61:二世と宝物庫…変容する歴史
10000PV突破記念をしようかと思っていた所にランクインが重なりまして日々最多PV更新!
感謝を込めてストック放出!本日の公開を含め、明日、明後日も(こちらはいつも通り朝8:00)投稿致します。
主にローファンタジーの各項目でランクインが続いておりますが
昨日は
234位[日間]総合- 連載中
も達成本当に感謝です。
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王と王妃が海の向こうへと旅立ったロマウバリウク王宮をとたとたと走る小さな影はディドロワルド二世
「姉たま〜、姉たまどこ〜」
宮殿を走るお世継ぎを注意出来る者などいない
「こら!危ないでしょ」
血縁者たる姉達を除いてはの話だが
「姉たま居たぁ」
「モリーねえたま、今日はどこ行くの…でしか?」
「そうねぇ、どこか怖い所いこうかしら」
「怖い所!?」
お世継ぎディドロワルド二世にとって怖いものなど父ディドロワルド一世くらいのものだが、姉マリオットはそれを知っていて弟を怖がらせて楽しんでいる。
「ディディ怖がりさんだものねぇ」
ディディとは姉マリオットの使うディドロワルド二世のペットネームであり、モリーはディドロワルド二世が使う姉マリオットのペットネームだ
この姉マリオットは五人居る姉の下から二番目、その中でも一番のお転婆であり、ディドロワルド二世もこの姉を好いていた。
「宝物庫とか〜」
「たからもの!」
「呪われたものも有るらしいわよ」
くすくすと笑う四女
「父上より怖いものなんてないもん」
分かりやすい強がりを見てマリオットは更に笑った
「んー、でもあそこ警備が厳しいのよね。この格好じゃ無理ね…」
「どうするの?」
「そうねぇ〜、こういうのはどう?」
こそこそと弟に悪戯好きな微笑みを浮かべて伝える姉…
ーーーーーー
「ねえ、ねえたま変じゃない?」
「しっ!喋ったらバレちゃうじゃない!」
側使えの格好をした女子二人、裾が合っておらずブカブカ、その上、片方は女装で有る…
当然では有るが宮廷の者達にはバレている。
そして知らぬふりをして騙された振りまでするのである。
知らぬは二人ばかりなり、本人達は真剣だが、宝物庫も二人が入っても問題無い物しか置いていないのだ。
いない筈だった…
上手く演技をした兵士の隙を突いて宝物庫に入り込んだ二人、薄暗いが宝物は僅かな光にも反応して鈍い輝きを放っていた。
「おっきい剣!」
人の身で振れるのかという大きさの剣にディドロワルド二世は感嘆の声を上げる。
「声が大きいってば」
「ねえたまごめんなさい…」
「あぁもう、いじけないの!ちょっと声を小さくすればいいだけなんだから」
悄げる弟の頭を優しく撫でた。
「私は剣よりドレスとかキラキラした物を見つけたいなぁ」
姉を喜ばせようとキラキラした物を探すディドロワルド二世は、高い場所に見えた光る物を求めて宝箱に足を掛ける。
足を掛けたが一段と輝く物には手が届かない、マリオットにはそれが見えないのか全く見当違いの場所をガサゴソと漁っている。その様子は姫らしくなく金の亡者の様…年頃の村娘と言っておこう。
光何かまでもうすぐ
「あとちょっと…なのにぃ…」
手を伸ばし光るものに手が掛かった時だった
「あっ!」
足場の箱が崩れ
「ディディーーーーー」
第四王女の悲鳴が宝物庫に響き渡る、慌てて口を抑えたが時既に遅し
「姫様!お世継ぎ様!」
外で様子を見守っていた兵士達が雪崩れ込む…
『そこのおなご…いやおのこか…我を起こし何を望む』
薄暗かった宝物庫は眩いばかりの金色の光に包まれ光の主はディドロワルド二世に問いかけた
そしてその報はアスピコットはおろか、海を超えた両親ディドロワルド一世と妻アリエノールの元へも届いたのだった
ーーーーーー
たわいも無い一報だった
ボーダーズ小競り合いと呼ぶには大きな争いが起きた。普段ならよくある争いだが…
ロンダー家による戦いだった。アーディバル・ロンダーが仕掛けた大きな争いは内に向けたものではなくロマウに向けたもので有り、ロンダー家の動向が読めない。
ロンダー家はレテウスの予測ではブルース家で有り、本来の歴史ならば後の王ロバート一世になる筈だったが今ロマウと戦う事がどんな意味を持つのか全く理解出来なかったのだ。
スコットランドの歴史においてもブルース家は確かに不可解に見える動きを見せた、ウィリアム・ウォレスと共にイングランドに牙を向いたかと思えばイングランドと共闘しスコットランド…敵対貴族とも戦った。
だがそこにはスコットランドの王位に着くという明確な目的が必ず在った。だとするならば今回の争いの先にも王位がある筈なのだ…
「解らない、どうして…」
レテウスの知らない歴史、スコットランドの歴史では起きなかった争い、何かが違うバタフラエフェクトなのか、小さな違いが大きな違いを産んでしまったとでも言うのか…
周りの誰もが気にしていないが、レテウスは動揺していた。
「今まで何も変わらなかったのに」
そして大きな報としてロマウバリウクで王子が精霊と契約を結んだという報も届いた。
微かな望み、自分が事を起こさなくともこの世界では王女は生き残り平和な世界がやって来る…そんな願いを想ってしまう。
しかしそんなレテウスを更に困惑させる事態が起きる…いや歴史通り待っていた。
まるでレテウスを嘲笑うかの様に矢継ぎ早に届く次なる報…
アスピコット六人の守護者ファンカン伯の死去の知らせだった。病死か暗殺か分からないところまで歴史と同じ…
知らない歴史と予想通りの歴史
レテウスは違和感を感じていた。誰かの意図を感じる…誰かが無理矢理盤面を変えようとした様な不自然さ。
レテウスの中に持論が在った
『歴史は連動する』
一つが変われば一見関係無さそうな事象でも連動するというものだ。その持論で行くとあれは変わったのにこれは変わらないという動きがとても気味が悪いのだ
それに俺と同じ様な存在が何処かにおるのではないか?そういった推測をして来なかった訳ではない、自分と同じく時を超え俺とは真っ向から対立する存在がいるかもしれない…
俺の動きを見ているのか…それとも俺の存在を知らずに何かを起こそうとしているのか、それとも全く関係ない何かなのか…
「何が相手でも関係ない。やってやろうじゃないか!」
レテウスの中に目に見えぬ相手に対する闘志が芽生えたのだった。
明日、明後日(8:00)も投稿しますのでお楽しみに
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