表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いじめ対応マニュアルー転生教師はクビをかけて貴族令嬢を糾弾するー  作者: 神埼 アオイ
第2章 頑張れアザラシ!ーヴァレリオーズ温泉修学旅行ー
36/45

お飲みなさい 

友だちに「この国の通貨はどうなってるんだ」と指摘されました。

書いたことない、と思ったら、「おやつは300円まで」と地の文でいってました(笑)

「バナナはおやつですよ」に変えたいと思いますう。

通貨は、貨幣にしたいと思います。多分出てこないけど(笑)

再びのフローラです。

馬車がつづら折りの坂道を登り切ると、ブドウ畑が丘一面に広がります。

「もう少し前だと、収穫期だったんだが。」

クレアはちょっと残念そうです。先生の代わりにクレアの引率で、私たちはワイナリーに参りました。女の子馬車はクレア登場で、質問の嵐でしたわ。

身長、好きな詩人、好みの仕立屋、苦手な食べ物…クレア辞典でも作るおつもりでしょうか。

「ねえ、クレア、殿方は、どんな方がお好みなの?」

うおう。ミュージアさんの直球が飛び込みます。

「…男を好きになったことは…格闘家とか騎士団とか、個人と言うより職業はあこがれるが。」

「いけませんわ。貴女も17。そろそろ殿方を意識するのも、おつとめですわよ。」

ピアさんが鼻息あらくつっこみます。

「ね。今回の旅に、よさそうな方はいらっしゃらないの?」

レーナさん、ついに剛速球です。

クレアは、きょとん、としたあと、わはは、と破顔しました。

「ははっ。あの三人組は、アゼリア嬢にぞっこんだよ。バルトはないない。あんな腹黒。」

アゼリア・アズ・ローレイナ侯爵令嬢。王子の婚約者ですわね。

「まあ。」

「パトロ様、かなわぬ恋を」

「道ならぬ恋に焦がれる美青年…」

ああ~。

そっちにいきましたか。お三方、戻っていらして!

「クレア、お婿は、考えてるの?」

妄想しているミュージアさんの代わりに、私がどストライクを決めましたわ。

「婿?んー。」

首をかしげて、クレアが苦笑します。かわいい。

「お爺さまが、決めた方なら、私はきっと愛せると思う。でも」

でも?

「リーゼンバーグ先生を観ていると、互いに思いを重ねることが大事だと思うようになった。互いの人格を尊重し合う、そんな、対等な相手が欲しいな。お前もそうではないか?トールマーレの跡継ぎ殿。」

ーそうね…。家にとらわれて、小さくなっていられるには、私たちは学び過ぎたわ。

お父様が、家が決めた配偶者を私は愛せるかしら。

私は愛して、尊重してもらえるのかしら。

なんだか、寂しい気持ちになって、私はクレアの肩にそっと頭を預けました。

馬車は、ゆるやかに丘を下り、ワイナリーに向かいました。


「やあやあ、クレア嬢ちゃん!お待ちしていましたよ。さあ、皆さんこちらへ」

シャトーはこじんまりと可愛らしい館です。

「ただいま、仕込みの時期でして、こんなおじいちゃんしかお相手できませんが。」

「何を言う。マイスター=ジドー。私の賓客だ。よろしく頼むよ」

ジドーさんは、日焼けした白髪のおじいちゃまです。優しそうな目に白い眉が垂れ下がって、人柄のよさが際立ちます。


「ここがセラーですわい。」

「ひんやりしてますわね。」「大きい樽だな」「これみんなワインなんですね」

階段を下りて、みんな巨大な樽を見上げました。

天井は高く、居並ぶ樽がそびえ立っております。

「寒すぎず、暑くならず。ワインは我が儘なお姫様でしてな。絞り汁のころから主張するのですよ。発酵の時間、寝かせ方、それぞれの性格によってお相手をしなくてはなりません。美人にも不細工にもするのは、姫様の声を聞く職人次第というわけですな。」

おじいちゃまは、いとおしそうに、樽を叩きます。

「その年々で、作り方が異なると言うことですね。大変だ。」

「坊ちゃん達のお勉強ほどではござらんよ。」

「ねー、どんな味?どんな感じ?」

ガカロさんの正直な発言で、テイスティングが始まりましたわ。

私たちは17歳ですからお酒OKですけど、あ、ガカロは17でした。


まだ浅い。これは渋い。ん~いろいろなんですね!

これは是非、トールマーレ慰安旅行に入れなくては。


「こちらはティスティングカフェですわい。利きワインをやっております。いかがですか。」

階上の円形ホールは、食堂のようなレイアウトです。

「いいな。みんな、どうだ?何年ものか、当ててごらん。」

めずらしくクレアが勧めてきました。

「ね、ペア対抗にしない?」

「ま、素敵。バルト、今日は無礼講ということで。弟さん達も混ぜてあげて」

「未成年だが…いいでしょう。パトロはかなりいける口だったね。」

「兄さん、負けませんよ」

盛り上がってきました。そしてちゃっかり三人娘は、ご贔屓とペアです。



あら。気がつくと、他の従業員さんもいるのね。

給仕さん以外にも円形ホールには2・3人の男の人が右に左にしていますわ。

給仕さんは、プレートにおつまみを盛って、テーブルに運んできました。皆さん、お酒が進みますわ!

「ん。これは5年。こっちは10年だよね。」

「わたくしは、これが5年かと。」

わいわい、皆さんたのしそうにワイングラスを揺らしております。

私は一応、バルトとペアなのですけれど、お酒は私さっぱり分からなくて。バルトがとってもスマートにペンを走らせていますわ。それでも、時折私にグラスを勧めて、確かめて?と言ってくるところが紳士ですわ。

パンパンパン!

「さあ、みんな、決まったか?紙を出して。」

クレアが回答を集めました。

「優勝者には、ジドー爺からプレゼントがあるぞ。…お、全問正解が、いる。」

「「「誰」」」

「ーガカロとレーナ嬢!」

「やったあ!レーナちゃん!賞品、なあに」

レーナさんはどさくさにガカロに抱きついています。淑女淑女!

ん?

今、従業員さん、こちらを睨んだような。


「わしの秘蔵ですぞ。お嬢のお友達なら譲りましょう」

ジドーさんは、透明のボトルをガカロに渡しました。

「わあ!好きなやつう!」


あ。

あああああ。

「バルトっ」「クレア、何てことを!」

私とバルトは叫びました。

クレア!きょとんとしている場合ではありません!

いやあああ!

ガカロがっ、ガカロ~!!


「ジドーさん、そのお酒…」

「舶来のグラッパですわい。絞りかすを蒸留した」

きゃあああ…

ガカロにぃ、蒸留酒はぁ~


「いるう!ここにへんなやつがいるう!ゆるさないんだからあ!!」

ガカロのオレンジ色の髪が、発光し出す。ゆらっとガカロの身体が、浮き出して…

ガカロの幼い身体全体も次第に発光し、その赤い瞳が怪しく揺らめいています。

きゃあああっ。三人娘は身をすくめてガカロを見つめています。

「どうした!何があった!」

クレアは、まばゆい光から手をかざして、片手は剣から離さずに尋ねてきましたわ。

「お前、知らなかったのか、ガカロのマーレは」

「蒸留酒で発動するんですわ!」

一度、ただ一度、中等部卒業パーティの二次会で、やらかしているのですわ!

あの時は、ブランデーでした。

マジメなクレアは帰ったのでしたね。


「みんな!伏せて!何かに、つかまれ!」

ゴウ!という風が、ガカロ中心に吹き始めました。今やガカロは地上2メートルに浮いております。

テーブルが、グラスが、かたかたと小刻みに揺れています。

「れーなちゃんやおともだちをみてるう、わるいやつ、ゆるさないんだからあああ!!」



「そ、ん…な」

ジドーさんを柱につかまらせて、クレアは私たちと壁に貼り付きました。

「二次会会場は、荒れ狂いましたの。今と同じ、わるいやつとガカロが言って」

その時、そう、女生徒に狼藉を働いた輩が

「ゆるさなああああいぃ!!!!」

「きゃああああ」

ごおおおっ オレンジの炎の渦に

「ぎゃああああああっ」

その男が巻き込まれて…飛んで…墜ちて…



あきれましたわ。

あの時と同じ、すやすや眠っています。ガカロ・ボラリナ。

「で」

バルトは全員の無事を確認してからジドーさんに尋ねました。

「この男は、誰ですか」

「ーみない顔だ。このシャトーの者ではない。」

従業員の身なりの男は、完全に伸びていました。

「ここの者ではない…」

私とクレアとバルトは、顔を見合わせました。


しのび?


さあ、伏線回収回収(笑)

グラッパはイタリアのお酒です。

何か気になることがあったら、教えて下さいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ