3-5
「――決闘者はネリリン・ファルメールとアイビー・エインセル。ネリリン・ファルメールが勝利した場合はアイビー・エインセルは転学となり、アイビー・エインセルが勝利した場合はネリリン・ファルメールは妖精ブルースターとの契約を解除する。方式は時言決闘を採用。両者、内容に異論がなければ所定の位置へ」
エイデンの声が、演練場中に響き渡る。
アイビーは、ゆっくりと演練場の端に立った。ざわめく観客の声は、聞く必要がなかった。いつもよりもかなり固い、本来アイビーの決闘に乗り気ではなかったのであろうエイデンの声だけに集中する。
「では、両者の合意に基づき、生徒会はこの決闘を承認する。三秒後に開始の合図を行う。三、二、一――決闘開始」
演練場の中央にあった障壁が砕けた。
「行きなさい《ブルースター》!」
ネリリンの声が遠くに聞こえた。
アイビーは静かに呼吸した。一瞬だけ目を閉じる。
「――《ニヴァリス》、咲いて」
肺の奥に、冷たい空気が心地よく満ちる。空気中の魔力がすべて自分に纏わりつくような、不可思議な感覚に襲われる。
『いいよ』
淡々とした声がして、開いた視界が真っ白に染まった。演練場を埋め尽くすように、白い花が咲き乱れている。
「……スノードロップ?」
審判席から、エイデンの声が聞こえたような気がした。
アイビーは、短剣を構えた。正面から、長剣を構えたブルースターが突っ込んでくる。水色の花の名前を持つ妖精が、白い花弁を雪のように舞い散らせていく。
『――眠って』
アイビーが願うと、白い花が、すべて雪に変わった。雪原に足を取られたブルースターの動きが遅くなる。しかし顔を顰めて剣を振り上げ、アイビーを狙った。
『――春にはまだ早いの。眠って』
雪が吹き上がる。大きく狙いのズレたブルースターの剣線を、短剣で弾く。
「……っ」
よろけたブルースターに、舞い上がった雪が襲いかかる。アイビーは視線を動かしてネリリンの位置を探した。……最初の地点で立ち尽くしている。少なくとも、こまめに支援魔術を放ってくるタイプではないらしい。
ブルースターが剣を振って雪を弾こうとする。けれど、雪はふわりと剣を避けて、ブルースターの足元に積もっていく。
ぐらりとブルースターの身体がよろけた。つらそうというよりは、眠たそうに目が閉じかけている。
ブルースターは、まず間違いなく花の妖精だ。なぜ長剣を振っているのかがわからないくらいに、幻惑的な甘い花の香りがする。けれど、雪原で咲ける花は多くない。
アイビーは雪と格闘しているブルースターを置いて、ネリリンのもとに走った。走りながら、一度雪に触れて、勢いよく魔力を打ち込んだ。
演練場の横幅いっぱいに、自分の身長ほどの雪の壁を打ち立てる。ブルースターは飛べずに足を取られていたのだから、これで万が一抜け出しても追ってはこられない。
「ハァ? ちょっと、待ちなさいよ……ブルースター? 何やってんの?」
ネリリンが目を見開く。何の魔術も使ってこない。魔術師は妖精の使役だけでなく、自分で魔術も使えるはずなのに。
アイビーは呆れながら、ネリリンの喉元に短剣を向けた。
「――降参してください」
「ハァ……? 嫌に決まってるじゃない! 私は負けたりしないわ! 私は、私はね……!」
血相を変えたネリリンが、恫喝した。
『――主人公でお姫様でヒロインなのよおぉぉっ!』
その瞬間、主人を守る盾の役割を与えられたかのように、ブルースターがアイビーの目の前に現れた。
「えっ……!」
ぐったりとしたブルースターの身体がアイビーのほうに傾ぎ、顔が泣きそうに歪む。アイビーは慌てて短剣の向きを逸らした。危うくブルースターの顔に刺すところだった。
『さすがね、ブルースター! 私を護りなさい!』
「っ、あ……!」
ブルースターが、苦しそうな顔で剣を振った。アイビーは困惑しながら顔を顰めた。どう見たって、ブルースター自身の力ではなかった。ネリリンの稚拙な恫喝が、妖精の理を捻じ曲げて、妖精の全身を支配している。……これが妖精を使役する魔術師の極みなら、酷く腹立たしい。
『負けたら許さないんだから!』
「ひ、っく……はっ、ぅ……ぅぅ……っ……!」
ブルースターが苦痛に呻きながら剣を振る。睡眠欲という命に関わる生理欲求を他人に制限されて、言葉に縛られて、行動をコントロールされる。支配欲を期待という甘言に置き換えて力尽きることさえ許さないなんて、目の前で見せられるには惨すぎる。
「なんで、こんなことができるの……?」
『私だってつらいわよ……! でも、私はこの子を信じてるの! 魔女なんかに負けたりしないって……!』
ネリリンは、まるで自分が殉教者であるかのように両手を組み、涙ながらに語った。話にならない。
「っ……ぁ、うぅ……っ!」
ブルースターが、柄を上手く握れていないまま、無理やり強制力に従って剣を振り回す。明らかに腕を痛める動きだ。このまま戦闘を継続させていいはずがなかった。
「……っ、隠しておくつもりだったのに……!」
アイビーは、仕方なくブルースターから距離を取り、雪原に触れた。魔女がどこまでできるのかなんて、人前で、こんな初戦で、ネリリン相手に見せるべきではないと、頭の片隅ではわかっている。
でも、もう耐えられなかった。耐えるべきでもないと思った。
『ニヴァリス、もう全部終わらせて!』
魔力を叩きつけるように打ち込んだ。雪原の雪が一斉に舞い上がり、ネリリンに向かって吹き付けた。「ひッ――?」ネリリンの姿が雪に埋もれて見えなくなる。
そして――それで終わりだった。
ブルースターが、力尽きたようにその場に崩れ落ちる。魔術師からの命令による強制力が途絶えたのだ。
「そこまで。――勝者、アイビー・エインセル」
エイデンの声が割り込む。アイビーは、慌ててブルースターに駆け寄りながら願った。
『――春を返して』
雪原が一斉にスノードロップの花に変わる。
『花が咲く季節になったよ。だから、もうお終い』
ニヴァリスにそう伝えながら、アイビーはブルースターに近づいて、自分の短剣も放り出してしゃがみ込んだ。
苦しそうなブルースターからおかしな握り方をしている剣を手放させて、仰向けにする。
『――また遊ぼうね』
スノードロップの白い花畑が、ふわりと溶けるようにただの演練場の土に変わった。
アイビーは空気中の精霊たちに話しかけた。
『いきなり寒くしてごめんね。この花の妖精を温めてあげてほしいの』
アイビーの魔力を通した《声》に引き寄せられた精霊たちが、光の粒のようにふわふわと輝きながら、ブルースターを包んでいく。
次第に苦しそうだった表情を楽にしたブルースターが、ぼんやりと目を開いた。
「……アイビー、さん……? どうして……」
「寒くした責任を取りたくて。ごめんね。酷いことをした張本人に治療されるのは怖いかもしれないけれど」
「いいえ。温かくて、安心します」
「それなら良かった」
アイビーはほっとして、ブルースターの右手を取った。スノードロップの妖精ニヴァリスと契約を結んだおかげで雪を操る力を手に入れていたが、元々アイビー自身は植物全般と親和性が高い魔女のつもりだ。手首、指先、手のひらを重点的に、ゆっくりと魔力を流して温めていく。
人型を取っている妖精には、魔力で構成された血や肉体や関節の概念がある。無茶をさせられれば痛みはあるのだ。
『……アンタが悪いのよ……! アンタがもっと私のために努力してくれないから……!』
「……あれ、っ……?」
表情を和らげていたブルースターが、突然硬直して、そして、左手が剣を掴んだ。
「え……っ?」
アイビーは反射的に、近くに置いていたはずの短剣を拾おうとした。
けれど、なかった。
背後で人の気配がした。なぜ、気づかなかったのだろう。アイビーは咄嗟に手足で地面を突き、その場を離れようとした。
「……っ!」
けれど僅かに遅かった。二の腕に、鋭い痛みが走る。反射的に二の腕を押さえた。足が止まってしまった。――ネリリンに後ろから切りつけられた。
そう理解した瞬間、目の前に剣を振り上げたブルースターの姿があった。
「……あ……」
アイビーは青褪めた。切られたら死ぬ。ブルースターも青褪めた顔で泣きかけていた。
剣が振り下ろされる。アイビーは身を竦めた。その瞬間、目の前に光の障壁が現れて、アイビーとブルースターを隔てた。
「え……?」
直後、背後でネリリンの甲高い悲鳴が聞こえた。咄嗟に振り返ると、赤く美しい鳥の妖精が、ネリリンのローブを咥えて地面に引き倒していた。ネリリンの手から、アイビーの短剣が落ちる。
「きゃあぁっ! なっ、なによコイツ! 離しなさいよ! ブルースター、はやくコイツを倒してよ!」
ブルースターは光の障壁の先で再び剣を振り上げながら、アイビーを見つめて首を横に振った。
「いい加減にしろ! ネリリン・ファルメール!」
審判席からエイデンが飛び出してくる。ふわりと風を操り、重力に抗うように演練場に降り立って、アイビーたちに駆け寄ってきた。
「怪我は? ごめん、もっと早くに割り込むべきだった。まさかここまで決闘を無視するとは……」
アイビーは立ち尽くしたまま強張った息を吐いた。森で暮らしていただけの魔女は、別に物理的な痛みに慣れているわけじゃない。
「なによ! 審判が乱入してくるなんて、ルール違反よ、ルール違反!」
全身が強張ったように重く、ネリリンの声がガンガンと頭に響く。仕方なく振り返ろうとした体を、ぐっと引き寄せられる。
「もう決着はついている。ルール違反は君のほうだ」
頭上から、エイデンの厳しい声がした。それで、エイデンに抱きしめられていることに気づいた。二の腕の傷を押さえていた手の甲を、一回り大きな手が包み込んで、上からしっかりと押さえられた。……わりと出血しているらしい。
「ハァ? そんなの知らないわよ! 私はいつ決着したかなんて聞いていないもの!」
アイビーはびくりと肩を跳ねさせた。まさか決闘は、相手を気絶させてはいけなかったのだろうか? それとも、気絶した後に魔法を解除してはいけなかったのだろうか?
――なんだかもう、上手く頭が回らない。
不安になってエイデンを見上げると、彼は首を横に振って、深くため息をついた。「君が勝者だよ。間違いなく」そう囁いて、ネリリンの声を遮ろうとするかのように、空いている手でアイビーの耳元の髪を撫でてくれる。
「なぜアイビーが、君が使役していた妖精を治療していると思ったんだ」
「魔女がそんなことするなんてわかるわけないでしょ? それなら決闘は無効ってことよね? ハイハイやり直してあげるわよ、うるさいわね!」
アイビーは諦めてエイデンの胸に額を押し付けた。魔女が一人で行ったことが何も認められないのなら、必死に立っている意味すらないような気がした。
「エイデン。もういい。俺が代わる」
よく通る声が割り込んでくる。シルヴェスターだ。
「ネリリン・ファルメール。校長先生がお呼びだ。同行してもらおうか」
「ほらね? 私は男に頼りっぱなしの魔女とは違うのよ! ブルースター、早くついてきなさい!」
大きなため息が聞こえた。おそらくシルヴェスターだろう。ゆっくりとしゃがみ込んでアイビーを座らせたエイデンが、呆れたように告げる。
「君の命令によって、その妖精は不当に生徒を襲った。生徒会として、彼女は拘束させてもらう。それに君は、アイビーに負けたら妖精との契約を解除するはずだ」
「ハァァ? なに言ってんのよ! ――ロマンス! 早く私を助けなさいよ!」
ネリリンは発狂したように観客席に向かって叫んだ。シルヴェスターが警戒した声を投げかける。
「ロマンス・パターソン。そこから動くなよ」
「生徒会長様は人を馬鹿にしてんのか? 決闘の結果を覆せるなんてソイツしか思ってねぇよ」
人を馬鹿にしたような声が観客席のほうから届いた。試合前に絡んできた、派手な魔術師の声だ。
「そうか。疑ってすまない。では……結果を見届けた者は、速やかに演練場から退席するように」とシルヴェスターがはっきりとした声で言い放つ。ネリリンを制圧していたエリオスが飛んできて、エイデンの腕に止まった。
「え? ちょっとなにすんのよ! 私を拘束して何をするつもりなのっ? 私を誰だと思っているの? 私の父親が誰だと思っているの? 北の魔女狩り総督よ? 私は総督の娘なの! 言うことを聞きなさいよ、精霊術師のくせに――!」
「あえて君の知性に合わせて話すなら、俺の祖父はこの学校の理事長で、俺は生徒会長なんだ。決闘で自ら違反行為を働いた君は、この学校内で一番偉くないから黙ってくれ」
ネリリンの声が聞こえなくなった。どうやらシルヴェスターが拘束したらしい。
「エリオス、彼女の腕に治癒をかけてほしい」
エイデンがエリオスに語りかける。エリオスは、頷いてアイビーの腕の傷を見つめた。ふわりと傷口が美しい金の光に包まれる。傷口から痛みが引いていく。
「……ありがとうございます。エリオスさん。エイデン先輩」
「うん。でも失血は戻らないから、まだ動かないで。エリオス、彼女のそばにいてくれないか」
エイデンがエリオスに視線を向ける。エリオスは心得たように翼を広げて、ひらりとアイビーの膝に乗った。
美しい柘榴石のような瞳が、じっとアイビーを見上げてくる。どことなくエイデンに似ていて安心する。けれど若干重い。立つなということだろうか。
「……あの……ごめんなさい。アイビーさん」
後ろから、ブルースターがおずおずと話しかけてきた。アイビーは何とか頬を上げて「大丈夫」と答えた。エイデンが立ち上がり、ローブの内側から紙の魔法陣を取り出す。
「すまないが、どうか一時的な保護の手段だと思ってほしい。魔力を制限される不快感はあると思うけれど、痛みはないはずだから」
「はい。大丈夫です。自分のした行動は理解してます」ブルースターは頷いて両手を出した。手錠型の拘束魔術が発動する。アイビーはそれを見たくなくて目を逸らした。
いつの間にか、ネリリンとシルヴェスターの周囲には教師が数人集まっていた。その中には担任のアッシュフォード先生もいる。エイデンはブルースターを連れて、アッシュフォード先生に近づいていった。そういえば、生徒会の顧問もアッシュフォード先生だった覚えがある。
「アイビー! 大丈夫か?」演練場の入り口から、コンラッドが走ってきた。荷物を持ってきてくれたらしい。
「うん。もう平気だよ」
「そっか。平気じゃなくなったら言えよ? にしても、魔女ってやっぱりすごいんだな! いや、アイビーがすごいのかもしれないけどさ。演練場、すげー綺麗な雪原になるし花畑になるし壁も作るし吹雪も起こすしで、みんな驚いてたぜ! 完全に魔女のこと見直してた!」
「……あ、あはは……ありがとうね、コンラッド」
アイビーは苦笑した。見直されるなら嬉しいが、絶対に手のうちを明かしすぎてしまった。反省したほうがいい。
「コンラッド。今からアイビーを医務室に連れていくから、後を頼めるか? 生徒たちが退場するのを確認して、問題が起きそうなら生徒会に通達してほしい」
戻ってきたエイデンは、アイビーの短剣を拾ってくれていた。ブルースターの身柄は、アッシュフォード先生に預けてきたらしい。アイビーがアッシュフォード先生のほうを見ると、一瞬だけ目が合った。
……少なくとも、教師としては公平で信頼できる相手のはずだ。ブルースターに酷いことはしないだろう。
「わかった。じゃあこれ、アイビーの鞄。エイデンのはこれで合ってるよな?」
「ああ、ありがとう。助かる」
「あっ、ありがとう」
アイビーは手を伸ばして鞄を受け取ろうとした。しかし鞄は二つともスムーズにコンラッドからエイデンに受け渡された。
あれ? と思っているあいだに、エイデンは自分の鞄を背負ってアイビーの鞄を肩に掛けた。
「動かすよ」エイデンにそう声を掛けられた。エリオスがアイビーの足から飛び立つ。途端に足が浮いた。というか、全身が浮いた。
「ひゃ、ぁ、っあ、あの? 私、自分で歩けま……っ?」
エイデンに横抱きにされている。いや、気のせいかもしれない。アイビーは自分の現状を再度確認した。エイデンに横抱きにされている。
「ごめん、落としたくないから動かないで。外傷はエリオスが治療したけれど、失った血は戻らないし、無理はしないほうがいいと思うよ」
「は、はい……ありがとうございます」
アイビーは、おとなしく頷いた。頭がくらくらして、努めて淑やかにする以外の選択肢が思いつかなかった。
でも淑女はここで心拍数をおかしくしないのかもしれない。わからない、エイデンの顔が近すぎてドキドキする。
「良かったな、アイビー」
コンラッドが面白がるように笑ってきた。咄嗟に言い訳しようとして、観客席に残る生徒たちがアイビーたちを見てざわついていることに気づいた。
「急ぎたいから、掴まってくれる?」
「へぁ、え、はっ、はいっ?」
言われた通りに、エイデンの肩に手を添える。けれどもう何も見ていられなくて、アイビーは目を伏せた。
なんとなく細身だろうと思っていたエイデンのローブの中身は予想外にしっかりしているし、エイデンの優しい声が聞こえやす過ぎて、恥ずかしくて泣きそうだった。
エイデンが、演練場の出入り口に近づく。頭上から、パチパチと音が聞こえた。四つ、五つ、七つ。十は超えないほどの手を叩く音が、観客席のほうから聞こえた。
意味がわからず、アイビーはそっと音のほうを見上げた。まだ観客席に残っていた数人の生徒が、まるで拍手のような仕草をしていた。
「君の魔法は素晴らしかったし、決闘の勝者は讃えられるものだよ」
「……あ」
エイデンから静かに告げられて、アイビーはようやく彼らが自分に向けて拍手をしているのだと気づいた。
「応じたいなら、手を振ってみるといい」
そう教えられて、アイビーはおずおずとエイデンの肩から手を離した。ほんの少し持ち上げて、どうしても丸まってしまう指先のまま、そっと手のひらを振る。
僅かな拍手の音が、大きくなる。
それで、ようやく――決闘後とはいえ不意を突かれたことを情けないと思わず心配してくれる人もいるのだと、積極的に関わってはこなくてもアイビーが学校にいることを認めてくれている人もいるのだと、自分はルール違反の不意打ちで襲われたことが酷く怖かったのだと、それが酷いことだと周囲が判断して動いてくれていたのだと――理解できた。
そうしたら、涙が止まらなくなった。




