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フィルズ・ロスタミ!?

 ラスディンは“浄炎”で、自分自身だけでなくこの塔の住人達の屍も浄化したようだ。

 俺達はそうして残されたこの塔の住民達の遺骨を集め、有り合わせのツボに入れていった。

 同じ場所で倒れた連中の骨は混ざり合い、その場では判別がつかなかったので仕方なく同じツボに入れる。

 無論、“識別”を使えば判別出来るだろーが、それは後回しだ。

 結局、遺骨の入ったツボは計4つとなった。



――最上階の部屋

 研究室の片隅には、知識神レアンを祀った小さな祭壇がある。

 俺達は、集めた遺骨を、祭壇の前に置いたテーブルの上に並べた。

 そして、死者を鎮める祈りを捧げる。

 無論、葬送などには僧侶を呼び、冥神に祈りを捧げる必要があるが、今はあくまでかりそめだ。

 まだフィルズ・ロスタミがいる以上、それは後回しだ。

 ヤツも、元とはいえ聖堂騎士団の一員。下手すりゃ呼んだ僧侶と知り合いの可能性もあるからな。そうでなくても、ドコから情報が漏れるかワカラン。

 とりあえず今は、祈りを済ませたら遺骨を回収し、必要なモノを持ち出してこの塔から去る必要がある。

 予定時刻をだいぶ過ぎちまったしな。



「……名残惜しいかもしれないけど、そろそろ行こう。全て終わったら、また来ればいいんじゃないか?」

「……そうね」


 俺の声に、エスリーンが顔を上げた。

 と、決まれば話が早い。できる限り急いで……


「どこへ行くつもりだ?」


 背後からの声。


「……!」


 恐る恐る振り返る。

 と、階段へと繋がる扉が開き、幽鬼の様な一人の男が姿を表す。

 無精髭を生やした、どことなく浮浪者然とした顔の中で、目ばかりがぎらぎらと光っている。その身体は瘦せぎすであるが、その身のこなしは鋭く、隙がない。

 ヤツは……


「フィルズ・ロスタミ!?」


 クソッ、ゾンビに手間取りすぎたか! まさかホントにこっちに来てたとはな……。


「クク……」


 俺の声を聞き、ヤツは嗤った。


「俺を知っているのか、小僧……」

「そりゃ、ね。騎士団の元No.2ともなりゃあ、知らねェ方がおかしいぜ? ……もっとも、そんなカッコで現れたんで、少々目を疑がっちまったがな」


 ちっとばかし揶揄してやる。


「フン……黙れ、小僧。まさかとは思うが、ハルジーの依頼を受けたというヤツか? まさか、こんな子供だとはな」

「さァね?」


 俺はトボけてみせる。

 そうしながらも、ヤツの能力を再確認。



――――


 名前 : フィルズ・ロスタミ 性別 : 男 種族 : 人間 経験レベル : - 身長 : 174cm 体重 : 56kg

 体力度 : 16 耐久度 : 14 器用度 : 13 敏捷度 : 15 幸運度 : 8

 精神力 : 17 精神耐久度 : 7 知性度 : 11 知恵 : 14 魅力度 : 14

 HP : 30 / 30 MP : 27 / 27

 攻撃修正 : +5 回避修正 : +4 速度 : 速 魔法修正 : +6 魔防修正 : +6

 スキル : 剣術7 短剣術2 格闘3 槍術5 暗器術2 戦術4 黒魔法1 神聖魔法4 呪術2 危険感知1 馬術4 礼儀作法3

 所持金 : 68456 経験点 : -

 武器 : 長剣 短剣 匕首 防具 : レザーアーマー ガントレット 装備 : 服 護符 呪具 魔道石

 言語 : トゥラーン語3 レマウス語1 ゼルゲト語2 ソアン語1


――――



 ふ〜む。

 各スキルが高い上に、各能力も一部を除いて平均以上だ。さすがは聖堂騎士団元No.2。左遷されるよーな連中たァ格が違う。

 MOD持ちじゃなきゃ、一瞬でやられちまうレベルだな。


「俺たち二人を見逃してくれるってワケにゃあいかねェよな、強盗さん?」


 いつでも抜刀できる体制をとり、挑発。


「ふん、“強盗”、か。まぁ、違いはないか」


 ヤツはハナで笑った。

 チッ、この程度じゃノって来ねェか。

 エスリーンに目配せ。

 しかしその直後、


「!」


 ヤツの一撃。

 速ェ!

 慌てて抜刀し、弾く。

 あ、あぶねー。

 ちっとでも遅れたら真っ二つだったぜ。凄まじい速さの踏み込みだ。アレが高レベルキャラの剣術ってヤツか。

 う〜ん、剣術をもう一コ伸ばしとくべきだったか? ケド、それだとラスディン戦で詰んでたしな。

 いや……それは後だ。


「ふん……やるな。だが……」


 ヤツの剣先がわずかにブレ……


「“迅雷”!」


 直後、エスリーンの魔法がヤツを撃った。


「ぬぐっ!」

「父様の仇!」


 凄まじい気迫だ。そうした“思い”が乗ると、攻撃魔法の威力は上がりやすい。ただし、暴発の可能性もある諸刃の剣でもあるが……。

 だが、今回はそういうデメリットは出なかった様だ。

 しかし……


「おぉっ!」


 ヤツの気合の声。

 ……あの“迅雷”を弾きやがっただと!?


「ふむ、やるではないか。ならば……来い!」


 ヤツは背後に向かって何事かを呟いた。

 と、扉の向こうに幾つかの人影が現れる。

 チッ、仲間がいたのかよ。想定外だぜ。

 いや、違う。あれは……

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