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いじめ対応マニュアルー転生教師はクビをかけて貴族令嬢を糾弾するー  作者: 神埼 アオイ
第2章 頑張れアザラシ!ーヴァレリオーズ温泉修学旅行ー
30/45

アゼリア杯水球大会 男の子編

あと30回!「ムン!」

あと29回!「グッ!」


「ほおら、あと10回しかできません。楽しんで!筋肉が喜んでいる!」

グヌヌッ!


イーゼです。回数数えているのは、侍従の方です。薄い板に紙を貼って、メモさせています。

ただいま王子腕立て伏せ中です。体重のせいで、膝をついての、腕立てです。

「3…2…1!はい、インターバルです!ストレッチ~。」

ぜーぜーしてますが、王子がんばってます。根性あるじゃないですか。

今日は筋トレから始めました。身体の様々な部位を意識して筋肉を育てます。

筋肉が付くだけで、基礎代謝があがり、痩せる身体になるはずです。

このトレーニングはゆくゆく侍従さんに引き継いでもらいます。続けることに意義があります。

「はい!3分です。次は両手に重り石を持って。はい水平に腕を伸ばして!」

トレーニングは裏切らない!

ふぬぬぬ!!



大量に汗をかいた王子に水を与えて、お着替え。

15世紀くらいのブレー(パンツ)を長くしたような水泳用水着をご着用。

つるんとした腹でひもが隠れてます。

しかし、プールという文化、この国に誰が導入したのでしょう。しかも温水です。

私の他にも転移してる人物でもいるんでしょうか。

それとも、乙女ゲーム小説のご都合でしょうか。

後者であってほしいものです。

「で。何をどうしろと」

あ、はいはい。

「水中ウォーキングをやりましょう。この大豆を向こう側の皿に運んで下さい。向こうにレンズ豆があります。それをこの皿に持ってくる。100粒です!」

名案でしょう?往復100回って、分かりづらいじゃないですか。

さ、王子、がんばって。

私、ちょっと休憩しますう。

「…嫌だ」

「殿下?」

「地道すぎる」

「殿下」

「もっと派手に!やった感がほしい!」

アゼリア~この人本当に飽きやすく我が儘なんですね。


「わーっ!あったかあい!ここが温水プールだねっ」

あれ、オレンジ色のブレーをはいたガカロ君が登場です。

岩盤浴は?

「じっと寝そべっているのは退屈だと、後回しにしたんです」

「せっかく運動できるのなら、そっちからやりたいしな!」

それぞれ自分の髪の色と同じブレーを穿いた三人組です。

なるほど。

「フェーベルトも運動か。いっしょにやらないか。」

「おお、いいな。バルト、競争するか!」


やはり。

王子すぐに息が上がって、泳ぎが止まってしまいます。

そして飽きやすいのです。

浮力でぷかぷかしていても、脂肪は燃えません!

「バルトくん、ちょっと」

「なんでしょう」

バルト君は、私が診察している間柄です。この際巻き込みましょう。

実は…


「まったく無邪気な奴だな。先生にご迷惑をかけて。分かりました。僕がこの場は仕切りましょう。」

バルト君、ちょいちょい、と、三人組を呼びました。

こそこそとバルト君が耳打ちすると、三人はにやりと不遜な笑みを浮かべます。

ん?ボール?

「おーじぃ!ゲームしようよ!!」

「ーん~?なあんだあ?」

ぷかぷか浮き出したアザラシに、にゃんこが声をかけました。

「名付けて、アゼリア杯水球大会!ボールを奪ってバルトに投げてキャッチできたら、1点!」

「1点ごとに、僕らが知ってるアゼリア情報をあげましょう」

「そのかわり、僕らが1点入れたら、殿下の秘密をバルトからアゼリアに教えますから」

ーうぉう!

これは妙案です!

親友バルトは竹馬の友。幼い頃からの殿下のイタイ情報を持っています。しかも彼は記憶の宝庫。つらい。つらすぎます、アザラシ。

しかも、アゼリアが好きなくせに、自分の美学で拒否ってたもんで、アゼリア情報は今の殿下には喉から手が出るほど欲しいはず。

バルト、策士!


ピー

私は審判です。

おお、王子本気です。がばがばと水をかいてピンクのボールをバルザックと奪い合っています。

バルザック、王家にも容赦ありません。発達した上腕二頭筋をみせつけて、水からボールをすくい上げました。

いや、アザラシジャンプ!見事です。よくあの身体で跳びました。

そのままシュート!バルト君キャッチ。


ピー。1点!

はあはあはあ…

「殿下お見事です。では、ガカロ」

「はあい!アゼリアのお胸のサイズはね…」

うおう!!しょっぱなから爆弾情報!

バルザック、鼻血ふきなさい!

アザラシ、再び投げられたボールに突進していきます。やる気1万倍!

すごいカロリー消費です。

うまい。初めに大当たりひかせて、もっといいものあるだろうと思わせるアレですよ。

おお、3人あちこちパスしたり、あえてシュートを外して、より遠くにバルト君が投げたりして、王子を振り回しております。

ボールとってこーい、ってもてあそばるイヌ。

て、いうか。

ボールキャッチしたら、ごほうびのお魚ですよ~の、アザラシ!

バルト君。

君の黒さに、感謝します…。



「それで?何対何?」

王子のトレーニング午前の部終了。岩盤浴で疲れた身体を癒し、さらに体内の悪い水分を絞り出させます。

その間私も、ペアコンパートメントで、アオイといっしょに岩盤浴デートを楽しみましょう。

それがねえ。くすくす。

「なんと、8対0で、王子の勝利でした。王子よっぽど自分の恥をアゼリアに知られたくなかったんでしょう。ま、それより、バルザックくんとパトロくんが、ガカロくんの持ってるアゼリア情報を知りたくて、手を抜いていたというのが真実です。」

「わあ~。でも楽しそう。よかったねえ、アザラシ。楽しくダイエットできて。」

それにしても、スリーサイズ、好きな音楽家、好みの紅茶の銘柄、あげると喜ぶぬいぐるみ、までは良いのですが。

初恋の男の子の名前、初めてラブレターくれた相手、大丈夫でしょうか。いつの間にか、消されないでしょうか。


夜は、思い思いのおしゃれをして、クレアの別荘にご招待されました。

クレアはホストとしてお迎えしてくれます。

男性の上着のような襟の立ったえんじ色のベルベットのジャケットが、ウエストでくびれて膝まで広がっています。ベルトから下は前を開き、細いパンツとブーツが長い脚を際立たせています。

おお、親衛隊がうるうるしています。

そして、なぜか、男の子達一人一人がクレアと挨拶するたび、軽い悲鳴を上げています。

フローラ?

貴女なぜそちら側に?

キャラ変わってませんか?


晩餐は、山の幸中心に8品という豪華版でした。

「…食べて良いのか?アゼリアは、草ばっかりの、羊のような料理を出してきたぞ。」

王子、おそるおそるです。

えらい。自分が何をしに来ているかおわかりですね。

「大丈夫です。ブランチの鶏肉のささみは筋肉を育てます。晩餐に関しては、チーズの脂肪は燃焼を助けてくれます。鶏卵も完全食と言われています。そして魚の脂肪は身体によいのです」

伊勢の知識が役立ちました。

神経症の患者さんに処方する薬の副作用に、肥満があるんです。

そのため、食事改善にはちょっとうるさい私です。

王子、いとおしそうにフォークを動かしています。

可愛い。


夜の計量!

殿下、1・8キログラム減!!

明日も頑張りましょう!!





女の子は、スパとエステ。男の子はプールと岩盤浴でした。

プールは男性専用です。水着が女性にはありません。もともと中世に水着はないんです。むりやり下着をはかせちゃいました。

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