4-5.武術の師範、現る!?
「「「「わーーーー!!」」」」
すっげー大歓声だなぁ〜。
ここは南東地区に建設した屋外多目的スタジアムだ。荒れ地で農地に向いてない場所を有効活用したんだ。
スタジアムは多目的ってついてる通り、スポーツからコンサート、そして今やってる武術大会などが行われているんだ。
ちなみに屋内型のアリーナも建設中だ。こちらは緊急時は避難場所とするので軍事費予算で建設中だ。
このスタジアムも避難場所に指定しているけども、屋外なので収容人数はそこまで多くはない。だから福利厚生費から出している。
ちなみに競馬場にもできるぞ!それぐらい大きめに作ったんでな。
さて、今やってる武術大会を、オレとスタイア、そしてナログが貴賓席から見ていた。
「すっごーーい!かっちょいい〜〜!!」
ナログは興味津々だな。今回の大会は『武術の師範を見つける』事と、『軍へスカウト』するためだ。
実はちょっときな臭い話がベクトさんから入ったんだよ。お隣のサーボという国がクーデターが成功したそうで、どうもうちと戦争してやろうって考えがあるらしいんだ。
今まではなんとか戦争は避けれてたんだが、どうもうちの軍事力が弱いってバレたらしい。
まぁ、今は立て直しの最中ではあるが、確かに貧弱だ。オレが税務署長やってた時なんか、一般人のオレを矢面に突き出して逃げ道塞ぎやがったからな!
ある程度はあの元護衛のおっさんが鍛えなおしてるが、いかんせん装備が貧弱なんだよなぁ〜。魔法部隊もほとんどいねえし、どうすっかなぁ〜?
そんな事を考えてると、もう決勝戦まで来ていた!相手は···、剣と槍か。面白そうな試合になるな!
って思ってたら···?
「ぐわっ!?ま、まいった···」
「そこまで!」
「「「「わーーーー!!」」」」
···早かったなぁ〜!槍使いがあっという間に勝っちゃったんだ。
簡単に言えば試合開始直後に足払いを仕掛けて相手をひっくり返したんだ。よっぽど槍が頑丈じゃねえとできねえぞ。
そして倒れた相手に槍の先をのど元に突きつけたんだ···。さすがに体勢が崩れた状態だと反撃の余地がなかったので降参したんだよ。
···よし!あの人に師範をやってもらおう!
「スタイア。あの人呼んで」
「いつまで秘書扱いですか?ほかの者に言うべきでしょう?」
「···あっ!?悪い···。いつものクセで···。お〜い!あの人をここに呼んで〜!」
「え?王が直接言ったらいいじゃないです?このあと表彰式で直接言葉交わすでしょ?」
···どいつもこいつも、オレを王様と思ってねえだろ?いや、確かにこの後表彰式あるの忘れちゃってたけどさ···。
そして表彰式にて···。
「あんたはすごい!ここに表彰し、賞金を授与する!おめでとう!」
「ありがたき幸せ」
「「「「わーーー!!」」」」
王国民の大歓声の中、オレは表彰した。そして周りには聞こえない声で優勝者に声をかけた。
『ちょっと話したいことあるから、時間くれる?』
そうして人がいない会議室に来てもらった。怪しいことするんじゃないからな!交渉するだけだぞ!
この優勝さんの名前はリップさん。流浪の冒険者だそうだ。たまたまうちの国に入国してこの大会に応募したそうだ。
「さてと···、実はお願いしたい事があってね」
「拙者に願いとは、軍へのスカウトでござるか?」
「ござる···?本当にそんなしゃべり方する人いるんだなぁ〜」
「東方にあるわが国アラゴでは、このしゃべり方が多いでござるな」
「へぇ〜!ぜひとも交流したいもんだな!ああ、悪い悪い。実は半分当たりなんだけど、この国でその槍術の道場やってみない?」
「道場···、でござるか?」
「そう、道場。リップさんに戦場に出ろって言うつもりはねえんだ。ぶっちゃけ、この国の軍って流派とかねえのよ。ただ単に武器を振り回すだけでなぁ〜」
「それは···、ひどいでござるな」
「そうなんだよ···。リップさんはきっちりとした武術として槍を振るってたんでな。今の王国軍は過去の財政状況のせいで貧弱でなぁ〜。槍を持たせたら多少はマシだと思うんだよ。主に防壁上での防衛戦を想定している」
「なるほど···。我が『リム流』をこの国で広めたいと」
「そういう事。どうかな?道場の建設費用や事務員ぐらいはこちらで提供する。リップさんはリム流を広める役務を提供する。どうかな?」
「···うむ!いい条件でござるな!拙者、国を追い出された身だったゆえ、どこか安住の地を探し求めていたのでござるよ」
「···え?追い出された?」
「ははは···。道場を乗っ取られたのでござるよ···。ある日、外出から戻ったら道場破りによって拙者の道場は乗っ取られておったのでござるよ」
「マジで道場破りいるんだな···」
「ははは···。さらに道場破りのワナによって犯罪者扱いになってしまって、追い出されてしまったという事情でござる。おっと!?犯罪はやってござらんよ!」
「そういう事情ならうちの王国民になってもらったほうがいいな。うちで保護させてもらうよ」
「ありがたき幸せ!」
ふ〜ん。そういう事情って、某追放モノのお話ようなかんじだな。まぁ、そっちが捨てるならオレが拾うぞ。『捨てる神いれば拾う神あり』ってやつだな。
いつの世も、世界が変わっても、環境に合う合わないがあるもんだなぁ〜。まぁ、捨てたことを後悔させてやるぞ!
···って、第3者が後悔させてやっても向こうに『ザマァ!』できねえな。まぁいいか!
こうして、我が王国に武術の道場が開く事になったんだ。場所は南西地区だ。ちょうど小さな山があるので、そこの頂上に道場を作ったんだ。
なんで山の上だって?ものすごく長い階段って、修行にもってこいだろ!?
こうして王都に『リム流』という流派の道場ができた。軍や憲兵からも何人か出して修行を積んでもらい、技術を持ち帰って修練してほしいものだね。
作者の処女作であるアキくんの第13章で登場したスタジアムが建設されたお話、そしてリム流槍術がレオナード王国にやって来たエピソードでした。他国から追い出されてたどり着いたんですね~。
この時から国といい関係になっていたので、魔獣退治や新兵教育や送り出しを行うようになったんですよ。アキくんの物語の裏側といったところでしょうか?
そしてこのエピソードを執筆後にアキくんの物語を加筆修正を始めましたので、この設定が反映されておりますよ〜!
さて次回予告ですが、最終話でもあったコウくん率いる王国軍が魔獣掃討に出るお話です。どんな結果になるのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




