118.ロサンゼルス・ニュース
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ロサンゼルス・ニュース。
現地時間午前十時二十分。
緊急速報です。
画面には、ヘリコプターから撮影された街の映像が映し出される。
高層ビルの上空。
そこを、無数の白く光る奇妙な生物が飛び回っていた。
小さなイカのような姿。
触手を揺らしながら、群れとなって空を泳いでいる。
『現在、ロサンゼルス上空において、発光する飛行生物の群れが確認されています。』
『専門家によりますと、既知の生物には該当せず、正体は不明とのことです。』
カメラがズームする。
白く輝く身体。
そして腹部には、赤く染まった袋のような器官が確認できた。
『あっ……。』
リポーターが空を見上げる。
『一部の個体がこちらへ向かって――』
次の瞬間。
プシュッ。
赤い墨のような液体が空中へ噴き出した。
『きゃっ!?』
リポーターの全身へ降り注ぐ。
『な、何これ!?』
『赤い液体が……!』
カメラマンも慌ててレンズを拭く。
『まだ飛んできます!』
『危な――』
大量のミニクラーケンがカメラへ殺到する。
『きゃああぁぁぁぁぁぁ!!』
ガガガガッ――。
映像が激しく乱れる。
砂嵐。
音声だけが断続的に流れる。
『――ただいま映像が乱れております。』
『現地スタッフとの通信が途絶えており、現在確認を急いでいます。』
『繰り返します。ロサンゼルス市内では、発光する飛行生物による原因不明の液体散布が確認されています。』
『付近にお住まいの方は、落ち着いて建物内へ避難してください。』
世界中の人々が、その緊急ニュースを固唾を呑んで見守っていた。
まだ誰も知らない。
その赤い液体が、人類を救うために作られた"治療薬"であることを。
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