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帰国の途

帰国の途


1週間の滞在はあっというまに過ぎて一行は帰国することになった。

帰りの便はペジュン国際空港からの帰国となるのだが、一応空港では警戒態勢が敷かれていた。

確かに1週間前に起きた爆破予告事件(爆破映像NET流出事件が後に変更)となったが。

今現在は爆破予告もデマだったという話になっており、混乱を避けるための警戒態勢という話だ。


「ずいぶん長い列だな」

「ええ特に日本行きはすごい列です」

「乗れそうかね」高坂准教授

「大丈夫だと思いますが…」リー

【宗助様ESP部隊が見回っています】

【ここにも?】

【先日の昼食で出会った部隊の制服と同じです】


そうESP部隊には一応制服があるらしい、と言ってもこの国の中だけでだが。

軍服のように見えるがデザインがかなり違うし、胸には階級章がいくつかある。

通常の軍関係が付けるバッジとは違う、科学技術省のバッジとテロ対策部署の腕章がその存在感を一層際立たせている。


「こんなにたくさんいるとは」伯支卯絽ハクシウロ

「どうだ、怪しい奴はいたか?」卦近利カキンリ

「これだけ多いとな…」


超能力捜査にはいくつかの能力が必要だ、今回この空港に派遣されたのはテレパスが一人。

透視能力者が一人、そしてサーチ(特殊能力感知)能力者だ。

だが空港のロビーがいくら広くても1万人近くの旅行者の選別を5人でやらなくてはいけないとは無茶にも程がある。

今回は他の空港にもESP部隊が派遣されている、その中でもこの空港が一番大きいわけだが。

事件が起こってから4日が経ち、ようやく空港が再開されたのだが。

4日間足止めを食らった旅行者は後日の便へと出航をずらさなければならなくなった。

現状はこの状態、3日経っても混雑は簡単に解消するわけがない。

幸いなことに宗助達が持っている航空便のチケットは、欠航にはならず取り消されることが無かった。


「ようやくカウンターまで進みましたね」

「今更だが、忘れ物は無いよな」

「無いです」


荷物を渡すと別の場所へと移動する、特に国際便のゲートにはかなりの人が押しかけていたが。

これから出発する日本行の便は2便に限られており、それでも400人以上の人が出航便待ちのロビーに集まっていた。


「あ リーさんだ」洲悠君スユークン

「お久しぶりです」

「久しぶり」


洲悠君は藩兆穀ハンチョーコクの部下でありESP部隊の一人だが、以前はペジュン工業大学の学生だった時期がある。

要するにリーの友人だったりするのだが。


「今日は仕事?」

「調査会社の仕事ですね、詳しくは言えないですけど、リーさんは?」

「留学生のお守ですよ」

「あ もしかしてお相手見つけたんですか?」

「それは秘密です」

「いいなー」

「それよりこんなところで油売っていて大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ、私の仕事は危険物の判定ですから」


そんな言葉を聞いて宗助が聞き耳を立てない訳がない。


【あの制服】

【ESP部隊ですね】

【リーさんの友人?】

【そのようですが、話の内容はそれほど危なくないですね】

【そうみたいだよな、あの人も洗脳されているはずなんだが】

【命令を聞くというだけで、絶対というわけではなさそうです】

【もしかしてそれほど拘束力は強くないのかも知れないな】

【その可能性は高いです】

「おい、仕事中だぞ」陣

「はい、じゃあまたね」

「またね」

「おいお前は、洲と知り合いか?」

「大学の同期ですよ」

「ふん、美人だな」

「ありがとうございます」

「見たところ学生の引率?」

「そうです」

「日本人学生か」

「ええ」

「連絡先を教えてくれないか?」

「は?」

「おい陣、何やってる!」卦近利

「事情聴取です!」

(まったく油断も隙も無い、美人に弱いのは知っていたが…)

「むにゅ」

「あ!」

(柔らかいな)


超能力を使いリーさんの胸を押してみる卦近利、本来の使い方からほど遠いが。

超能力を持つ者がその欲望を無尽蔵に使用するようになれば、こんなこともたやすくできてしまう。

ある意味では彼は洗脳されていた方が事件を起こさなくて世の為になるという事例なのだろう。

もし彼がESP部隊にいなければ、それなりの犯罪者になっていたかもしれない。

軽い洗脳とはいえ軍としての決まり事の3つは絶対に守らなければならない。

一つ命令は絶対、二つ命令からは逃れられない、三つ反抗すれば脳を焼かれる。

この洗脳能力はこれでも未熟なのだが、それでも命令を守らせるだけの力はある。

但し超能力というのは少なからずデメリットというのもある。

相手も洗脳能力又は無効化能力などを所有していた場合はその力が半減もしくは無効化される。

そして必ず全ての能力が永久持続されるわけではないという事。

特に初級の洗脳能力は一定の期間で解除されてしまう、いつまでも洗脳されたままというのはあり得ない。

そしてもう一つ忘れてはならないのがESP部隊という事は、洗脳の相手が全員超能力者であるという事だ。

この場合、超能力者は洗脳に慣れることにより、同じ能力を再使用した場合は抗体ができてしまう可能性がある。

超能力は身体能力と同じで力を訓練により増加させる事が可能、これは今までも書いてきたが。

その場合抵抗力という物が生まれて来る可能性も有るという事になる。

まあこれも洗脳能力を使用する側の力の大きさにもよるのだが、今の所彼らの洗脳は解かれてはいないらしい。


「班長、私の友人に何かしたでしょ」

「確かめてみただけだ、超能力者かどうかを な」

「やめておいた方が良いですよ、彼女リー家の令嬢ですから」

「李家、あの億万長者の?」

「この国のNO2だという噂もあります」

「このことは秘密だぞ」

「言わないですよ、言ったら私たちの班ごと粛清されますから」

『ナリタ298便の搭乗を開始します』

「このグループは問題無しのようだな」


幸か不幸か何事も無かったかのように宗助たちは帰りの便へと乗ることが出来そうだが。

まだ安心はできない、そう飛行機は飛び立つまでが一番危険なのだ。


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