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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第一章 幼少期(グレンガルト・トゥア編)

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36:変わり始めた村

3000PV達成!今月だけも2000PV達成まだまだ書き始めたばかりの作品ですが続けて読んでくれる人も増え始め本当にありがとうございます(ㅅˊᗜˋ)*

沢山の方に読んでいただきランキング入りを目指しています。

【ブクマ】【評価ポイント★】【リアクション】を是非ポチッとワンクリックよろしくお願いします(人´∀`o)

「なんじゃ息など切らしおって、もっと馬を労らんか」

「叔父貴、なんじゃはないだろこれでも急いだんだ」


馬を降りたデイヴィッドはマードックと肩を叩きあう


「で?レテウスはどこに?」

「しらん、今から探すところだ」

「しらんって…」

首を振って周りを見てもレテウスは見つからない、それどころか誰も目を合わせようとしない村人たち


「ゴブ爺、何が有った」

「少々…申し上げにくいのですが、マードック様と口論になりまして…」

「あやつが勝手に怒りだしただけじゃ…まあ少しは非が在ったことは認めるが…」


「レテウスが怒った!?あいつはやらかすことは有っても理不尽に怒ることはない、叔父貴何をしたんだよ」


ガリガリと頭を掻いたマードック

「じゃから非が在ったのは認めると言っておろうに」

「話にならん、ゴブ爺何が有った、言え」


ゴブ爺はちらとマードックに目を向けると話し始めた


ーー


はぁ…


「火事の報からたった六日でずいぶんと仲良くなったもんだ」

話を聞いて険の取れたデイヴィットは呆れた様子で言った

「仲良くじゃと?」

マードックの眉間のシワが深くなる


「あの子は、そんじょそこらの大人よりも賢い、言っても意味のない相手にキレたりしないよ…それでもキレるとしたら相手が敵のときくらい」


「敵扱いとは心外だ」

「叔父貴が敵?んわけないだろ、俺は叔父貴もレテウスも知っている、断言するレテウスは叔父貴が嫌いで怒ったんじゃないよ」

ぽんぽんと叔父貴の肩を叩き

「さ、レテウス探すんだろ。俺も早くレテウスの顔が見たいんだ」


デイヴィッドはマードックの肩を掴んで歩き出した


「案外すぐ見つかったな」

それもそのはず、レテウスはブラックハウス窯の後ろに居ただけだった


ただ、驚かされたのは…ソーサだ!


人前に出るどころか家の中ですら人を避けていた、あのソーサがレテウスの頭を撫でている…


デイヴィッドと目が合ったソーサは

「こん…にちは…」

一言も喋れなかった子が挨拶まで…


俺が本家に行っている間に何が有った!


「お、叔父上!? あ、お帰りなさい…」

デイヴィッドを見つめた目がちらりと横を見て俯いてしまう


「間違った事をしていないのなら男が俯くもんじゃない」

「いえ、あの、鍛冶屋燃やしちゃって…」


デイヴィッドは驚きすぎて鍛冶屋のことをすっかり忘れていた


「ん、ん~、それについては後でじっくり聞く、今はマードックの叔父貴との事だ」


俯いていた顔をバッと上げ

「僕は引きませんから!」

いつも素直なところしか見たことのないデイヴィッドにはその甥っ子の顔は新鮮に映り、頼もしい成長に見えた


「叔父貴…」

「ん?」


「レテウスに謝れ」

「なっ!おまえ間に入ってくれるのではないのか?」


「俺はレテウスの顔が見たいとしか言ってない」

「汚いぞお前!」

「往生際が悪い、レテウスああいう『()()()()()()()』、『()()()()()()』、『()()()()()()』大人にはなってはいかんぞ」


「ぐぬっ!」

二人、いや三人と一頭の視線がマードックをじっと見つめ


「わしに非が在った!」

三人と一頭の視線がマードックをじーーーっと見つめ続け…


ぶるるぅ

いつの間にか現れた愛馬、更に一頭分視線が増えた


「くっ、ドゥラスお前まで…」


「………」

「………」

「………」

「………」

助け舟を出す者はいなかった…


「負けじゃ負けじゃ、これからは多少…慎む…すまんかった」

根負けしたマードックは肩を落として謝った


「レテウス、これで今回の件は不問、それで良いな?」

「はい」

わだかまりはまだ残っているようだが、けじめを付けたからかもうさっきまでの様に叔父貴を睨んだりはしていない


ひとまずはこれでいいだろう

「さあレテウス、新しい鍛冶屋とやらを見せてみろ」

「えっ?僕は鍛冶屋を燃やしたことしか…」


「そうか?フォークがそれはもう嬉しそうに『レテウス様が新しい鍛冶屋をお作りになられる』と語っておったぞ、詩でも作りそうな勢いでな」

「はぁ…」


「なんだ?黙っているつもりだったのか」

「いえ、叔父上を驚かそうと思いまして…ははは」


「お前がやらかすのは止められないのだろうが報告はしろ。でないと俺も叔父貴もシェーナもお前を守ってやれない、それだけは肝に銘じておくんだ、いいな」


「はい、デイヴィッド叔父上」

「よしっ」

デイヴィッドはレテウスの頭を撫でた


「しかし、そうか…では鍛冶屋はまだ出来ていないのか…」

「でも、叔父上に見せたい物なら沢山できました。今から見てもらってもいいですか!」


「ほう」


ーーーーーー

「これは…煉瓦だ…な、どうやって、いやそもそも原料はどうした?この村にはまともな土はないだろう」


「言われてみればわしが来た時にはもう準備されておったが~」

「別に何処かから盗んできたりしてませんよ、ピートの下に有っただけですから」

その言葉にデイヴィッドが眉をひそめる


「お前、ピートの採掘所から盗ってきたのか?」

「盗んでません、盗んでません」


「じゃあどうやって」

「僕たちが入ったのはもう使われなくなった古い跡地です」

「本当か?嘘じゃないな?」


「レテウス様嘘ついてないよ、俺達一緒に遊んでたから知ってる」

「遊んだ?」

「泥遊びしてたらなんかにゅるにゅるした土を見つけて」


「嘘だな、見つけた経緯はそうかもしれんが、これが粘土だと何故判った」

「それは…」


「大方、また知らぬ精霊にでも教えてもらったのであろう」

デイヴィッドはのんきに空を飛ぶ炎の精霊を目で追った


「あー…あはは」

本当は違うのだが、デイヴィッドの勘違いはむしろレテウスにとって都合が良い


今後、全部精霊のせいにしてしまおうと思うことにした

「今後は精霊関係もちゃんと報告するように」

「はい」


「それはそうと鍛冶屋が燃えたのにどうやって焼いたのだ?」

「窯なら後ろに」

「後ろ?焼けた鍛冶屋…屋根はついているがこの中に窯を作ったのか」


「いえ、これ全部窯です」

デイヴィッドはブラックハウス窯の壁に触れる、たしかにほんのりと温かい

振り返りマードックの顔を見るがマードックも村人も首を縦に振るだけ


「なんと…常識外れにも程があるぞ、おいゴブ爺、流石に素人の俺でもこんな大きさで焼けぬことくらいは判るぞ、一体どうやって…」

ゴブ爺は何も言わずに空を飛ぶ炎の精霊を見つめた


「…お前の周りは精霊が寄ってきすぎだ…必ず、か・な・ら・ず!報告を入れなさい…それとこの粘土の取り方も後で教えるように」

「はい」

レテウスは言われたことは次からは守る子だが不安は尽きない、言われてないことは次から次へとやらかす子なのだから


デイヴィッドは、はぁ~とため息を付き

「次はなんだ?」


「こちらになります。細かい説明はマザから」

歩み出て頭を下げるマザ

「レテウスお前が説明してくれるのではないのか?」


「この作業を一番こなしているのはマザですので」

「ではデイヴィッド様、始めさせていただいてよろしいでしょうか?」


「まず説明させていただきますと、こちらはロッホ()で採れた牡蠣を焼いたものになります」

マザは言葉と身振りを交えて焦ることなく説明を始めた、見た感じは確かに牡蠣だった


「ではこれから水を掛けますのでお離れに、そうですねあの石の向こうまでお下がりお願いします」

「それでは見えぬではないか」


「ご安心下さい、十分におわかり頂けますので」

レテウスに視線を向けてみるが、マザに完全に任せているのか言われた通りにすっとレテウスが石の向こうまで退いた、仕方なくデイヴィッドも従い


水が掛かった瞬間にジュッと音を立てて湯気を上げて殻が割れ…いやグズグズと音を立てて崩れ始めた、水を掛けたマザ自身も後ろに下がっている所を見れば危険な行為なのだろうことは、初めてその現象を見たデイヴィッドにも理解できた


「これは一体何なのだ?」

「これは煉瓦と煉瓦を繋げる物とレテウス様から聞いております。もう大丈夫ですのでお近くでどうぞ、ただしまだ触れないで下さい」


村の子どもとは思えぬ物言い、まるでレテウスが増えたようだ


たしかにこの子(マザ)と兄のヨゾはレテウスによく会いに来てクラウとソラスの面倒を見ていたのは覚えているが、こんな子だっただろうか?


俺は確かに村にいる時間が取れていないが、これは異常だ…


「叔父上?次の説明をしますよ?」

「あ、ああ」

デイヴィッドはニヤリと笑うマードックと目が合った、まるで『これでお預け喰らってもお前は我慢できるのか?』とでも言っているようだった


続いてゴブ爺やその孫カラムからも次々と石英とやらやケルプで作った灰について説明を受けたが、理解できず勉強する必要があるのは自分だと思い知らされるデイヴィッド


「叔父上、これが今まで作ったものの説明になります。鍛冶屋はまだ先になりますが作っているところを見ていただければ納得して頂けるはずです。どうか許可を下さい」


「あ、それと今日の夕餉は牡蠣鍋になりますよ」


早速許可を求めてきた笑顔のうちの甥っ子…抜け目がない


「判った。暫くはこっちに帰っていられそうだからな、ただし作業は俺も立ち会うのが条件だ」

「はい!みんな~続けて良いって!」

固唾をのんで見ていた村の者たちがレテウスの声を合図に歓声が上がる

冬だと言うのに何故働きたがるのか…今まで見たことのない光景にデイヴィッドは首を傾げるばかり


パンパンとレテウスが手を叩き

「じゃあ、海に牡蠣とケルプを取りに行く班と、森で松ヤニ取りに行く班、窯の補修する班に分かれて~」


手際が良すぎる…

それと同時になぜレテウスが大叔父に対してそれほどまでに怒ったのか


デイヴィッドの目から見てもたしかにマザは手放したくない人材だと見て判った

だが一人ひとりの話ではないのだ

レテウスが手放したくないのは村の未来を一緒に築いて行く者たち全員だ

だからそれを軽んじられたとレテウスの目には映った


だからこそ譲れないし引けなかった


村自体が変わろうとしている…デイヴィッドは柄にもなく高ぶる期待を感じていた

村を預かる支族長の身であったとしてもだ


「お主まるでティル・ナ・ノーグから帰ってきた人みたいな顔しておるぞ」

仕返しか、マードックにガハハと肩をたたかれた


ここ(グレンガルト・トゥア)から離れてたった一月…本家で火事の知らせを受けてから六日しか経ってないだが…」

しつこいようですがランキング入りを目指しています。

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