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光の勇者ソロモン 〜光を知り尽くした異端の冒険者〜  作者: カルロス
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110.聖騎士隊VSグラン

読んでいただきありがとうございます!


『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。


高評価、低評価、感想、酷評まで何でも歓迎しております(笑)


読者の皆さまの反応が作者の活力になります。


少しでも面白いと思っていただけたら、お気軽に感想など残していただけると嬉しいです!

「総員、攻撃!」


 セラフの号令と共に、聖騎士隊が一斉に動き出す。


 盾兵が前へ。


 ランス隊が続く。


 後方では魔法部隊が詠唱を終え、光の魔法陣が幾重にも展開される。


「放て!」


 無数の光がグランへ降り注いだ。


 大地を白く染めるほどの光量。


 普通の吸血鬼であれば、一瞬で消滅してもおかしくない。


 だが。


「……ふむ。」


 グランは避けなかった。


 黒い影が足元から立ち昇る。


 まるで生き物のように身体へ絡み付き、漆黒の外套をさらに厚く覆っていく。


 光が着弾する。


 轟音。


 土煙。


 閃光。


 しかし。


 煙が晴れた先には、傷一つないグランが立っていた。


「何……?」


 セラフの表情が初めて揺らぐ。


「光が……効いていない?」


 グランは肩に付いた土埃を払う。


「影が光を喰らっているのですよ。」


 そう言って笑う。


「さあ、今度はこちらの番です。」


 影が大地を走る。


 一本。


 二本。


 いや、違う。


 無数だ。


 黒い槍のような影が草原一帯を駆け巡る。


「防御!」


 盾兵が大盾を構える。


 ガガガガガッ!!


 凄まじい衝撃。


 盾が軋み、足元が地面へ沈む。


「押し返される……!」


「踏ん張れ!」


 セラフが叫ぶ。


 その時だった。


 盾兵の影が揺らぐ。


「なっ……!」


 足元の影から黒い腕が伸びる。


 盾を掴み、鎧を掴み、そのまま地面へ押し倒した。


「しまっ──」


 次々と盾兵が拘束されていく。


 ランス隊が援護へ向かう。


「突撃!」


 一直線に突き出される槍。


 グランは避けない。


 影が蠢く。


 槍は届く寸前で軌道を逸らされ、互いの槍同士がぶつかり合う。


 隊列が乱れる。


「魔法部隊!」


「最大出力!」


 光。


 光。


 さらに光。


 草原が昼間以上の輝きに包まれる。


 それでも影は消えない。


 むしろ濃くなっていく。


「馬鹿な……!」


 グランはゆっくりと歩き始めた。


 一歩。


 また一歩。


 誰も止められない。


 近衛隊が最後の力を振り絞る。


 剣を抜き、四方から同時に斬り掛かる。


 だが。


「遅い。」


 影が一閃する。


 近衛騎士達の剣は弾き飛ばされ、衝撃で次々と地面へ転がった。


 誰一人として立ち上がれない。


 息だけが荒く響く。


 セラフも膝をつく。


 聖剣を杖代わりに立とうとするが、身体が言うことを聞かない。


「これが……吸血鬼なのか……?」


 この男は吸血鬼の中でも異常だ。


 草原には倒れた聖騎士達が横たわる。


 隊としての機能は、完全に失われていた。


 グランは満足そうに笑う。


「さて。」


「邪魔者はいなくなりましたね。」


 その視線が、草原へ倒れた俺へ向けられる。


 静寂が訪れる。


 その中で。


 草を握る手がゆっくりと力を込めた。


「……まだ。」


 震える腕で身体を支え、ゆっくりと立ち上がる。


 傷だらけの身体。


 焼け焦げたローブ。


 額から流れる血。


 それでも、その目だけは死んでいなかった。


「観察は終わった。」


 俺はグランを真っ直ぐ見据える。


「次こそは……お前を滅ぼす。」

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