↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/212

あーヤダヤダ

――朝

「んあ〜っ」


 おそらく地球の時間で言えば、六時半ぐらいか? 差し込む朝日の中、俺は目覚めた。

 え〜っと、確か今は地球で言えば七月半ばなんだっけ?

 つーコトは、もっと日が長いハズなんだよな。でも実際は、春分秋分よりちょい短いぐらい?

 やっぱ赤道直下っぽい気もしないでもない。

 まっ、それはそーとして……


「ヲイ……」


 俺の目の前にある、下着に包まれた尻。そしてそこから突き出た尻尾。俺に背を向け、身体を丸めている様だ。

 頭隠してというか何というか。

 とりあえずテキトーに触ってみる。

 ……うむ、相変わらずいい感触だ。適度な張りと柔らかさ。やっぱしエスリーンの身体は胸よりも尻だよな。


「やあ、おはよう」


 と、その尻……の持ち主の声。


「おはよう。リラか」

「ああ。昨日は迷惑かけた」


 と、彼女はモゾモゾと体の位置を入れ替え、布団から顔を出す。


「お……おう」


 どー答えりゃいーんだか。


「ちょっとした意趣返しのつもりだったが……少々やり過ぎてしまったな」

「ま、まぁ……無理に身体を洗った俺も悪かったよ。あそこまで嫌がってるとは思いもしなかったからな」

「昔はそうでもなかったのだが……エスリーンに洗われた時、溺れかけてしまってね。それから水は駄目なんだ」

「あー、そーだったか。そりゃスマン」


 トラウマまでとは思わなんだ。


「気にする事はないさ。それより……ここを叩かれていたな」


 彼女の舌が俺の頰を優しく舐める。

 ……いや、ちっと痛いって。

 まっ、好意は無駄にするつもりはない。

 ……でもやっぱし痛ェ。


「ところで、話し合いはまとまったのか?」

「まぁ、何とかね。まだ色々問題は山積みだけどね」

「そーなんか……」


 ま、まぁ……ナンとか解決できりゃいーケド。


「解決できるかは君次第なんだがな」

「そ、そーナン?」


 ヒジョーにヤなヨカンがするんだが。

 まっ、それはそーと。


「でもさー、ナンでエスリーンにリラのコト伏せとけって言ったのさ?」


 今まで気になっていた事を聞いてみる。


「ああ、あの時エスリーンは君に幾らか好意を寄せていた様なのでね。私はあまり表に出ない方がいいと思ったのさ」

「そ、そーなん?」

「ああ。あの子は恥ずかしがり屋なので、私がいると心を押し殺してしまうだろうしね。が、思いの外進展が遅かったので、しびれを切らしてしまったが……」

「そりゃ会って数日だしな」

「ふむ、そうか。ヒトでも出会ってすぐに、というのもいるのではないか?」

「まーそりゃね。でも少数派だろ?」


 ……多分。この世界ではどーか知らんけど。


「なるほど。ヒトというのは面倒臭い生き物なのだな」

「……そーかも」


 本能のままに生きるっつーのもシンプルでいいのかもしれんがな。

 と、彼女は俺に身体を押し付けてくる。

 ……撫でろと申すか。

 とりあえず、腹のあたりを撫でてやる。

 つかコイツ、寝間着着てねェ。肌触りのいい肌の感触が伝わってくる。


「そう、そこをもっと」

「……ハイハイ」


 彼女は満足げな吐息を漏らした。ちっと色っぽい。

 ついつい襲いかかりたく……いや、ガマン。

 それよりも、だ。


「あのスノリゴスターモドキの事だけどさ、どう思う?」

「ふむ……そういえば、また例の騎士団顧問が関わっているのだったな」

「ああ。そしてそれをフィルズ・ロスタミに与えた、と。間違いなく両者はつながっている。そして、何らかの目的で、騎士団顧問はフィルズ・ロスタミを操っていた訳だ」

「操る、か」

「ああ。今我々が集めている食材。その四品目のうち二つにヤツが関わっていた訳だが……それらは、呪術によく使われるモノなのだよ」

「! ……そうなのか」


 まさか、と思うが……フィルズ・ロスタミは呪術に使う材料を集めていたのではなかろうか? そして、その結果がヤツのあの姿なのか!?

 いや、まさか……


「それは分からんさ。だが、警戒しておいた方が良いだろうな」

「そうだな……。ところでさ、あの大熊亭に食材持ってってダイジョーブなん?」


 まさかとは思うが、呪術なんかを……って、あのおっさん、そんなスキル持ってなかったか。

 まぁ、あのアカシックレコードはイマイチ信用できんケド……


「大丈夫だろう。あれらの食材は、滋養や魔素が豊富に含まれている。故に、食材としても有用なのさ」

「へぇ……そーなんか」

「君が食べた“ラジュフォンの黒灰汁漬け”なども、そうしたモノさ」

「あー、そういうコトか」


 オーム蛇漬けの酒なんかもそーナンだろーな。


「おそらくフィルズ・ロスタミは、そうした素材を入手し易くする為に大熊亭へ接近したのだろう」

「あー、ナルホド。あの森なんかは一応許可証がいるワケだしな。で、競合する狩人何かを殺して素材を独占しようとしたってワケか」

「そう。そして資金の確保もな。ああした呪術の素材は闇市で取引されることが多いからな」

「ふ〜む」


 色々ヤバいモノを扱うみたいだしな。当然カネはかかるか。


「かつてはこの近辺に跋扈していた盗賊団が、そうしたモノの供給源になっていた様だがな。しかし、ある日を境に姿を消してしまった」

「ナルホドね〜」


 人身売買もしてたんだっけ? 攫った人間から呪術の素材を“確保”していたのかもしれんか……。

 あーヤダヤダ。そーいう連中と関わりたくねェな。


「ああ、そうだ……」

「ン? まだ何か?」

「ここも頼む」

「お、おう……」


彼女は俺に背中を押し付けてくる。

 まっ、いーや。しばし彼女の感触を楽しませてもらおう。

 後でエスリーンに殴られるかもしれんケド……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。