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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
聖騎士

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27.希少食文化作戦

読んでいただきありがとうございます!

『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。

 聖都アルカードの聖堂、更にその中の監察室にて。


 私――リオネルは報告書を卓上に並べる。


「対象ソロモン、ギルド依頼における行動履歴を継続監視」


「異常行動は増加傾向」


 聖騎士長は目を閉じたまま、指先だけでページをめくる。


「内容を言え」


「はい」


 私は淡々と続ける。


「未知生物の調理および摂取」


「魔物の食文化形成」


「ギルド内での半ば宗教的な支持形成」


 一拍。


「……は?」


 聖騎士長が初めて眉を動かした。


「食文化?」


「はい。一定の冒険者層により“安全性未確認食材の共有”が発生しています」


 沈黙。


 紙をめくる音だけがやけに響く。


 聖騎士長はため息をついた。


「異端というより……理解不能だな」


「同意します」


 私も少しだけ間を置いてから頷く。


 だが、その目は揺れていない。


「ただし、観測上の事実として、ソロモンは常に魔物を処理しています」


 聖騎士長はそこでようやく顔を上げた。


「偶然か?」


「不明です」


「だが興味深いな」


 わずかに笑みが混じる。


 その反応に、私は何も言わない。


 聖騎士長は立ち上がり、窓の外を見た。


 都市全体を覆う光。


 秩序。


 その中に、明確な“歪み”が混じっている。


「ソロモン……」


 低く呟く。


「光を扱いながら、体系に属さない存在か」


 その言葉で、空気が変わった。


「一つ策を講じろ」


「はい」


 私は即座に応じる。


「地方にて“希少食文化”の情報を流布する」


「内容は?」


「外見は異様だが、味は極めて優れている料理」


 聖騎士長は淡々と続ける。


「ソロモンとやらは必ず食いつく」


 私がわずかに首を傾げる。


「食文化への執着を利用する、と」


「そうだ」


 そして、静かに付け加える。


「その間に、吸血種ヴェルナを処理する」


 空気が一段冷える。


「吸血種は不要だ」


 私は一礼する。


「浄化部隊を手配しますか」


「いや」


 聖騎士長は首を振る。


「騒ぎは最小限にしろ」


「表向きは“調査中の事故”でいい」


 沈黙。


 その奥にあるのは、単純な正義ではない。


 秩序の維持。


 そして、そのために必要な“観測”。


(ソロモンには興味がある…だが、制御不能ならば排除するまでだ)


 まるで当然の結論だった。


「以上だ」


 私は静かに頭を下げる。


「了解しました」


 扉が閉じる。


 光だけが残る部屋で、聖騎士長はひとり呟いた。


「さて…吸血種の方は部下に任せて、私はソロモンとやらを相手するとしようか」

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