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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第二章 グレンガルト・トゥア発展編

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57:宣戦布告

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その男は前触れもなくやってきた。

「君がレテウス君か」

笑顔とは裏腹に背筋に冷たいものが走った。

「えっと貴方は?」

「駄目だよ。レテウス君、質問に質問で返しちゃ、お兄さんに教えてもらわなかったのかな」


駄目だ確実に俺と知っていて話しかけて来ている…兄上の事も知っている様だしらを切るのは得策じゃない。


「はい、私がレテウスです。何か御用ですか。」


叔父上ではなくレテウスの名を名指しでやってきた人間は初めてだ。


「レテウス・ドゥ・エヴァン、エヴァン家の次男坊にして妖精の取り替え子。」


「ここ数年でこのグレンガルト・トゥアでこそこそと何かしているらしいな」


「これでも氏族長の次男、村を発展させようと奮起するのは当然では?」


「妖精の取り替え子というのは実に言い得て妙だ、六歳とはとても思えない。」


「何が言いたいんです。」

「いやあ、こちらも氏族長の次男でね、ご挨拶に来ただけだよ。」


「どちらの氏族で…」


「あぁ、そう言えば去年の冬、いや春かな…うちの領地から逃げ出した者達がいてね。困って居るんだよ」


カウトール家か…


「六歳とは思えないレテウス殿なら氏族の法もご存知かと思ってね。」


「一年と一日の法ですね。」

「そうそう。領地を逃げた者は一年と一日を過ぎる迄は以前の領地の者とする。まだ一年は経ってなくてねぇ。探してるんだよ」


 此奴解ってて言ってる


「じゃないと間違えて違う子、例えばそこに居る女の子を捕まえてしまうかもしれないからね」


 男は真っ直ぐにソーサを指差した


 此奴どこまで知ってるんだ…


「そう言えば、私の兄がローデル家に里子に出て居るんですが。兄が言ってました。カウトール家の後嫡男は大変立派で有らせられると。貴方が今代のカウトール家の氏族長様でしたか。」


 全部ハッタリのカマかけだが…


「ほう、裏でもその様な事を…それは殊勝な心掛け…虫唾が走る」


 本性を出しやがったな


「サウィンの祭りまでにうちの領民を返せ。でなきゃ全面戦争だ」


「うちにそっちの領民が居るという証拠もなく一方的に戦争をふっかけるというのは穏やかじゃないですね」


「おべんちゃらにいくらでも付き合ってやってもいいが…」


「なんです?」


「なあ、お前の領民が同じ状況だったら大義名分はどっちに有るんだろうなぁ」


 男は捨て台詞を吐いて村を出て行った。


 その通りだ、ましてやここは法の強いバーグ(交易都市)じゃない、王の法なんて氏族の掟に比べれば吹けば飛んでしまうハイランドだ


サウィンの祭りは十月三十一日、この世界の暦で言えば冬の始まりに当たりあと一週間後。

現代で言うハロウィンの起源と言われその証拠にカボチャの代わりに今まさにソーサがカブをくり抜いてランタンを作っている。


ソーサをあんな奴に連れてかれたりしない。絶対にだ


 ソラス、聞こえる?

< 父さん、ソーサは任せて >


 クラウ、山の見張りを厳しくして

< 了解!妖精一匹通さない >


 牛泥棒の件を思い出す。サンヴィル先生に怒られたっけ、もうあんな失敗はしない。

 叔父上達に相談して誰一人として犠牲を出さない様にしないと…

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