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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
冒険者ソロモン

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15/126

15.実験

読んでいただきありがとうございます!

『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。

 宿舎の部屋は、思ったより普通だった。


 二段ベッド。小さな机。椅子が二つ。


 窓は狭く、外からギルドの喧騒が少しだけ聞こえる。


 ヴェルナはベッドへ腰を下ろし、小さく息を吐いた。


「……静かだな」


「昼はそうでもないけどな」


 向かいで俺は色々なものを机へ並べていた。


 紙。 工具。 よくわからないガラス瓶。


 あと、妙に怪しい粉。


「お前、それ何してるんだ?」


「趣味」


「嫌な予感しかしない答えだな……」


 ヴェルナは警戒した目を向ける。


 俺は気にした様子もなく、小鍋を火にかけ始めた。


「今日は俺が作る」


「料理できるのか?」


「そこそこ」


「その『そこそこ』が信用できないんだよ」


 数十分後。


 机に料理が並んだ。


 簡単なスープ。焼いたパン。肉料理。


 見た目は普通だ。


「……意外とまともだな」


「失礼だな」


 ヴェルナはスープを口へ運ぶ。


 一口。


 二口。


「……ん?」


「どうした?」


「いや」


 ヴェルナは少し首を傾ける。


「なんか変な風味がする」


「気のせいじゃないか?」


 俺は平然と答える。


 ヴェルナはもう一口飲む。


「……にんにくか?」


「そうだな」


「妙に多くないか」


「疲労回復にいいらしい」


「へぇ」


 ヴェルナはそのまま普通に食べ続けた。


「……」


 俺はその姿をじっと見つめる。


「なんだ?」


「別に」


 効かない。


 少なくとも食べる分には問題なさそうだった。


 頭の中のメモ帳に記録しておこう。


 その日の夜。


 ヴェルナはベッドで本を読んでいた。


 俺は机でとある物を組み立てている。


「なあ」


「ん?」


「昼からずっと何作ってるんだ」


「実験器具」


「嫌な予感しかしない」


「安心しろ。たぶん爆発はしない」


「する可能性あるのかよ……」


 ヴェルナが呆れて視線を戻した、その時。


 俺が後ろから、すっと何かを掲げた。


 銀色の十字架。


「……?」


 数秒。


 ヴェルナは何も反応しない。


 普通に本を読んでいる。


「……何してるんだ、お前」


「いや」


 俺は十字架を下ろした。


「なんとなく」


「絶対嘘だろ」


「気のせいじゃないか?」


「その返し流行ってるのか?」


 ヴェルナが半眼になる。


 俺は少し考える。


「銀も平気、と」


「おい今なんか言ったな?」


「独り言」


「嫌な予感しかしねぇ……」


 ヴェルナは本を閉じた。


「お前さ」


「ん?」


「俺で遊んでないか?」


「そんなことない」


「間があった」


「気のせいだ」


「絶対違うだろ……」


 しばらく沈黙。


 窓の外では、まだ誰かが騒いでいる。ドラゴンがどうとか聞こえた気がした。


 ヴェルナはため息を吐く。


「……まあいい」


「いいのか」


「お前に細かいこと言ってたら疲れる」


「慣れてきたな」


「不本意だ」


 俺が少し笑う。


 ヴェルナはその顔を見て、また小さく息を吐いた。


「で、次は何試す気だ」


「まだ秘密だ」


「やっぱり実験してるじゃねぇか!!」

面白い、続きが気になると思っていただけたら、

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