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いじめ対応マニュアルー転生教師はクビをかけて貴族令嬢を糾弾するー  作者: 神埼 アオイ
第2章 頑張れアザラシ!ーヴァレリオーズ温泉修学旅行ー
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岩盤浴体験 おんなのこ編

イーゼとアオイがいちゃいちゃすると、乙女ゲーム世界になりゃしません。

で、今回はフローラさん視点です。

「フローラさん、聞きまして?例のお噂。」

私が岩板にタオルを敷いて、寝そべろうとしたとき、隣からミュージア・サザンが声をかけてきました。

岩盤浴ご婦人用コンパートメントは、クレア親衛隊専用となりました。ホテルと同じローマかギリシアかまぜこぜの誂えで、神殿風になっております。天井には女神とアズーナ神が描かれて、周りに天使が飛んでいます。床には人数分の岩板が四角く張られており、ガイドの説明で私たちは岩盤浴の仕方を理解し、おのおの場所につきましたの。

「噂?」

「ミズリさん達の事ですわ。あの4人、クレアの婿候補では、と?」

「まさか」

私たちは、そろいのピンクのシュミューズに綿モスリンのドロワーズを着用。なかなか可愛いデザインです。コンパートメントといい、貸与された衣装といい、女性に優しい施設です。これからは女性の時代、と、私は考えております。あのオーナーさん、なかなかのやり手と見ましたわ。

「案外、まさか、が真実だったりいたしますわ。」

じんわり温かい床から身体が温まってきました。少し眠ろうかしら、とぼんやりしておりましたら、まだミュージアは、その話を続けたいようでした。

「そうですわ。いずれ劣らぬ名家のご子息。ご容貌もあのようにずらりとよりどりみどり。」

「クレアの家柄にも釣り合う方々ではないですか」

むこうからも、レーナさんの声が飛んできます。そのむこうのややふくよかなピアさんは、すでに汗をかいていらっしゃるようです。



クレア親衛隊は、その名の通り、クレアを愛する女生徒の集まりです。主に私の学年を中心に構成されておりますが、クレアへの愛し方もいろいろございます。


まず、偶像(アイドル)としてのファン。

クレアの容姿や言動から、貴公子として、あるいは女伯爵候補として、まるっとキャーキャーしていらっしゃる方々。中性的なクレアの一挙動一頭足にあれこれドリームされています。

ミュージアさんたちは、この範疇です。


そして、クレアを恋愛対象にしている方々。

この方々は、過激です。あわよくばクレアのお近づきに!

クレアの前で転んで介抱されたいとか、クレアと同じテーブルにつきたいとか、果てはクレアとパーティで踊りたいとか、あれこれ妄想していらっしゃいます。よって、あれこれ画策なさる方が多いのです。


そこで、結成されたのが、私フローラ・トールマーレを筆頭とした「クレアを守り隊」です。

今のところ隊員は私一名です。

ですが、リーゼンバーグ先生も入っていただこうか、と思っているところです。

とにかく、私のクレアは、実は無骨で正直者で、ウブで男を見る目がありません。あんな王子のご学友をやっている段階で、アウトです。これにはリーゼンバーグ先生も同感されています。


思えば中等部に入学したとき、クレアは山猿だったのです。ここまでスタイリッシュに育てたのは私です。

毎日、髪型を直し、彼女の侍女に新しいアレンジを教えました。

(ぼさぼさのひっつめ髪で登校するのです!)

制服のサイズも、成長に合わせるようお直しをさせました。

(3年着るからとだぼだぼに作ってきたのです!)

化粧嫌いのクレアに石けんだけはよいものを と、輸入品を欠かさず使わせました。

そうやって、女丈夫は抜群の仕上がりとなり、アイドルとなったのです。


アイドルにはよきマネージャーが必要です。

親衛隊を蹴散らし、クレアと並ぶ成績を死守し、王子を牽制し、私はクレアの親友のポジションをキープしてまいりました。

そのクレアに縁談ですって?


「私たちも17歳。婚約も早くはございませんわ」

「りりしいクレアが伯爵となり、見目麗しい殿方に寄り添う…素敵じゃございませんこと?」

キャアキャア身をよじる3人です。さすがファン。


こういう実害のない方々ですから、今回選ばせていただきました。リーゼンバーグ先生は「腐女子」という単語を教えて下さいました。さすが言語学教師。

「…ね、ちょっとカップリングいたしましょうよ♪」

その言葉も言語学教師からもらったものですね。

腐女子のあそび、ですわね。

「そうね。まず大本命の、ミズリはいかが?」

「ダメよ。長男よ。」

「そうですわ。しかも彼は王子様の未来の補佐よ。王家が手放すわけがございませんわ。」

「いけると思うのですけれど…。身長も釣り合いますし、どちらもご聡明。これ以上の組み合わせは」

「いけませんわ。どちらもSではありませんこと?」

そうですわねーきゃあああ~何を妄想されているのでしょう。


「では、その弟のパトロくんは?」

「年下!よいですわね!ドSっぽいですけど、甘え上手かも!!」

「中等部次期生徒会長ですわよ。伯爵家に婿入りするには十分の人材ですわ」

なにより、絵面がよいですわ~

…背の高いクレアに傅き、その手に口づける緑髪の少年…

わたくし、ちょっと、汗をかいてきましたわ。

腐女子の遊び、よろしいかも。


「バルザックくんとガカロくんは 「「ないわー」」

「そうとも言い切れませんわ。…皆さん炭酸水が参りましてよ。お飲みになって」

水分補給の時間です。ギリシャのキトンを着けた給仕がカップを脇において、タオルもかえてくれました。みんなよい汗をかいております。岩盤浴よいですわね。


「フローラさんは、あのお二人も、アリだと?」

「バルザックさんは、騎士の家です。武術に長けている辺境伯爵の好みでは?」

「なるほど。血縁からの押しだと。」

「屈強な若者がいだく、女神クレア…」

いいかも~!!!

コンパートメントでよかったですわね、皆さん。

「ガカロ・ボラリナは、いくらなんでも。同級生でしたけど、あの幼さでは。」

「皆様、底が浅い。」

にやり、と、思わず私前のめりになっておりました。

いつしか、私、夢中に論じてしまいました。

「ー飼うのです。ペットのように。溺愛するのです。美少年を!」

「…おんな伯爵が、ドS伯爵が、オレンジの猫のようなしなやかな美少年を 飼う…」

耽美ですわー!!!無敵ですわー!!!

ピアさん、鼻血!ミュージアさんっ、よだれ!




いつしか三人にとって、フローラは腐女子参謀に昇格しておりました。





アオイさん 

なんてこと生徒に教えてるんですか。


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