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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
冒険者ソロモン

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14/126

14.達成報告

読んでいただきありがとうございます!

『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。

 ギルドは、今日も騒がしかった。


 昼を過ぎた時間帯。


 酒の匂い。焼いた肉。笑い声。依頼帰りの冒険者達が好き勝手に騒いでいる。


 ヴェルナは小さく息を吐いた。


「……慣れないな」


 騒がしい場所より静かな場所の方が落ち着く。


 そんなことを考えながら、受付へ向かった。


 カウンターでは、栗色の髪を後ろでまとめた受付嬢が書類を整理していた。


 ヴェルナに気づくと、ぱっと顔を上げる。


「あ、おかえりなさい。初依頼達成ですか?」


「ああ」


 ヴェルナは討伐証明用の部位をカウンターへ置く。


 ドブ喰いラットの牙。


 受付嬢は確認しながら頷いた。


「下水道の依頼ですね。お疲れさまでした」


「思ったより数が多かった」


「最近増えてたんですよねぇ……。怪我はありませんか?」


「ああ、問題ない」


 受付嬢は少し安心したように笑った。


 それから、報酬袋を用意しながら、ふと思い出したように口を開く。


「そういえば、ソロモンさんとはどうですか?」


 ヴェルナが微妙な顔をする。


 受付嬢がくすっと笑った。


「大丈夫ですか?」


「色々と不安だ」


「わかります」


 即答だった。


 ヴェルナは少し眉をひそめる。


「……あいつ、何なんだ?」


「何なんだと言われましても……」


 受付嬢が困ったように笑う。


「ギルド側も、正直よくわかってません」


「おい」


「でも、依頼はきちんと達成してくれるんです。危険な依頼でもちゃんと戻ってきますし、報告も丁寧ですから、評価は高いですよ?」


「性格は?」


「変です」


 また即答。


 ヴェルナが思わず吹き出す。


「だろうな……」


「でも悪い人ではないんです。たまに妙な騒ぎを起こしますけど」


「例えば?」


「夜の広場で巨大な発光クラゲを空に飛ばして怒られてました」


「なんで?」


「『綺麗だと思った』らしいです」


「子供か?」


「ちなみに途中で破裂して、広場中が青く光りました」


「最悪だな……」


 ヴェルナは頭を押さえた。


 受付嬢は少し楽しそうだった。


「あと、変な生き物をよく持ち帰ってきますね」


「見世物用か」


 ヴェルナは遠い目になった。


「……あいつ本当に冒険者か?」


「たぶん」


「たぶんって何だ」


 そんな会話をしていると、後ろから大きな声が飛んできた。


「おっ、新入りじゃねぇか!」


 振り返る。


 ガルドという男だ。


 相変わらず無駄にでかい。


 その後ろにはミリアとエルクもいる。


「下水道行ってたんだって?」


 ミリアが興味深そうに聞いてくる。


「ああ」


「どうだった?」


「臭かった」


「だろうねぇ」


 ミリアが笑う。


 ガルドはヴェルナの肩をバシバシ叩いた。


「新人にしちゃ頑張ってるらしいじゃねぇか!」


「痛い」


「お前細すぎんだよ!」


「お前がでかすぎるんだろ」


 横でエルクが静かに口を開く。


「……ソロモンと相部屋らしいな」


「ああ」


「寝れてるか?」


「微妙だ」


「だろうな」


 ヴェルナは小さく息を吐く。


「あいつは意味がわからん……」


「わかる」


 エルクが真顔で頷いた。


 妙に説得力がある。


 ミリアが肩をすくめる。


「でも強いんだよね、あの人」


「でも強ぇ!」


「そこは否定しない」


 ヴェルナは少しだけ視線を逸らした。


 下水道で見た光景を思い出す。


 灯りも無しに暗闇を歩き、当然みたいに魔物を焼く姿。


「……本当に光魔法なのか、あれ」


 小さく呟く。


 すると、ミリアが肩をすくめた。


「本人はそう言ってるよ?」


「納得できるか?」


「無理」


 即答だった。


 その時。


 ギルドの奥から、また大声が響いた。


「だから俺はドラゴンを見たんだって!!」


「あーはいはい」


「今度は何色だった?」


「黒だ!!」


「前は赤って言ってなかったか?」


「成長したんだよ!!」


 ガルド達が一斉に笑い出す。


 ヴェルナは呆れたようにその声を聞いていた。


 騒がしい。


 うるさい。


 いつか慣れる日が来るのかね…

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