4-3.外堀埋められました···
オレが発動した長期国家運営計画はまず計画段階に入った。
各省庁からはある程度の概算要求が出てきたんだが···。
「···うわぁ~。やっぱ金ねぇなぁ〜」
「当たり前ですよ。あんな大風呂敷広げたらこうなるのは分かってたんじゃないですか?分かってなかったらタダのバカですが」
「分かってたわ!···現在の財政状況と人的資源だと同時進行はムリだよなぁ〜。優先順位つけねえとな」
「どれからやります?」
「···まずは教育だな。学校はとりあえず空家を借り上げで対応だ。新設したいけど、後回しだな」
「教師は?」
「募集して試験して合格ライン越えたら採用だな。最終面接はオレがやる」
「試験問題は?」
「教育庁に任せる。ヴェロッタは忙しそうだからな。それから交通整理員だ。オレが道路交通法を制定して、試験問題作るわ。これも学校で教えよう!」
「その程度なら大丈夫でしょう」
「次は···、宿場町の建設だな···。建設国債発行するか」
「なんですか?それは?」
「王国民に対して国が借金するんだよ。ちゃんと利子つけて返済するんだ」
「王自ら土下座して国民に借金するんですね?これだけ大風呂敷広げた報いですね」
「土下座せんわ!まぁ、雪だるま式に増えないように抑制しねえとな。あとは無駄遣いも極力減らさないとな」
「では、ベクトに会計監査も頼みましょう」
「ベクトさんならいろいろ暴いてくれそうだな」
いつの世も、そして世界が変わっても金が足らん!!いや、貨幣を鋳造すりゃ数字上はお金はできるけど、安易にこれやると貨幣価値が下がってハイパーインフレ起こっちゃうからなぁ~。
まさに『何でも金金金だなー』だな。『世の中そういうものですよ』という某皇帝継承のゲームでもあったけど、これは真理なんだろうなぁ〜。使う金額のケタが違うけどな。
そんなかんじで仕事してたら、もう夕方になっていた···。マジで王様忙し過ぎるんだけど?税務署長の時は結構気楽にやってたんだけどなぁ〜。
王様だから労働基準法なんて適用除外だし、残業代もつかねえしなぁ〜。···労働基準法ってこの国にはあんのか?
···待てよ?オレの給料ってどうなってんだ?ま、まさか!?無給でって事はないだろうな!?
「おい!スタイア!」
「はい?もう業務終了してますけど?残業代発生するような内容ですか?」
「ある意味そうだな!オレの給料ってどうなってんだ?」
「無給に決まってるじゃないですか」
「···マジで?」
「マジです。国のすべて、王国民たちも王の資産です」
「···じゃ、じゃあ!買い物は···?」
「顔パスでいけます」
「···は?」
顔パス···?オレが店行ってお会計しようとしたら『お代はいただけません!』って事?
「ですから、代金は支払う必要はありません。後日請求が城に来ますから」
「···って事は、何でも買えちゃうってこと?」
「物理的にはそうですが、請求書を処理する担当はポーストですよ」
「···実質買えねえじゃんか」
「ポーストを納得させる買い物をすればいいだけです」
「それができれば苦労しないんだが?」
あのポーストさんを説得なんてできるわけねえだろうが!?エロ本なんか買ったらアソコを引きちぎられそうだわ!
って事は、自由に買い物はできるけど、ある意味自由じゃねえってか···。オレ個人でのほかの収入って、ドゥー・スケスケ出版社の株の配当ぐらいか?耐えれるかなぁ···?
そして腹が減ったので、オレは食堂に向かった。
「あら!コウちゃん!今日はこっちで食べるのね!」
「おう!おばちゃん。ってか、宮廷料理人が独立して店出すんだとさ。とりあえず今日は『トン?カツ定食』で」
「あら〜!あの子、ついに巣立つのね〜!はいよ!定食一丁!コウちゃんは王様だから食券買わなくてもいいわ〜!」
うん、宮廷料理人が出ていく話は半分本当だ。ぶっちゃけると、オレが宮廷料理なんて食べ慣れてなくて『庶民の料理にして』って言ったら、怒って出て行っちゃったんだ···。
というわけで、オレは食堂に来て城の職員たちと一緒にメシを食うことにした。初回なのでみんなザワついてるな···。そりゃ、大臣よりも上の王様と食べる場所もメシも一緒だなんて思わんだろうなぁ〜。
「おう!これからここでメシ食うから、直接言いたいことがあったら自由にここで言え!」
「「「「············」」」」
ネットの記事にあった敏腕社長と同じように、とりあえず宣言しておいた。するとさっそく!?
「あ、あの!あたしと···、け···、結婚してくれませんか!?」
「···はぁ!?」
最初の意見は求婚でした···。いや、そういう意味で自由にって事じゃねえよ!?
「い、いや···。さすがにそれはちょっと···」
「だったらどうすればいいですか!?あたし、お見合い相手全員とバトルロイヤルやっても勝ち上がる自信があります!」
「ちょ!?腕っぷしアピール!?」
さらっととんでもねえ事言いやがるな···。お見合い相手全員でバトルロイヤルって···。ヴェロッタの相手ならまだしも、オレはヤダよ!
もしポーストさんが出場したら間違いなくポーストさんが優勝しちまうだろうが!?さすがに男よりも男らしいポーストさんが妻ってのは勘弁してほしい!!って!?何を想像してんだよ!?オレ!
「ご、ごめんなさい!そういったものは受け付けませんから!」
「そ、そうですか···。でも!諦めませんから!!」
···ヤベエ。お見合い資料送付はまだまだやって来てる状況下で、ここで直接アピール可ってなれば、まともに食事できねえじゃんか!?
マジで早く結婚しねえとマズそうだな···。ってか、この世界は複数の嫁や旦那と結婚できるそうだ。魔獣被害がすさまじいので、手っ取り早くお子さんを作るのが目的らしいけど···。とんでもねえ世界だな!節操ねえのかよ!?
その後もアピール合戦が始まってしまった···。やめろ!っつっても聞きやがらねえし···。無視してさっさと食って逃げ出した!さすがに今回は回り込まれずに逃げ切れたぞ!オレも多少レベルアップしたのかな?
そうして私室に戻ろうとすると、スタイアと出会った。
「よう!···なんか疲れてないか?何があった?」
「まったく···。食事中に求婚してきた連中のせいで食事できなかったのですよ。全員蹴飛ばしておきましたが、逆に喜んでましたね」
「···うわぁ~」
「財力も権力もない男には用がありません。そう言ってるのに、その条件に合うと勘違いしてるのですよ。いい加減、条件に合う人を探すのも疲れますよ」
「そりゃ、そんなハードル突破できるって言ったらほとんどいな···?オレが当てはまっちまうな」
「···そうですね。では、お互いもうこれ以上うんざりしたくないので結婚しておきましょうか」
「···マジで?」
「愛情などありませんが、夫婦として演じていれば求婚者どもとは金輪際関わらなくなるでしょう。求婚者どもに外堀を埋められたようで腹立たしいですが」
「···ホント、お前って愛情とか血も涙もないな。マジで偽装結婚ってことかぁ〜。まぁ、知らない仲でもないし」
···オレ、結婚ってお互いに愛し合って気に入ってプロポーズするものだと思ってたんだよ。それが『これ以上お見合い相手からの求婚の追求をかわす』なんて目的で結婚することになるなんてなぁ〜。
後日···。
「「「「わぁーーーー!!」」」」
「「「「ご結婚おめでとうございますーー!!」」」」
盛大な結婚式が王城前の広場にて派手に行われた。パレードまでやっちまったわ···。馬車を引いてる馬はいつものクレイジーな軍馬だったが、今日はオレを見て『ニヤッ!』ってしやがったな!この馬も大概だわ···。
どこにパレードやる金あったのか知らんが、スタイアが言うには『飲食店は屋台を出して臨時収入があったので税金で回収できるし、グッズ販売したから売上は全額国庫に入る』って言ってやがった···。
自らの結婚ネタで儲けようとするスタイアさん···。マジでパねえッス!!
コウくんとスタイアさんが結婚しましたが、とんでもない理由での結婚でした!
まぁ、お互い知らない仲ではありませんので、これでいいんじゃないでしょうかね?
ちなみに作者にもお見合いの話がかつてありましたが、すべて無視しました(笑)。中身見てませんし、お断りの連絡すらしてません。完全無視ですね。養えるだけの収入なかったんですけどね···。
さて次回予告ですが、コウくんとスタイアさんにお子さんが誕生しました!愛の結晶とは言いますが、スタイアさんは愛ではなくて、お子さんを覇王として育てる気のようですよ···?
そして大きくなったお子さんはスタイアさん同様にドSでした!どんなお子さんなのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




