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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第二章 グレンガルト・トゥア発展編

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69/70

62:ツイてないおじさん

累計10000PV&ランクイン記念で昨日から一日一話投稿しています。まだの方は61話からどうぞ


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明日この住み慣れたグレンガルト・トゥアを離れる。


 旧カウトール領地にしてローデル家直轄地へと強制変換されたラーグの代官補佐として出向する為だ。


 6歳になったばかりの俺が向かう時点で判ると思うがエヴァン家の直系は少ない…


 事前準備と言うか聞き込みとして、元カウトールの入植組からヒアリングをしてみたのだが、ほとんどのメンツは開拓村育ち、旧カウトール領の領都…と呼べる程の都でもない訳だが、知っているのは樽職人のラグナルと木工職人のコルマックとあと数人だけだった。


 接点が少ない以上彼らの名前は利用させて貰う許可も貰っておいた。


「許可を出すなんて滅相もない、俺らの名前が役に立つのなら幾らでも使って下さい」


 ありがたかった、それ程までに隣の領地について自分は知らないのだ。


 二人が居た頃はまだ田畑は領地と比べると小さいが問題無く収穫できていたそうだ。今はわからないと言う。


 そもそもそれが出来ていれば、開拓村から家畜を奪うなどという行為は起きていない筈だし、彼らがここに居る事もなかったはずだと思えば状況は悪いと思っておいた方がいいだろう。


「それとラーグの辺りは牛が中心、その次に羊の牧畜ですな。土地は広いですが畑作は細々です。」


「領民の飯は牛を売って賄ってました。」


 との事で、ラーグがカウトールの中心だがグレンガルト・トゥアとは違い牧畜メインの農業の様だった。

 通貨がほとんど使われず、通貨が歩いているというハイランドならではと言っていい景色が思い浮かぶ。


 まあ物々交換はグレンガルト・トゥアも同じでは有るが規模が違うらしい。


ヒアリングを基に『にいにのせかい』で確認すると広大な土地に比べて農地に出来る土地が少ない…水捌けがとにかく悪い土地が七割近いときた。


 だけど面白い情報も手に入った。


 この時代よりも一世紀程後にはラーグ(スコットランドのレアグ)は牛の売買のハブ地点になっていたらしい。


 どういうことかと言うと、ハイランドでは牛を南のローランドへ売りに行く、その際にラーグ以北のハイランドの牛はラーグを通ってローランドへと南下する。その際に宿であったり、牛を一時的に預かる、牛を代わりにローランドへ売りに行く等々、商機があると言うことだ。


 もちろん代官として先ずは住民の食糧などを含めた支援が先になる、住民が居なくては幾ら商機が有っても意味はない。


 ローデル家の直轄地になった旧カウトール領、改めて考えてもケファー様の裁定は上手い事考えられていると思う。


 こちらにも旨みを残してくれたが、エヴァン家は人事配置を変えざるを得なくなる。落ち着くまでだいぶ時間が掛かることを考えれば短期的にはエヴァン家の力は増えるどころか落ちると言っていい。

 これを見た傘下氏族達は争いを起こしても旨みが無いと判断するだろう…まともなら。


 弱くなったエヴァン家の土地を襲おうにもローデル家直轄地となったラーグを襲うと言う者がいたとしたら親に弓弾く反逆行為、こちらは復興に専念させて貰える。


 表だって襲っては来ない…やりようはいくらでも有るだろうが


 大氏族の領地の安定と復興を両立させる裁定だったと言えるだろう。まあ、うち(エヴァン家)の労力は半端ない訳だけど、これはこれで貸しを作ったとも言える


 土地に対する心配とは別の問題としては、ギャン泣きするソーサを置いていく罪悪感は半端なく、ソーサがケファー様を恨むのではないか非常に心配だ…


「レテウス様、カウトールの地はこことはだいぶ違いますぜ。」

 あともう一人、一緒に側仕えとして動向する元はカウトールからの難民…入植者のハウベルにも恨みの視線を送るソーサ、彼は巻き込まれただけなので勘弁してあげて欲しい。


 ヨゾは自分の代理でグレンガルト・トゥアの開発、吟遊詩人のフォークに関しては迷ったがアスピコット各地での情報収集に向かって貰う。


 付いてきて欲しい一面、歴史が違ってきている現状、各地からの情報が欲しい観点から泣く泣く情報収集に


「レテウス様〜、このフォーク必ずやレテウス様が必要とする情報を持ち帰って参ります!」


 こっちも泣き過ぎ、本当のこんな状態で情報を持ち帰れるのか心配だ。


 泣く幼女とお兄さん…泣いて貰えるだけありがたいと思う事にして自分を納得させてる。


 現代とは違い土地を改良すると言う概念よりも土地そのものの利点を活かす…土地に左右される農業だ。


 別にそれが悪いとは思わないが、ハイランドの袋小路な農業では行き詰まると言うことは領民の死活問題に直結する。


「めんどくさい…」


 めんどくさいとは酷い言い草かもしれないが、実際…向こうが牛泥棒をして始まった一連の出来事、こっちはソーサの家族を殺され仇を討ったに過ぎない。


 それを逆恨みしてクラン・ウォーを起こされたのだ正直めんどくさいのだ。


 領民と話すときは合理性だけでゴリ押しはマイナス要素になるかもしれない、領民も被害者だと肝に入れておく。


 それとマードック大叔父様の息子さんがエヴァン家代官代表、どんな人だか知らないが、デゥヴィッド叔父様が言うには苦労人…まあ、あの大叔父様に何かと押し付けられていると言う話だから忍耐力はずば抜けて有る人だと言う認識だ。


 かくして新天地へと強制移動となった俺だけど、あくまでサポート要員でカウトールの地を治めるのはあのマードック大叔父様の息子さんの…なんだっけ?まあ逢えば分かるだろ。


 あとラーグでは石灰岩が取れるらしい牡蠣殻と違って採掘で取れるのはありがたいし石灰岩があると言う事は元から土壌が違う可能性もあると言う事だ。


 期待もあるが…一番神経を尖らすのはやはりクラン・ウォーの相手で有り感情的にマイナス…最悪から始まっている事。


 簡単にいえば、言う事聞いてくれなそうな事だ…


 ここは大叔父様の息子さんの…に頑張って貰うしかない。叔父上からも聞いたけど大叔父様の奔放な性格の所為でまだ支族長でもないのに色々と可哀想な奴なんだと言っていた…


そして今回はカウトールの代官…理由は結婚してなくて自由に動けるから。


だそうだが、それは誰かさんの所為で今ふうに言えば婚活する暇もない、誰かさんが嫁候補を連れて来ない所為ではないだろうかと思わんでもない…


 前世で何か悪い事でもしていたのではないかと言うくらいツイて無い


 今日中にこちらに出向いてくれて一緒にラーグへ向かう予定になってるんだけど…


「貴方がヴァルベック様ですね!貴方がしっかりと代官が出来ればレテウス兄様が見ず知らずの土地に向かう事なんて無かったんです。」


 あぁ、外からトラブルが舞い込んで来るのが聞こえてくる…


「あ…あの、これは一体?」

 声の主はきっとマードック大叔父様の息子様…この場合従兄弟違いって言うんだっけ?、噂に違わぬツイてなさだ。早速ソーサの八つ当たりの直撃を喰らってる。


「ソーサ、こっちにおいで。代官様を困らせてはいけないよ。」


「だって!」

「いきなり代官をさせられて困っているのはヴァ…ヴァルベック様も同じなんだから」

(にいに、マードック大叔父様と全然似てないよ!)

うん、そうだね。レテウス君も思った事すぐ口に出しちゃダメだよ。今は大丈夫だけど


「……」

納得はいかないよな…よし!


「シェーナお母さんをしっかり手伝うんだよ、ちゃんと出来てたらご褒美に帰ってきたら何か言う事聞いてあげる」


「お兄様、ほんと!」

 一気に表情が明るくなるソーサ

「あぁ、本当だよ。結婚以外で」

 判りやすく表情が曇るが、何か別の願い事を考えてる。


「帰って来る迄に決めておくように」


「はぁい」

心ここに在らず、ちょっと何考えているのか怖いな…


 だが、むしろとばっちりはヴァルベック様の方、クラン・ウォーには一切関わってないんだから優しく当たって欲しい。


「君がサーロン伯父様の…」

「次男のレテウスです。よろしくお願いします。」


 『妖精の取り替え子』の件だろう。まあもう慣れているけどね。


 それにしてもヴァルベック様、大叔父様の息子と聞いていたからゴリゴリのマッチョを想像していたんだがイケメンの優男、きっと母君に似たんだろう。

 多分普通にしてたら嫁の一人や二人直ぐに見つかるだろうに…、問題はその不健康極まりないげっそりとした顔と苦労の滲み出てる目の下のクマの所為だろう…可哀想に


 でも、気のせいだろうか?スッキリ晴れ晴れした顔に見えるような…

明日も朝8:00に追加投稿致します。お楽しみに


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