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交換留学最終日

交換留学最終日


突発的な事件はこの国の国民にも、外からやってきた学生にも知らされることなど無く。

全ての真相は明らかになる前に闇へと葬られていく。

全ては別な事件として公表された、テロリストの爆破予告事件。

しかも全て無事に解決済みであり、混乱を抑制するために調査という名目でESP部隊が派遣されていたりする。

騒げば事を大きくし、かかわった人は全て粛清の対象となる。

表向きにはそのような事など無いのだが、古い体制がそう簡単には変われないのも確かだ。


「今日の予定は?」高坂准教授

「はい、今日はロボット科の研究室へ行って最新型の人型ロボットを見学します」リー

「その後は?」

「午後5時の便でペジュン空港から日本へ帰ります」

「そうか帰りはここの空港からの飛行機になるのか」

「高速列車がよろしかったですか?」

「いやいや、あれも貴重な経験だった」


あっという間に7日が過ぎここペジュン工業大学での見学も最終日となった。

その間ESP部隊との接触は1度だけであり、それ以降の接触は無かった。

午後には荷物をまとめ午後5時の便で日本へと帰ることになるのだが。

出来れば最後まで何のアクシデントも無いことを祈りたい。


「では最終日の見学に行くとしよう」

「はーい」


ロボット工学、宇宙人のライズ族が作成した殲滅ロボットを見たことがあれば、現在の地球で開発したロボットがどれだけ遅れているのかは比べるべくもないが。

宇宙人がもたらした技術革新は地球の科学力を100年ほど発展させたことは明らかだった。

人型のロボットが動く姿は既に何度か見てはいるが、その頭部にAIが搭載され。

言葉はもちろんの事言われた通りの動作をするようになれば。

それは従来のロボットではなくアンドロイドという夢にまで見た人型機械の未来系だと言えるだろう。


「ここがロボット工学科だな」

「あ」

「ようこそ高坂教授」RⅠ

「まさか?」

「そのまさかですよ」金潤玖キンジュンク教授

「初めましてキン教授」

「こちらこそ」

「これが最新型の?」

「はい高速AIを搭載した未来型アンドロイドRⅠです」

「まるで人と同じだ」

「恥ずかしいのであまり見つめないでください」RⅠ


宇宙人たちはここまで人に寄せてロボットを作成する事など無かった。

特にライズ族は自分達をロボットとして認識していたためだが、それは体が金属でできているか生身なのかの差でしかないと感じていたからだ。

そこまで行くとわざわざ機械で人型を作成する必要性が無かったからに他ならない。

まあある意味ガイアギアは生体ロボットと言えなくもないが。

よく考えてみるとこのタイプのロボットを作り、憧れたのは地球人だからなのかもしれない。

数百年生き姿かたちが変わらない、そんな夢のような生き物と言えば器械以外に考えられないだろう。

それをライズ族に言ったなら別の方法を提示されるだろう、記憶を取り出し他の生体に植え付けることが彼らの科学力では可能なのだから。


「ここは人工皮膚?」

「低反発シリコンを5重にして作成しました、この技術は人体にも応用可能ですよ」

「ほー」

「1体の予算は?」

「このぐらいです」


そう言って指を5本立てる金教授。


「5億円」

「いいえ5億ドルです」


今の所このアンドロイドは外に出す予定が無いという、日本からの留学生に見せたのは今回が初めて。


「いろんな国からオファーが来ていますけどね」

(自慢したくて出したのか)

「教授、研究をお見せしましょう」RⅠ

「そうだな、ではこちらへ」


まさかアンドロイドが先を促すとは、見た目は完全に人間にしか見えない。

音声も口から発生しているように見えるし、皮膚には毛穴さえあるように見えるのだから驚きだ。

建物の中へと入ると他にも数体のロボットが1階のエントランスを動き回っている。

それらすべてが何らかの実験に使用されていると思って間違いないだろう。

建物の半分が研究棟になっており、研究員(学生)が数人で機械の数値や設置された測定器のを確認している。

アンドロイドに促されてさらに先へと進むとそこにはすでに同じタイプのアンドロイドが数体横たわっていた。


「他にも?」

「RⅠ(レンジュワン)が女性体だからね、男性体のRⅡ、そしてRⅢを同時に作成中だよ」

「見せてもいいのですか?」

「見ても君たちには同じものは作れないだろう」

(やはり自慢か)

「細部にまでこだわって作成するつもりだからね」

「すごいですね」

「日本ではここまで進んでいないと思うが?」

「そうですねロボットの位置付けが中国とは違いますからね」

「確かに工業用というならばここまでの容姿はいらないし安く作れる、だが我々はそれ以上を目指すそれこそが未来への挑戦に他ならない」

「ほー確かにそうですな」

(マウントを取りたくてしょうがないって感じだな)

(仕方がないさ、他で負けているんだから)

【宗助様の力で簡単に作れるって知ったらどうなるでしょう】リリー

【それを言ったらおしまいだよ】


まあ超能力と実際の研究を比べても仕方がない、逆にいくら宗助でもできないことがある。

精巧に作られたディテールと、まるでアニメから飛び出したかのようにしか見えないリアルさ。

宗助はそこに命を吹き込むことができるだけで元となるドールを作成できるわけではない。

それぞれの領分があるからこそ人は努力を止めないと言って良い。

誰かがいとも簡単に同じものを作れると知ってしまえば、自らの努力が水泡のように消えてしまうかもしれないのだから。


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