表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と歩いた、ぼくらの怪談 第2部  作者: tempp
箸休め バレンタインの思い出

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/21

ゆかちゃんのお願い

怪談外伝【叫ぶ家と憂鬱な殺人鬼】に出てくるうっちーが主人公の外伝です。

夏頃はじめる予定の新作ミステリのキャラの1人が出ていて、番宣も兼ねています。

「ねぇ、うっちー聞いてる?」

「もちもち。でも俺にバレンタインの相談するってちょっと悲しい」


 少し空いたグラスにお酒を注ぎながらちょっと拗ねた視線を送って反応を見て、そっと手を取っておねだり。


「もう、仕方ないなぁ。うっちーにはこの間メルトリンケのお財布買ってあげたでしょ〜」


 うん♪ 38万円で売れたよ♡ 大好き♪

 でも今日は追加は無理かな。切り替えよ。


「ありがと。今日も持ってる、ゆかちゃん大好き。そうだなぁ最近のおすすめはヘクセンハウザーかな。濃いめのショコラで可愛くて美味しいよ。この通りの奥にあるんだけど、アフターの時間だともう閉まってるから今度同伴しない?」

「えぇ~、じゃあ明後日ならどう? 今日アフターもオッケーなんだよね?」

「もちもち。ゆかちゃん大好き。ダメって言われたら俺泣いちゃう」


 ゆかちゃんのアフターは正直ハードだけど今日はもうあがりだし、いかな。

 ここは俺が所属してるホストクラブ。club almaniata(アルマニアータ) っていう。


 俺はここで上から大体5番目か6番目くらい。トップを争いもしないそこそこ気楽でいいポジション。

 俺の売りはお友達感覚の気安さと売りと、あとはトーク? 大体の人にはそこそこ好かれる。ほんの一部の人にはめっちゃ嫌われるけど、めちゃめちゃ好かれることもない。


「うっちーに相談したいこともあって」

「相談? なんでも聞いちゃう」

「よかった! 息子に女の影があるのよ」

「息子さん? 確か30でEooele(イーイル)に勤めてるんだっけ」

「そうなのよぅ、ちょっとカッコいいからって飲み屋で変な女に絡まれちゃったみたいで」

「えぇ〜大変。ゆかちゃん似なら素敵なんだろうなぁ」

「そうなのよ」


 お金も持ってそう。Eooeleなら年収うんぜんまんの後半から億くらい? ひゅう。

 俺もお付き合いしたいなぁ。男は駄目な人かな。あでも聞いた話マザコンぽいからゆかちゃん抑えとくほうがいいよね。


「この子なんだけど」

「ふんふん」


 ゆかちゃんがスマホで写真を開く。

 息子さん細マッチョのイケメン。あれ、ええと、女の方見たことある。この子アンジェル・ホートスのええと、茉莉花(ジャスミン)だったかな? 確かケイヤに貢いでるって聞いたことある。息子さんはゆかちゃんと同居していて辻切から神津に通勤しているらしい。それでこの茉莉花はニヶ月くらい前からLIMEが来ているのをゆかちゃんは見るようになったそうだ。息子さんの携帯宛で写メとかはとってないから今確認はできない。


「なんかちょっとケバくて水商売じゃないかと思ってるんだけど。うっちー知ってる?」

「ううん、知らない子。でも仲間に聞いてみるからLIMEに写真ちょうだい」

「うっちー頼りにしてるわぁ」

「まかせて。ゆかちゃんのためなら喜んで」


◇◇◇


 翌朝。

 うう、体痛い。

 ゆかちゃんまじハード。

 なんかすげ眠たいけど、いちおケイヤにLIMEだけ飛ばしとこ。ゆかちゃんの息子さんにチラついてる茉莉花が入れ上げてるケイヤは俺の知り合いのホストだ。しかも神津(こうづ)で上の方のクラヴァ・カイザーっていうホストクラブのナンバーワン。

 トップいくほど痛客情報は感謝される。目に見える痛客はすぐわかるけど、メンヘラ系だと色々貢ぎまくった上で豹変するから変な対応をするとすぐに悪評垂れ流されるし客がいる前で包丁振り回されたりしたらホストの評判も落ちるもん。後つけられて刺されるのも嫌だもんね。だから情報交換大事。

 そんで太客だけどやばそうとか同伴でイメージ崩れそうな客は回してもらってる。俺はメンヘラ扱い得意だし最悪顔以外刺されてもいいと思ってるし。

 ホストって基本敵同士だけど俺はトップ狙ってるわけじゃないし客層被らないから都合よくて、秘密裏な感じで情報流してwin-winしてるのだ。


 そもそもケイヤの店は神津だから辻切(つじき)の俺とは客があんまり被らない。だから辻切発の俺の情報は貴重で重宝してくれて、ほんとは駄目なんだけど店通さないでパない太客を紹介してくれるマジいい人。

 あとは返事来るまでちょっと家帰って寝てよ。ゆかちゃんマジハード。でも高そうな鞄もらったからいいのだ。


◇◇◇


 そんで今日は自分の店休んでケイヤのヘルプに神津に来た。ライバル店潜入はほんとは駄目なんだろうけど、駅違うしなんだかんだ俺はこの店に客を紹介してるからぬるく好意的。

 それでケイヤからの前情報どおり確かに茉莉花がやってきてマリカと名乗った。毎週木曜は高確率で友人と来て、あとはたまに月曜か水曜に来るそうだ。


「うっちー?」

「そうそう、本当は内倉侑平(うちくら ゆうへい)っていうんだけど、ホラ、『ゆう』とか『ゆうへい』って多いじゃない? だからどうせならって思って名字の方にしてるの」

「うっそ。じゃあ本名なの?」

「始めた時知らなくってぇ。もっときらきらな方がよかったなぁとか」

「今から変えたりしないの?」

「うん、うっちーで覚えてくれたお客様もいるので申し訳なくって」


 まあ本名は全然違うんだけど嘘はついてない。

 でも見た瞬間わかった。茉莉花はプライベートの結婚相手は金持ち捕まえて裏でホストに貢ぎまくるタイプ。俺はそういうコトに鼻が利く。ああ〜。ゆかちゃんの息子さんマジで鴨。誰につくのが1番金引っ張れるかな? 俺の恋人はお金なので。


「マリカちゃんLIME 交換してもらってもいいかな?」

「いいよ」

「わぁ嬉しい。ナミちゃんももらっていい~?」

「いいよ~」


 ここで茉莉花から先に連絡先を聞くのが好感度獲得のポイントなので。何故ならナミちゃんさっきからスッゲ高い酒ばっか注文して茉莉花が霞んでるから。ホストクラブにくる女子なんてのはホストの注目を集めたい生き物なのだけど、当然注目されるのはナミちゃんだしホスト的にはナミちゃん持ち上げるのが正しい。けど、俺の狙いは茉莉花だからこの対応であっている。

 でもいいなかわいい太客。ナミちゃん初めて見るけど知らないお店の上の方の嬢なのかも。ケイヤはナミちゃんメインで話しててだんだん茉莉花が不機嫌になってきたから俺はメインで茉莉花と話す。丁度いい配分で持ち上げる。これもケイヤが茉莉花が俺に向くようにわざとしてくれてる結果なんだけどな。


 正直なとこケイヤ狙いは正直無理。誰にも無理。ケイヤはめちゃかっこいいけど誰とも同伴もアフターもしない。誰にもなびかないとこも孤高で受けてるけど、そもそも確かゲイだもん。それに茉莉花は入れる酒も大したランクでもないから本来は相手してもらえるランクじゃない。

 それでもケイヤが茉莉花をかまってるのはナミちゃんとか太そうな友達連れて来るからだそうな。このへんは結構闇くて、自分が貢げないから友達に貢がして評価を上げようとするけど結局キャストは貢ぐ方になつくから、ああ、だからゆかちゃんの息子さんから金引っ張って自分で金貢ぎたいんだろうねぇ。

 やっぱ世の中は金だよな。特にお水の世界はそう。色恋言っても最終的には札束で頬を叩く世界。俺は叩かれると何でもしちゃいます。うんうん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ