4-12.火事だーーー!!
本日も台湾に高雄に滞在中です。
本日は台南に行ってきました。というのも台南駅が今年に地下化されるということで、歴史的に古い台南駅を見納めに来たんです。
台湾鉄道は日本統治時代の建物が多く、歴史的価値があると台湾の皆さまは思ってて、とても大切にしてくれてるんですよ。ほとんど取り壊されずにモニュメントや博物館にリフォームされてるんですね。
台南駅も『国定古跡』に指定されてるそうで、役目を終えてもリフォームされて保存されるそうです。
台南へは機関車で牽引する客車列車の莒光号(急行列車)で行きました。この列車も2年後に廃止になって区間快車(快速電車)になってしまうそうで、旅情感が台湾でもなくなりつつありますね。
「···ん?煙···?火事か?」
その日、オレは執務室で『無限ハンコ押し』業務をやっていた。もう、ホント言った通りハンコ押しても押しても書類の山がなくならねえんだよ···。
少なくなったと思ったらスタイアがさらに山を持ってきやがるってのは以前言った通りだ。アイツ、書類持ってくるたびに『ニヤッ!』ってしやがるからなぁ〜。合法的嫌がらせだぞ?
まぁ、さっさとハンコ押して承認しねえと国が回らないからな。ここで滞らせていたら国益に反するし。
ただ、ちょいちょい休憩はしてるぞ?肩こるしなぁ〜。だから執務中はラフな格好でやってる。格式張った服って重量すごいんだよ···。とても事務できる格好じゃねえからな。
でも、総務のポーストさんは鎧着ずに事務服で戦場へ行っちゃって服まで無傷ってのはどうなんだろうか?そんな頑丈な事務服じゃねえけど···。
というわけでひと休憩ということでイスから立ち上がって、窓の外を見ると···、城東地区の方から煙が立ち上っていた。
煙はどこでも立ち上っているが、それの色はだいたい白だ。オレが好きな下着の色···、ゲフンゲフン!じゃなくて!!
その煙は黒っぽかった。普通の色じゃねえんだよ。黒煙は不完全燃焼で発生するものがほとんどだからな。
ちょっと気になるな···。
「お〜い!スタイア〜!」
「はい?···呼んだから書類のハンコが終わったと思ったのに山積みじゃないですか?サボらずに仕事しなさい」
「やっとるわ!城東地区で火事ぽいぞ?一応情報収集しといてくれるか?」
「火事···?確かにそれっぽいですが、消防署と憲兵に任せておけばいいですよ」
「そういや消防署なんてあったんだな」
「当たり前ですが?誰が消火すると?」
「うっせえ!まぁ、大火事にならなきゃいいけどな」
「そうですね」
そういやここ最近雨って降ってねえよな?空気が乾燥してるから、火の燃え広がりが早いんだよ。もしかして、さっきオレが言った大火事がフラグにならなきゃいいけどな。
引き続きオレは無限ハンコ押し業務をやった。チラチラと窓の外を見ながらだが、一向に煙が消えることがない···。いや、むしろ多くなってなくね?
その時だった。スタイアがノックもなしに入ってきた。
「王の言った通り大火事になってますよ」
「おいスタイア!?オレが犯人みたいな言い方で言うなよ!?被害状況は!?」
「城東地区の東の2割程度が焼失しつつあるとのことです」
「消火作業と避難状況は!?」
「消火作業は難航してるようで、この情報を伝えた憲兵が城南消防署へ向かいました。応援を呼ぶようですね。一応憲兵が避難誘導やってるそうですよ」
「ヤバいな···。オレも出るぞ!」
「そんな事もあろうかと東側通用口に馬車用意してますよ」
「手際いいな!そんじゃあ行くぞー!急いでヴェロッタにも声かけてくれ!」
「そんな事もあろうかと、もう伝えて通用口で待ってますよ」
さすがスタイアは用意周到だな。オレはラフな格好のまま、オレは急いで通用口へ向かった!そして通用口には···、元護衛のおっさんと御者のおっさんがいたぞ!?
「おっ!?やっと来たか!そんじゃあ急ぐぞ!」
「ヒヒヒ!久々にクレイジーな走りができますね〜!今日は飛ばしますよ〜〜!!」
「「ヒヒ〜〜ン!!」」
軍馬はオレが税務署長時代にオレをナメてたクレイジーな馬のお子さんだった。あの馬は現役引退したらしく、今はお子さんが担当してるそうだが···、オレを見て『ニヤッ!』っとしたので、オレをバカにする遺伝子は継承されてるようだわ···。
ホント、この馬の家系はクレイジーだな···。
そして御者の政策参謀も、久々に御者をやれるということでフルテンションだった···。しかも将軍になったおっさんまで一緒かよ···。
「遅かったじゃねえか!んで?あたいは何やったらいいんだよ?」
「それは馬車の中で話す!行くぞー!うぉっ!?」
馬車はいきなりフルスロットルで走り出した!!まだ城内なのに全速力で走るから、カーブ曲がる時に遠心力で荷台部分がドリフトして転倒しそうになったぞ···!?車内にはシートベルト無いんだぞ!?
「わぶっ!?」
「うわっ!?おい!なにしやがるんだ!!」
「ちょ!?(バシーーン!!)ぶぇっ!?」
馬車が急発進してさらに急カーブを曲がったので、オレは倒れたんだが···、倒れた先はヴェロッタの胸だった···。
事故なのに···。ぶん殴られました···。一応顔が腫れた程度だったので手加減はしてくれたようだ。本気なら首だけが物理的に飛んでるだろうし···。
どうせならスタイアの胸が良かったなぁ〜。ヴェロッタのつるペ、
「あぁ?」
「いえ···、なんでもないです。ゴメンナサイ···」
ちょっと思った事が顔に出たのか、考えてることが気付かれかけたな···。アブナイアブナイ···。
爆走する馬車はその後もカーブがあろうが全速力で走っていた。ブレーキもかけずに曲がる曲がる!片輪が浮くなんて当然のような走りっぷりだった。
しかし、そこは御者のおっさんの技量なのか、片輪走行しつつもギリギリ転倒しない角度で切り抜けていた!舌噛みそうになったぞ···。
そして城門は、城内から爆走してきた馬車に合わせてギリギリのタイミングで開門した!···こいつら、遊んでないだろうな?
町に入っても逃げ惑う人々や荷馬車をスレスレで通り抜けていった!···これ、元の世界の緊急車両のようにサイレンつけたほうがいいな。今度、改正道路交通法案を通すようにタックさんに言っとこう。
そして現場に到着した!ここまでの所要時間は4分。カップラーメンできる時間だが、今のオレは食欲がマイナスだ···。
「うっ···、酔った···」
「もう、なにしてるんですか?あれだけやる気で来たというのに···。遊びじゃないんですよ」
「お前ら頑丈だな···?あれだけ揺れて振り回されたってのに···」
「そんな事よりもあたいは何したらいいんだよ?馬車の中で説明するって言っただろ?」
「ヴェロッタにはまだ燃えてない建物を思いっきり破壊してくれ」
「···はぁ!?何考えてんだ!?」
「ちゃんと考えてるって。家があると飛び火して燃え移っちまうんだ。だから燃えてない家をぶっ壊して、燃えるものがないようにしてしまえば、被害が拡大しないんだよ」
「なるほどな···」
「だから思いっきり暴れてこい!」
「よっしゃ!だったら遠慮はいらねえな!行ってくるぜ〜〜!!どっせーーーーい!!」
ヴェロッタはまずは目の前の家を···、大ハンマーをフルスイングして一発でぶち壊した!?···とんでもねえ威力だな。あれでどつかれたら一発で天国行きだわ···。
さて···、次はオレの番だな!ちょっとまだ酔ってるけども、吐いてる暇はねえ!
「いくぜーー!強化液ぶっぱなし!!」
強化液って聞いてみんなは何を想像した?ドーピングしてムキムキのマッチョに!って思うだろうなぁ〜。
オレが両手から出したのは『強化液消火剤』だ。元の世界であった液体タイプの消火器だ。
成分は主に水なんだが、ほかにも炭酸カリウムなんかも入ってるんだ。こいつは普通にぶっかければ冷却と浸透によって消火し、泡立てば窒息作用で油火災にも対応できるんだ。さらに霧状にすれば電気火災もいけるぞ!
ただの水じゃあ効果はいまひとつだからな。せっかくいろんな成分込みの水をぶっ放せるんだ!だったらタダの水じゃあ芸がないだろ?
ただの水には興味ありません!じゃないと普通の魔法使いと変わんねえしな!
「オラオラオラオラーーーー!!」
某スタンド使いのように拳じゃねえけど、大量の強化液消化剤をぶちまけた!すると、ぶちまけた箇所は火の勢いが衰えていった!
···これ、元の世界の消火剤以上の性能なんですけど?消火器って初期消火ぐらいしか役に立たないんだけど?魔法で出したからさらに強化されてんのか?イメージが大事って話だからか?まあいいか!
そうやってオレが消火作業をしていると、どうやら城南消防署が応援に駆けつけたようだった!
よし!一気にたたみかけるぞーー!!
「建物のある方向から攻めろ!!あとはオレに続けーー!!」
「「「「おーーー!!」」」」
消火作業はその後順調に進み、夕方には鎮火直前までに追い詰めた。燃えるものは全部燃えたって感じだったな。
今回焼失した家屋は200軒ちょっと。ほとんど住宅地だったので、住民は全員避難所に入ってもらった。
避難した人たちにはお見舞金を支給した。着の身着のままだったからな。災害備蓄品の毛布とかもプレゼントしたぞ。こういう時のために用意してたからな。
さて···、今回の大火災だが···。出火原因は『寝タバコ』だった···。どうも酔ってタバコ吸ってたら酔いつぶれてそのまま寝ちゃったらしい。いわゆる『失火』なんだが、一応逮捕して弁償金の一部を体で払ってもらうぞ。労働中はタバコも酒もねえし、肉体労働だから健康的にもなるぞ!
そして、この大火災を契機に、王国民には消防についての教育もする事にした。自衛消防隊も結成して定期的に訓練するようにも法律で定めておいた。
合言葉は···、
『火魔法暴走、火事の元!!』
いつの時代も世界でも火事は災害です。
消防署はこの世界でもありますが、水魔法で消火したり土魔法で火元丸ごと埋めるぐらいしかできないんですよね。
コウくんは強化液消火器をイメージしてぶっ放しましたが、消火器による消火できる火は建物の天井に火がつく直前までの勢いです。噴射時間が20秒弱ですので、これ以上は消火栓が必要なんです。
また、粉末消火器を室内でぶっ放すと、消火剤で一気に見通しが悪くなります。そのため、必ず背中を脱出口に向けてぶっ放さないと視界が確保できずに逃げ遅れます。気をつけましょうね〜!
さて次回予告ですが、もう最終回です!
コウくんが作ったアリーナでは研究発表会が行われました。どんな研究が発表されてるのでしょうか?
明日でコウくんの物語はいったん終了しますが、新規エピソードができたら投稿しますよ〜!
明日は朝にお話、夜にネタバレ集を投稿します。お楽しみに〜!




