105.話し合い
読んでいただきありがとうございます!
『光の勇者ソロモン』毎日更新中です。
高評価、低評価、感想、酷評まで何でも歓迎しております(笑)
読者の皆さまの反応が作者の活力になります。
少しでも面白いと思っていただけたら、お気軽に感想など残していただけると嬉しいです!
「ソロモンさん!」
研究室へ飛び込んできた受付嬢が息を切らしながら叫ぶ。
「聖騎士隊がお呼びです!」
「断る。」
即答だった。
まだ検証したいことが山ほど残っている。
今は一秒たりとも無駄にしたくない。
「断れません!」
「なぜだ?」
「正当な理由なく聖騎士の召喚を拒否した場合、教会への反逆と見なされる可能性があります!」
「別に構わない。」
受付嬢の表情が引きつる。
「構ってください!」
「犯罪者として指名手配されるかもしれません!」
「冒険者資格も剥奪されます!」
「ギルドも利用できなくなります!」
「依頼も受けられません!」
「他の冒険者から討伐対象になる可能性まであります!」
「……。」
少し考える。
研究は好きだ。
だが、そのための資金や素材は冒険者として稼いでいる。
資格を失うのは少々面倒だ。
「……分かった。」
俺は立ち上がる。
「話だけは聞こう。」
ギルドの応接室。
向かい合うように椅子へ腰掛ける。
正面には白銀の鎧を纏った男。
「また会ったな。」
その声を聞き、記憶が蘇る。
「ああ。」
「以前戦った聖騎士か。」
「改めて名乗ろう。」
「私は聖騎士長セラフ。」
「ソロモンだ。」
互いに名乗りを終えると、本題へ入る。
「率直に聞こう。」
「吸血鬼を匿っているな?」
「ああ。」
隠しても無駄だろう。
「現在は魔封じの鎖で拘束している。」
「完全に無力化した状態だ。」
セラフの視線が鋭くなる。
「それでも危険だ。」
「吸血鬼は生かしておくべき存在ではない。」
「処分する。」
迷いのない言葉だった。
「待て。」
俺は一枚の研究記録を机へ置く。
「現在、吸血鬼化を解除する方法を調べている。」
「順調に進めば元へ戻せる可能性がある。」
「……何だと?」
セラフは静かに目を閉じる。
「その研究は、過去にも数え切れないほど行われてきた。」
「教会。」
「王国。」
「賢者。」
「錬金術師。」
「医師。」
「誰一人として成功していない。」
「吸血鬼化は不可逆。」
「それが世界の常識だ。」
俺は肩を竦める。
「常識は更新されるものだ。」
その一言で、部屋の空気が張り詰める。
セラフは静かに立ち上がった。
「ソロモン。」
「その吸血鬼を引き渡せ。」
「断る。」
「研究が終わるまでは渡せない。」
セラフは剣の柄へ手を添える。
「ならば、お前も犯罪者として裁く。」
俺は深くため息を吐いた。
「……面倒だな。」
そう呟きながら、ゆっくりと立ち上がる。
話し合いは、終わりを迎えた。
面白い、続きが気になると思っていただけたら、
評価・ブックマーク・いいねなど頂けると嬉しいです!
あなたのワンクリックが作者のモチベーションにつながります。
評価はこの下の星マークをクリック(タップ)するだけ!
星一つからでも大歓迎です!




