかい。


 フェリクスも特に否定しない。


 僕も、昨日ほど周囲へ怯えていなかった。


(……やれてる)


 ちゃんと役に立てている。


 その実感が少しずつ出てきていた。


 だから気づかなかった。


 周囲を見る時間が減っていることに。


 森の静けさへ慣れ始めていることに。


 そして。


 教師陣が、昨日より口を挟まなくなっていることにも。


 後方。


 木陰でラスモディウスが生徒たちを見ていた。


 隣ではガレス教官が小さく笑う。


「悪くねぇな」


「連携も形になってきた」


 ラスモディウスは答えない。


 ただ、生徒たちを見ている。


 その視線は静かだった。


「……問題はここからだな」


 小さく呟く。


 エルフィナ教官が目を細めた。


「慣れ始めていますからね」


「ああ」


 一拍。


「現場で最も危険なのは、“慣れた頃”だ」


 前方では、生徒たちが森を進んでいく。


 足取りは昨日より軽い。


 視線も前へ向いている。


 だからこそ、危険な目に合うなんて、想像がついていないようだった…

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