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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第一章 幼少期(グレンガルト・トゥア編)

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45/61

39:フォーガラフ 故郷を失いし者たち

本日7/31より

5日連続投稿

毎朝8:10一日1話

8/4まで続けます


沢山の方に読んでいただきランキング入りを目指しています。

【ブクマ】【評価ポイント★】【リアクション】を是非ポチッとワンクリックよろしくお願いします(人´∀`o)

人生が決まる…そう考えると皆で決めたはずの決意が揺らいでしまう


巨躯の漢が腕を組んでこちらを睨み

眼の前ではこの村の偉い人間たちが俺達を受け入れるのかどうかを話し合っている


判ってる…どこの村も精一杯

受け入れてもらえる可能性は低い、それでもここで食い物だけでも貰えなければもう後がない

俺達大人が駄目だとしても、せめて子供たちだけは受け入れてもらえるように頼み込む


ガタイのいい男が進み出てきた

「我はこの村を預かるデイヴィッド・ドゥ・エヴァン、そなたらはカウトール氏族に連なる者たちで間違いないな」


この村の長だろうか、その後ろには裕福そうな子供まで付いてくる、後継ぎか?

「へえ…カウトール家の開拓村からやって来ました」

「事情はそこのモルトからも聞いたが、もう一度お前たちの口から聞かせろ」


包み隠さず起きたことを話す


突然カウトール家の兵士がやって来て根こそぎ牛を連れて行ったこと

抵抗した者は容赦なく槍で突き殺された


泣く泣く牛を諦め切り詰めてなんとかしのぎ切ろうとしたが

ついに冬を越す食料が無くなり、村の者から餓死病死する者が出始め…

動ける者たちだけで村を捨ててここまでやって来たのだと


「そうか…」

次の一言で俺達の運命が決まるのだ


ごくりと喉がなる

「お前たちカウトール家の者たちが秋にこの村でクリーチ(牛泥棒)を犯したことは知っているか?」

「知っております」


「ではその際に村の家族を手に掛けたことは?」

「それは…」

知らなかった…しかし


「知りませんでした…ですがカウトール氏族の者であることはおっしゃるとおりです」


「では、その首刎ねてても構わんと?」


「ほ、報復が必要でしたら如何様にしていただいても構いません。ただ子供たちだけはどうか、どうか、お見逃しを」

俺は両膝を着き斬り易い様に顎を大きく上げて首を突き出し目をつむる


誰もが息を呑んでいるのだろう、静けさの中


カチャッ


鍔の鳴る音がやけに大きく聞こえた

誰かの命が助かる可能性が有るのなら…俺のこの命惜しくはない


河原の石を踏みしめる音が近づき

「叔父上、その件はもう片がついております」

凛とした声が耳に届いた


「眼を開けよ」

斬られるのではないのか?言葉に従い眼を開ける

長の手は剣に掛けたまま、だがそこに小さな手が触れていた


長は軽いため息を付き


チンッ


剣が鞘に戻される

「お主らもその姿勢を解くがいい」

お主ら?振り向けば男も女も俺と同じく斬られる覚悟を見せていた

「お前たち…」


「そなたらの覚悟とレテウスに免じて処罰は無しだ、ただし」


助かった…のか?身体を一気に血が戻って駆け巡るのを感じる


「数日分の食事と寝床は用意するが体力が回復し次第、村から出ていってくれ」

首の皮一枚つながった


「ありがとおごぜえます!」


「では、叔父上ぼくからも彼らにいいでしょうか?」

「何をするつもりだ?」


「子供を人質として預からせてもらおうかと」

この子供は抜け目がない、ついさっき慈悲を見せたかと思えば狡猾に振る舞う


まるで大人…いやそんな小さな話ではないもっと何か巨大な存在に見える


「それで構わぬ、そなたらもくれぐれも下手なことを考えないことだな」


「では子供らの身柄をこちらに」

「ですが…」


「おや、条件が受けいられませんか?それなら仕方がない」

乳児に冷たい視線が向けられ少年はスッと手を上げた

どこから現れたのか少年の両脇には漆黒と白銀の狼が現れ、牙を見せる


「判…りました…」


「ヨゾ、マザ」

「はっ」


まだ戦士と呼ぶには若い少年たちに乳児から年端もいかない子供まで、全員が直ぐ側にある小屋へと連れて行ってしまう。


心細いと訴える眼がこちらを向いた。すまない…数日の辛抱だ耐えてくれ



ーーーーーー


カウトールの難民たちの隔離を終えると子供達の状態確認、差し詰め衛生管理に入るのだが


少し気になったのは叔父上の顔だ

少し思い詰めた様な暗い顔…なんだったのか?


叔父上なら何か良くないことがあると判っていたら教えてくれる筈


言わないという事は俺の思い過ごしか勘違いかもな、今は目の前に居る子供たちを優先しなきゃな


気持ちを切り替えよう


しかし残念ながらこのグレンガルト・トゥアには医者は居ない、居たとしてもこの時代の医師は信頼出来ないが…


レテウス君、目を借りるよ

彼らと会う前から大学図書館に向かっていたレテウス君の目を借りて医学、主に応急・救命分野の書籍を探す


あった!


子供と大人では注意するべきことや対処法に違いがあったりするから慎重に行かねばならない


突然の事に驚く子供たちだが、靴を脱ぎ先に入ってみせた事で混乱には至らず、子供たちも次々と足を湯に入れる


「あったかい」

「なにこれどうなってるの?」


「しっかり汚れを落として」


今は現代のような石鹸は存在しない灰と獣脂を混ぜた物だけだがそれで身体を洗ってもらう、だいぶ疲労して肋が浮いている子が殆んどだったが


その中でも一際弱っている子だけは動くのも辛そうで顔色が素人の自分でもわかる


土気色の顔色と生気が消えかかった虚な眼


これで同年代なのかと目を覆いたくなるほどに痩せこけ触れたら骨が折れてしまいそうだった


叔父上の暗い顔はこの子がもう助からないと思ってかもしれない…


いかんいかん、まだ決まったわけじゃない


赤ん坊は一番上流の綺麗なお湯で慎重に洗ってもらう

流石は村のかかあ衆慣れた手つきで赤ん坊を世話をしてくれた


どうやら赤ん坊の方はかかあ衆たちの顔からして大丈夫そうだ


一番調子の悪い弱った子を手伝うと背中には湿疹

(ひどい…)


確認するとお尻と太ももにも同様の湿疹がある

レテウス君に症状を伝え


さあ一緒に本の中から対処法を探してこの子を助けよう

(わかった)


赤黒く変色した湿疹部分は患部に触れず汚れを拭き取るに徹し、レテウス君はその間に本の中から必要な情報を探す


(にいに!これじゃない?)

視界を切り替え症状を確認、俺もこれだと思う


タンパク質の欠乏とビタミンA、ビタミンB群の枯か…


一度に大量の食事やミルクは厳禁、リフィーディング症候群と呼ばれる、心不全や心停止を引き起こす代謝異常に陥る可能性が高い


この子は顕著だが、これは他の子たちにも徹底させよう

「ヨゾ、マザ!大人も含めて食事は絶対に少量ずつ食べさせる事!絶対厳守だよいいね判ったら返事して!」


「食事は少量ずつですね、わかりました!」

「わかりました!この子たちに関わる者全員に徹底させます」

念のため今着ている服は煮沸消毒、状態が酷い物に関しては焼却させた方がいいな


魔眼を発動させてこの子たちの魔力量を測ってみる


なっ!

一番具合の悪い男の子は弱っているというのに自分と同等かそれ以上の魔力が漏れている


いやこれは流れ出ていると言った方がいい、本能的に危険だと感じる


元々助けるつもりであったがこれはますます持って是が非でも生き延びてもらわないといけなくなった。


癒しの魔法を唱えてみたが、効果は薄い、なんというかこの癒しの魔法、他の魔法と比べて効果が薄い気がする、兄上も火傷の跡までは消せなかったし


クラウ、ソラスお前たちは俺の魔力を栄養に育ったけど


『魔力そのものを人間に渡す事で回復させる』


事ってできると思う?

<わかんない>

<私もわからないわ、でも私たちが育ったんだから魔力そのものには成長や栄養は入ってるはずね>


そうだよな、

食事と同じで少量ずつ送ってみたいが


人間の魔力を妖狼に遅れたのだから人同士ならもっと相性が良い筈だが…いくらなんでもこればかりは膨大な蔵書を誇る大学の図書館とてお手上げだろう


極少量の魔力から試していくしかないな


しかし、どうやって流れ出ている魔力を止めれば良いのだろうか


<父、魔力は器に入っているもの、こんなに流れているのならどこかに穴が空いてる>


穴か…そいつを塞げられれば…


自分も魔力を放出させて、この子の魔力が何処から出ているのかさせてみる


ここか?


魔力が一番抵抗を感じる部分、そこに目掛けてこちらの魔力で蓋をするなかなかにしんどい、蓋をしようとすればその分圧力が増している感じがする


魔力を硬くするイメージで密度の濃い魔力を作り上げ湿布のように貼り付ける


<すごいわ父さん、魔力が全く漏れてない>


これならいけそうかな


ちょっと他の子たちの魔力ももう一度見て危なそうな子は同じ様に魔力を貼り付けておくか


ーーーーーー


「デイヴィッド様!」

息を切らせたマザがノックもろくに待たずに飛び込んできた


「なんだ、騒々しい。難民たちに何かあったのか?」


「難民は関係しているんですがそうではなくてレテウス様がぶっ倒れました!」


デイヴィッドは、あまりにも早口で告げるマザに聞き直そうとするが、理解してしまった瞬間


頭が痛すぎてもう一度聞き直すのをやめた

しつこいようですがランキング入りを目指しています。

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