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異世界えぶりでい ―王国兵士の成り上がり―  作者: バージョンF
三章 どうも不滅王殺しのヨハンです
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13話 厄災襲来 その9 夢の果て

エピローグがかなり長くなってしまったため、二つに分けました。

先週更新出来ず申し訳ない。

とりあえず今週分です。




 カリュウーグに向けて放った新呪文――爆炎千魔(バレルガンマ)。


 威力も凄まじく、着弾地点が爆心地のようになってしまった。


 轟々と燃え盛るカリュウーグの身体。


 死んではいないと思うが、かなりのダメージを負ったはず。HPゲージがレッドゾーンなら万々歳なのだが……。


 そんなことを考えていると、突如として急激な立ち眩みが俺を襲う。思わず、その場に片膝をつくほどの酷いもの。


 どうやら魔力切れ(ガス欠)寸前っぽい。


 あんなにバンバン魔力消費の激しい魔法を使っていたら、こうなるのも当たり前か。むしろ良く保った方と言える。これ以上、魔法を行使すれば、何かしら身体に悪影響を及ぼすかもしれない。最悪、脳ミソボンバーだ。


 ああ、頼むからもう起き上がらないでほしい。なんならこれを一生のお願いとしても良いから。そのまま灰も残さず燃え尽きて消えてくれないかな。


 そんな童貞の切実なる願いも虚しく、炎の中でむくりと起き上がる骨のシルエット。


 やはりすんなりテンカウウントKOとはいかなかったようだ。さすがは不死族(アンデッド)。ほんと嫌になる。


 そして炎の中からフラフラとした足つきで現れるカリュウーグ。よく見ると左上半身まるごと欠損してた。それなりのダメージは与えた様子。


 ただ、そのせいでカリュウーグの怒りを買うはめに。


「こぉの、下等なる人間風情がぁ!! 超越種である我に傷つけるなど、貴様の罪は死をもってすら生温い!! なぶり殺しにしてくれるわぁ!! くらえぃ――天雷滅撃(ボルテックノヴァ)!!」


 カリュウーグから放たれる、禍々しい茨のような無数の紫電! 


 どうやらこれも即時発動型の魔法のもよう。当たれば痛いじゃ済まされない!


 魔力切れ寸前だが、ここは踏ん張るしかなさそうだ。

 


「――対魔相殺結界(ディスクトラル)!!」



 両手を前に突き出し、なけなしの魔力で作る魔法障壁。


 見えないガラス壁に遮断されるかのように、ピタリと眼前で止まる天雷滅撃(ボルテックノヴァ)。


 ほんとギッリギリ! 


 つーか、空気を切り裂いた雷鳴だけで、肌がビリビリと痺れたんですけど!?


 直撃したら即死もありえるほどの威力。奴の呪文ラインナップが鬼畜すぎる!


 しかし、そんな鬼畜な呪文もチートのおかげでラーニング出来るという。



▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


《魔法系スキル一覧》

・中級風魔法    練度【1】  NEW! UPGRADE!

※中級風魔法練度【10】到達で上級風魔法解放。 


▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽ 



 小躍りしそうなくらい嬉しい反面、カリュウーグの使う魔法の魔力消費量が大きすぎて、防御するだけで意識が飛びそうになる絶望感。


 ほんともう魔法を使うの勘弁して。冗談抜きでまじで限界が近いから!


「小癪な……、まさかとは思ったが、木っ端如きが古代魔法(エンシェントスペル)を扱えるとはな。正直、驚いたぞ。だが、それもいつまで保つかな?」


 そう語り、ニヤリと不敵に笑うカリュウーグ。


 どうやらこちらの魔力切れを見抜かれているもよう。それに比べ、相手はまだまだ余裕そう。ラスボスのMP無限理論に近いものを感じる。


 このままでは非常にまずい。俺の脳ミソボンバーな未来しか見えてこない。少しでも時間を稼いで魔力を回復しなければ。


「ま……、まだまだ余裕ですよ? そちらの方こそダメージが大きいように見受けられますが?」


「ふん、減らず口を叩くな。貴様の限界が近いのはわかっておる。それに我のダメージならこの通り……」


 カリュウーグがそんな意味深な言葉を語ると、おもむろにローブの中から白濁とした水晶玉を取り出した。


 そしてクリスタルに魔力を込めると……。



「クリスタルよ……、下僕から瘴気を回収し、我の傷を癒せ!」



 カリュウーグの命令に応じるように輝き出すクリスタル。


 すると、絶賛ローズリリイと戦闘中だったジェフレッドの身体から、まるで風船の空気が抜けるように黒い瘴気が噴出するではないか!


 次第に瘴気はカリュウーグの身体を包み込むと、あっという間に骨格を形成。ものの数秒で、欠損していた左上半身が綺麗に復元した。


 つーか、ボスがべ〇マ使うなんて反則だろ!?


「はははは、これぞ我が二つ名、〝不滅王(ドラウグルキング)〝の異名の由来よ。瘴気さえあれば我は不滅! どうだ、絶望したか?」


 声高らかにそう語るカリュウーグ。


 その一方、瘴気を失ったジェフレッドは急激にやせ細り、魔改造されていた身体もすっかり元通り。


 しかし、もはや以前の面影すら見る影もなく、魔改造された反動でジェフレッドはしわくちゃの老人のようになってしまっていた。


「ちょっと! 私の相手に何してくれてんのよ! シバクわよ!」


 獲物を横取りされてご機嫌斜めのローズリリイ。所々ダメージはあるようだが、大きな怪我もなく無事なようだ。


 というか頼むからカリュウーグを煽らないで。これ以上、奴と撃ち合いたくないんですよ、まじで。


「くくく、ほんと兄者にそっくりな娘であるな。そういうところが我をイラつかせる。その失敗作の代わりに我が貴様の相手をしてやろう」


「そう、なら私も初代様の代わりに、ちゃんとあんたにトドメを刺してあげなきゃね! いくわ――」

「――リリイさん、待った!」


 いきなり突撃しようとするローズリリイを、身体を張って止める童貞。両手を広げ、背中でローズリリイを受け止める形となった。


「ちょ、ちょっとヨハン! いきなり飛び出してこないでよ! ビックリするじゃない!」


 ビックリするのは俺の方だっつーの! あいつの魔法を見てなかったのか? 突っ込んだ瞬間、魔法で丸焼きにされるわ!


「ふん、運の良い娘だ。その小僧の前に出たらすぐ丸焼きにしてやったものを。こんな風にな? ――爆炎千魔(バレルガンマ)!」


 するとカリュウーグは地面に横たわるジェフレッド目掛けて魔法を放つ!


 魔法は轟音とともに着弾し、あっという間にジェフレッドは爆炎に包まれてしまった。


 これにはローズリリイも。


「最っ低! あんた自分の部下をなんだと思ってんのよ!」


「部下? あんなもの部下でもなんでもない。敢えて言うのであれば素材(・・)と答えるのが正しいだろうな」


「こっの……」


 ローズリリイがブチギレ寸前という。この導火線の短さよ。あまりうちの子を煽らないでいただきたい。


「リリイさん、落ち着いてください! 相手の思うつぼです!」


「だって!」


「お気持ちはわかります。ですが、ここはグッと堪えてください。怒りはきっとあなたの剣を鈍らせます。冷静に相手の隙を伺ってください」


「……むう」


 若干むくれてはいるものの、俺の言葉に素直に従うローズリリイ。


 素直でよろしい。


「一つ聞かせてもらえませんか? あなたはこの街にダンジョンを造ろうとしてたようですが、その理由を教えてもらえないでしょうか?」


「ヨハン、そんなこと聞いてどうするのよ? どうせ、碌でもない理由に決まってるわ!」


 ええ、それはわかってるんですが、今は少しでも時間を稼ぎたいんですよ、リリイさん?


 そんな童貞の問いに、カリュウーグは予想外の反応を見せた。


「ふむ、……理由か。そのアンガスターの子孫より、よっぽどその小僧の方が理知的と見えるな。良いだろう、少し昔話をしてやろう」


 意外と功を成した童貞の時間稼ぎ作戦。


 我々相手に饒舌(じょうぜつ)に語り始めてくれるカリュウーグ。もはや俺たち程度ならいつでも殺せると思っているからであろうか。


「小僧? 貴様はダンジョンについてどこまで知っている?」


「どこまで? ただの魔物の巣窟ではないんですか?」


「ははははは、これだから思慮の浅い者は困る! そんな単純なものであるはずがなかろう! 貴様らはなぜダンジョンが出来るか考えたこともないのか?」


 なぜダンジョンが出来るって……、普通に生きてたらそんなこと考えないから。こちとらただの警備兵だったんですよ? ダンジョンどころか、あんたみたいな人外な存在ですら関わり合いになると思ってなかったし。


「良いか? ダンジョンとは瘴気濃度が一定数以上になると発生する天災(・・)の一つだ。第一段階で周囲に魔瘴石(スポーンストーン)が発生し、第二段階で瘴気の可視化、第三段階で魔瘴石が迷宮核(ダンジョンコア)へと変質すると発生する自然現象。それが世界の特異点……つまりダンジョンだ」


「世界の特異点? まるでそこだけ別世界のように聞こえますが?」


「別世界……、例えとしては悪くないな。我は瘴気によって様々なものを生み出せる楽園と認識しておる。魔物も、アイテムも、それこそ新たな種族ですら生み出せる可能性がある場所だとな」


 新たな種族? あのV字カットのおっさんみたいみたいな魔物を新種族というのであれば趣味悪いんですけど?


「なるほど、つまりダンジョンを支配下に置けば、一国に勝る戦力の確保も可能と言うことですね」


「そうだ! だが一国どころではないぞ、小僧? 我に掛れば周辺国家全てを支配出来るほどの魔物を生み出すことすら出来るだろう」


「それが貴方の目的だったのですか?」


「ふっ……、まさか。そんな些末(・・)なことどうでもよい。我が成し得たいことはただ一つ……魔道を極める(・・・・・・)ことだ」


「魔道を極める? 今でも十分、魔法を極めているように思えますが?」


 これ以上魔法を覚えてどうすんのよ? あんだけポンポンと上級魔法を撃てるなら十分じゃないの?


「木っ端から我を見ればそう感じるだろうな。だが、我はまだ道半ばの求道者。魔道の一欠片を手に入れたにすぎぬ」


 あんだけの上級魔法で一欠片ですか。魔法を極めたら神様でもなれそうだな。勘弁してくれ。


 続けてカリュウーグが。


「我が魔道を極めるには時間も場所も、それこそ我の英知の結晶を試す相手も地上では足りぬ」


「……それで考えついた答えがダンジョンですか」


「そうだ、小僧! ダンジョンを支配すれば、場所も相手も、我が自在に生み出すことが出来る! さらに瘴気さえあれば死なぬ身体も手に入れた! 我は時間と謂う概念を捨て、人間を超越したのだ!」 


 なるほど、魔法のために人間卒業したのか。馬鹿と天才は紙一重って言うけど、たぶん紙一重で馬鹿に一票。


「後はこの数百年間、溜めに溜めた瘴気と、この街の人間を皆殺しにすることで生まれる呪詛を媒体に、世界でもっとも凶悪なダンジョンを生み出すつもりが、我の瘴気が全て消え去ってしまうとは……、なぜ消えた? 誰か瘴気を封じる術(すべ)を持っていたと言うのか?」


 あ、ダメだ。話題変えないと。


 瘴気泥棒が俺だとバレてしまう。勘の良いあいつだと、その内ノーヒントで俺に辿り着きそうで怖い。


「ということは瘴気さえあれば、人為的にダンジョンを造ることが可能だと?」


「ふはははは、浅いな、ほんとに思慮が浅い! そんなことが可能であれば、ジャスバールのような迷宮都市が乱立しておるわ!」


「では瘴気だけではないと?」


「当たり前であろう、肝心なのは迷宮の心臓である迷宮核(ダンジョンコア)を生み出し操作するダンジョンクリスタルと、それを扱う能力(スキル)がなければ人為的にダンジョンを発生させることは出来んよ」


 ああ……、やっぱりか。


 これで先ほど俺の取得した新能力【魔瘴(アビス)宮創造(クリエイト)】で得た知識と同じ結論(・・・・)に至りましたわ。ついでに奴の持つダンジョンクリスタルについて一つわかったこともある。


「なるほど、ご説明ありがとうございます。大変良く理解出来ました(・・・・・・・)」


「ふん、思慮の浅い木っ端如きがダンジョンについて真に理解できるとは到底思えぬがな」


「そうですね、真に理解するのは実際に造ってみないと無理ですね。色んな問題点も出てくるかと思いますし。といっても造る気ないですけど」


「ほう、こんな状況になってもまだ冗談を言うか? 少し図に乗らせすぎたか? そろそろ殺してや……「残念ながら貴方にはダンジョンは造れません(・・・・・)よ?」」


 カリュウーグの続く言葉を遮るように言葉を被せる童貞。


「……なんだと?」


 その言葉にピクリと反応するカリュウーグ。


「ふん、魔力切れ寸前の分際でまだ我に勝てると思ってるのか? オーキスが目覚めたところで何も変わりはせんぞ?」


「違います。貴方を倒すどうこうではなく言葉のままです」


「何ぃ?」


「貴方がどうやってクリスタルを操作する能力(スキル)や、ダンジョンについての知識を得たのかは知りませんが、貴方の持つクリスタルでは絶対にダンジョンを造ることは出来ません」


「知った風な口を聞くな、木っ端がぁ!!」


 カリュウーグから放たれる禍々しいオーラ。どうやら奴の逆鱗に触れたらしい。これだからプライドの塊は困る。自分の意見を否定されるのを極端に嫌うからな。


 だから言ってやるのだ、真実(・・)を。


「なぜなら貴方の持つクリスタルは、既に持ち主が死んでしまいダンジョン操作機能を失った、ただの遺物(・・)だからです!!」


「――っ!?」


 童貞の言葉に放出していたオーラがピタリと止まり、絶句するカリュウーグ。


 どうやら奴もなんとなくそれを理解していた様子。


「持ち主の死んだダンジョンクリスタルは瘴気の操作は出来ても、ダンジョンコアを操作することは出来ません。だから貴方は無理やりクリスタルを起動しようとした。大量の人間を殺害して生まれる呪詛を媒体にね」


 カリュウーグがどういう経緯でクリスタルを手に入れたかはわからないが、機能の停止したクリスタルを再起動させるなんて、パソコンを基板から再度作り直すことに等しい。


 それでもなお、ここまで機能の停止したクリスタルを使いこなすなんて、これまで励んだであろう、奴の凄まじい努力と苦労が容易に想像出来る。


「小僧、貴様何を知っている!?」


「何を知っている? 貴方が知らなかったこと全て(・・)です」


 そして悲しいかな。カリュウーグの倒し方をも紐解いてしまうという。


 俺はウエストポーチからダンジョンクリスタルを取り出し、さっとメニューを開く。


「それは……、まさかダンジョンクリスタル!? なぜ貴様がそれを持っている!?」


「なぜ? 同意見です。貴方もどうやってそのダンジョンクリスタルを手に入れたのですか? ――瘴気吸収(ミアジックドレイン)!」


 ダンジョンクリスタルを操作し、有無を言わさず周囲の瘴気の吸収を開始する童貞。


 するとカリュウーグの身体から、まるで蝶の鱗粉のように黒い粒子が舞い上がり始めた。


 やはり俺の予想通り。


 恐らくカリュウーグは、自らの身体を無理やりクリスタルの力で不死者(リッチ)へと転生させたのだ。


 そうなると奴も一種のスポーンモンスター。



 ――で、あるならば。



 持ち主が死んでしまって遺物と化してしまったダンジョンクリスタルを、新能力【魔瘴(アビス)宮創造(クリエイト)】のスキル能力で、持ち主を俺に書き換えてしまえば、あのクリスタルごとこちらに取り込めることが出来る。


 というか既に書き換えたし!


 つまりもうカリュウーグは俺の(・・)スポーンモンスター。


「小僧ぉ! 貴様、我に何をしたぁ!!」


 自身の異変に取り乱すカリュウーグ。


 ――が、もう遅い。


 既に奴は詰んでるのだ。


「貴方の持つダンジョンクリスタルの新しい主人の登録、そしてクリスタルの併合をしただけですよ? ついでに周辺の瘴気吸収をしたので、このまま貴方も一緒に消え去ります」


「なっ……、バカな!! こんな小僧如きにクリスタル操作が出来るだと!? そんなバカな話あってたまるかぁーー!!」


「そんな小僧如きに貴方は負けるのです」


「ふざけるなぁ!! そんなの認められるかぁ!! 認めてなるものかぁ!! ――爆炎(バレル)……」


 あ、やば。


 クリスタル操作してるままだと魔法障壁が張れない! まずい、直撃する!?



「――竜刃(ドラゴンエッジ)!!」



 詠唱前のカリュウーグに直撃する巨大な斬撃! 


「ぐぁぁぁぁぁぁ!?」


 ふと目に入ったのは全身煤だらけの……。


「オーキスさん!!」


「すまん、今ので打ち止めだ! トドメを頼む!!」


 そしてチャンスとばかりに走り出すローズリリイ。


 ちゃんと俺の言いつけ通り隙を窺ってたのな?


「あの世で先代様に額を擦りつけて謝りなさい!! ――アンガスター流、一の太刀、斬花武神剣(ざんかぶしんけん)!!」


 ローズリリイから放たれる光速の斬撃で真っ二つとなるカリュウーグ!


 ナイスだ、ローズリリイ! 


 クリスタルの権限を俺に移しているので、瘴気を使っての再生はもうできない。このままクリスタルに移してるであろう奴の魂ごと吸収して終わりだ。


「バカなぁ、バカなバカなバカな!! こんなところで我がやられるなど……クリスタルよ、我の傷を癒せぇ!! 我はまだ死ねな……」


「無駄です。もうそのクリスタルの権限は貴方にはありません。貴方の長年の研鑽には感服しますが、関係のない人々を巻き込むやり方については賛同しかねます。地獄で反省してください」


 応じて一際輝く俺のダンジョンクリスタル。


 瘴気の吸収が一段と速まった!


 ブラックホールが周辺の星々を飲み込むかのように、吸い込まれていくカリュウーグ。


「ああああああああああ、死にたくないぃぃぃ、消えたくないぃぃぃ、我は、我はぁぁぁ!!」


 そんな悲痛な叫びすら無視するが如く、奴の全てを無慈悲に吸収していくダンジョンクリスタル。


 そして――。


「さよならです、カリュウーグさん」


「…………あに、じゃ?」


 消滅の間際、カリュウーグが何を見たかはわからないが、ダンジョンクリスタルはカリュウーグの全てを吸収した。


 静寂が辺りを包む。


 終わった……、やっと終わったよ。今回もまじで死ぬかと思っ……。


 カリュウーグを倒したことで張り詰めていた緊張の糸が切れたのか、魔力切れでその場にドスンと倒れ込む俺氏。


 やはりとっくのとうに限界を迎えていたらしい。指一本動かせやしない。


「ちょっと、ヨハン!?」


 そして心配そうに駆け寄ってくるローズリリイの顔を最後に、俺の意識はここで途切れた。



 まさか今回も床ペロエンドとなるとは。



 勝って床ペロは解せぬでござるよ。



 そんな想いを胸に、俺の意識は闇の中へと沈んでいった。




【あとがき】

本日も異世界えぶりでいを読んでいただき誠にありがとうございます!先週更新出来なくてほんと申し訳ない。


こんなに長くなるとは思わず……。まさかの追加一話の回でした。ちゃんとしたエピローグは明日また更新予定です。あまり期待しないでお待ちください。


明日もよろしくどうぞ!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ローズリリィが現状邪魔者・足手まといにしかなってないのがモヤモヤ。 当初出されてた条件に照らすと、とうの昔にクビなのでは?クビに出来ない程家の権力が強いなら、なんで条件なんて描写したの…
[良い点] このくらいの軽めが好きです。 [一言] バージョンFさんの書く小説が好きなので気長に待ってます。 好きなように書いていただければ良いかなと!
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