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三人は小部屋を出て線路沿いにグラフカを先頭にして道を進んでいく。途中いくつかの小部屋があり、少量の薬や使えそうなものがいくつか手に入った。
「魔物が出て戦闘になったとして、各自怪我だけには気を付けましょう。我々だけでは手持ちの薬を使い切ったら治療の手立てがありません」
「わかった」
「気をつけるよ。治療師がいなきゃどうしようにもないからな」
狭い道を周囲を警戒しつつ歩く。しばらくすると一気に視界が開けた広い場所へ出た。
「魔物だ」
いち早くカーラが弓を構える。グラフカもそっと双剣を抜いた。
「位置は?」
「正面やや右斜め。暗がりに何匹か潜んでいる」
じっと暗がりを見つめたグラフカは一歩前へ出る。
「私がまずは行きましょう。カーラ嬢とラディ殿は援護をお願いします」
「任せな。身体強化の魔法は使ってるんだよな?じゃあおまけでこれな」
ラディは魔力を練り短く詠唱をするとグラフカへと魔力を注ぐ。
「魔力の巡りがよくなる補助魔法。いつもより素早く動けるようになると思うぜ」
「助かります。では」
グラフカは開けた空間の中央部分まで一気に進み出る。それと同時に暗がりに潜んだ魔物も一斉に飛び出してくる。
「岩竜蜥蜴だ!」
「かなり大型ですね」
カーラが飛び出したうちの一匹の目を的確に射抜く。同時にグラフカの双剣も岩竜蜥蜴の首を貫いている。
「トカゲならこれが効くだろっ!」
遅れてラディが詠唱を終えると、数多の鋭く尖った氷柱が床から一気にせり上がる。残す岩竜蜥蜴の硬い鱗に傷がついていく。
「冷気で動きも鈍ったようですね。逃すと後々厄介です。殲滅しましょう」
グラフカが続いて次の標的へと迫りながら言う。
「わかった」
カーラもまだ動ける個体から順に目を潰していく。更に動きは鈍り、敵の数は着実に減っていった。
ラディが次の氷柱を出現させるとすべての岩竜蜥蜴の動きは止まっていた。
「お二人とも的確な援護をありがとうございました。いい連携でしたね」
「おつかれさん。冷えて動けなくなっただけのヤツもいるかもしれないから気を付けろよー」
カーラは二人の言葉に頷きつつも魔物から目を離さないまま言う。
「初めて見る魔物だ。森の蜥蜴たちはこんなに鱗が硬くなかった」
「ああ、ここって鉱山だろ?その辺の魔石やら鉱石やら食べて変異したんだ。系統の同じ魔物でも環境が違うと色々変わってくるんだよ」
「そういうものなのか」
「ラディ殿はずいぶん詳しいですね」
「あー、まあ色々と出歩いてるからな」
カーラの持つナイフで使える素材と食料になる分を剥ぎ取る。
「塩とかハーブとか見つけててよかったな。とりあえず食べられるし、あとは鉱山の地図でも手に入れて外に出られたらカンペキ」
「我々で対処できる程度の魔物でよかったです。カーラ嬢と二人でいた時に出た魔物も小型の探索蝙蝠程度しか見ていませんから」
「それほど鉱山の深いとこじゃないってことかもな。人間の出入りが多いなら魔物避けもあっただろうし」
黙々と作業するカーラの傍らで辺りを警戒しつつグラフカとラディは鉱山について推察していく。
未だにこの場所がどこなのかはわかっていなかった。
「どの国が使っていた鉱山なのかがわかれば場所も絞り込めそうなんですが」
「それか採れる魔石か鉱石がわかればなぁ……」
床や壁も注意深く観察するが特定できるようなものは何も見つからず、先にカーラの魔物解体の方が終わった。
「終わったぞ」
「ありがとうございます。女性にお任せしてしまってすみません」
「魔核も出てきた。ラディに渡せば役に立つか?」
「おっ!魔力の底上げにも加工して戦闘用の魔石にでもなるぜ。ありがとな」
改めて素材を各々が動ける範囲で持ち直し先の道を進んでいく。




