番外編 ランニングお姉さん
新しい表現に挑戦してみました。
今日も朝から三人を見送った後、服を着替えて顔を隠して外に出る。
残念な事にこの体は貧弱すぎるので、取り敢えず簡単に出来るランニングから始めようと思い近所の公園へやってきた。
今は平日の朝なので、敷地内に小さな森や湖もあるくらい広い公園にも拘らず人は一人しか居なかった。
その女性は、ゆるふわのホワイトブロンドにピンクのグラデーションヘアーを肩まで伸ばした、スポーツブラとショートパンツの大学生くらいのお姉さんだった。
彼女は湖に沿うように配置されたランニングコースを走っており、ずっと走っていたのだろうその体からは大量の汗が滴っている。
早速サングラスとマスクを外し、彼女の横に並びながら話しかける。
「ご一緒してもいいですか?」
「はい……構いませんよ」
彼女は返事をしようと僕の顔を見て一瞬固まったが、こんな所に男がいる筈ないと思ったのか慌てる事なく会話を続ける。
「いつもここで走ってるんですか?」
「そうですね、休みの日はいつもですね」
「へ~、趣味で?」
「いえいえ、唯のダイエットですよ」
「……綺麗な体だと思いますけど」
「あはは、ありがとうございます」
「どうですか? 一回だけ」
「うわー最低ですねー。お断りしまーす」
まずは軽く雑談から入ると、彼女はダイエットの為に走っている事が分かった。
しかし、彼女の身体は胸はでかく腰は細く腹筋も少し割れているという完璧な状態でありダイエットの必要性を全く感じなかった。
ので、思ったままに褒めてついでに口説いてみたが、冗談だと思われたのか笑いながら断られてしまった。
仕方ないので一旦諦めて、普通に話しながら並走していると彼女は休憩の為に自分の荷物が置いてあるベンチへ移動するのだった。
ーーーー
今日は平日の朝、いつもなら大学へ行くところだが走りたい気分だったのでお休みの連絡を入れいつも利用している近くの公園へと移動する。
流石にこんな時間から公園で遊んでる様な人は居ないので、一人で走りたい時はこうして大学を休んでまで走りに来る。
ランニング用のパーカーを脱いで、水筒やらの荷物を重し代わりにしてベンチに置き湖に沿ったランニングコースを走り始めると、段々と爽やかな気分になり……暫く走っていると、珍しく人がやってきた。
彼女はとても男らしい容姿をしており、一瞬焦りそうになったが男がこんな所に来る筈も無ければ礼儀正しい子だったので少し残念に思いつつも一緒に走る。
これだけ恵まれた見た目なら学校でもモテモテなんだろうなと思っていたら、案の定口説かれたのでドキドキを隠しつつ冗談っぽくお断りする。
経験豊富な娘に触らせる程、わたしの身体は安くないのだ。
彼女はこういうのも慣れているのだろう。そこで口説くのを止めて、お互いよもやま話に花を咲かせる。
(偶には、人と話しながら走るのも悪くはないかも)
そう思っていたらいい感じに疲れてきたので、休憩しようとベンチへ立ち寄る。
何故か着いてきた彼女が「暑い」と言いながらパーカーを脱いでベンチに置いた。
白いシャツは汗を吸って透けており、わたしの視界に本来なら見えてはいけない貧相な肌色のお山が映る。彼女は、下着を着けていなかったのだ。
流石にそれはマズイでしょと思ったのも束の間、わたしの目は自由を失った。その筋肉質な胸は、どう考えても女の胸ではなかったからだ。
(え? は? 男? いや、そんな訳……で、でも、わたしの身体が言っている。目の前にいるのは、男だって!)
「……ゴクリ」
「ふふ、気になります?」
「あっ!? いや! その! ……ご、ごめんなさい!」
「謝らなくていいですよ。気になるなら……どうぞ、好きに見てください」
「ええ!? い、いいの? 後から訴えったりしない?」
「しませんよ。見られるの、好きなので」
驚いた事に、彼は変態だった。
じっと見てしまったわたしを、許すどころか見られるのが好きだからもっと見てぇんとまで言い出した。
そんな事言われたらもう見るしかないじゃないか。
さっきまでとは比にならないくらいガッツリ見させてもらい。完全に発情しきったわたしの脳内は犯罪者のそれに染まっていく。
(これ、もういいよね? 完全に誘ってるよね? わたしに襲われたいって言ったもんね?)
はぁ……はぁ……と、わたしは息を荒くしながら彼に手を伸ばそうとするが。
「さて、そろそろ走りましょうか」
「え、ああ……そう……ね」
(あ、危なかった。完全に無意識だった……でも、こんなチャンス……)
ギリギリで犯罪者にならずに済んだ自分に安堵しつつ、そうなってでも襲う価値があると脳内で囁く悪魔がわたしを惑わす。
(どうしてわたしは、あの時OKしなかったんだ!)
冷静になって思考に余裕が出来たせいで、さっきのナンパを断った事を激しく後悔しながら彼と走る。
体を動かせば性欲を抑えられると思ったがどうやらそれは間違いだったようで、汗でべっとりと肌に吸い付いたシャツはその役割を放棄しわたしの目に毒を映す。
許可を貰ったのを良い事に、横の彼だけを見ていたわたしは躓いて転びそうになる。
「キャッ!?」
「おっと、大丈夫ですか?」
「え、ええ。ありが!?」
「どうかしましたか?」
しかし、彼のとても男とは思えない力強い腕に受け止められ事なきを得る……得た筈だった。
彼とわたしの身長はほぼ同じで、その為こちらに伸ばした彼の腕はわたしの胸をガッツリ掴んでしまっていた。
不可抗力だったとはいえ男性に胸を触らせる……それは、決して許されない大罪である。変態だったとはいえ、肌を見せてくれた男の子になんて事を。
さっきまでの幸福はどこへやら、わたしは泣きそうになりながら必死に謝った。
「あ、あああ、ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「大丈夫ですよ、ほら」
「んんっ!?」
彼はそう言うと、そのままの体勢で指を動かしてわたしを刺激する。
「ちょ、ちょっと……」
「僕は……お姉さんみたいに胸が大きい人、好きですよ」
耳元でそう囁かれ、限界を迎えたわたしの身体がビクリと強く震えた。
全身の力が抜けたわたしはまた倒れそうになるが、今度は抱き留められお互いの汗と汗が混ざり合う。
実質××××と言っても過言ではない状態に、わたしの興奮は最高潮を超える。
「む、無理。ここまでされてお預けとか……絶対無理」
「大変そうですね……そこの木陰で、一回休憩します?」
「す、する、絶対する」
「もう会えないと思うから、いっぱい思い出作ろうね?」
わたしはこの日、一生の思い出を手に入れた。
RUN姉さん
面倒くさがりな普通の大学生。
ワンチャンもう一度会えないかなと思い通ったがやっぱりダメだった。でも妊娠したならOKです。
産まれた赤ちゃんが主人公似の男の子だったので既に狙いを定めている。




