旅のしおり
新作にして書き始めましたが、そもそもアザラシとは?の方たちに失礼ですよね。
で、章立てにして、続けることにしました。
も、キャラ達が泡立ってて、止まりません!
書きたい病をセーブしつつ頑張りまあす。
「……。バックハンドにつっつき。思いっきりドライブ打ってもいいわね。」
うわあ。アオイ。静かに怒ってます。予想外の無表情です。
「相手は王子です。とりあえず成果を出しましょう」
「どうやって。あの固太り。内臓も皮下も脂肪でぱんぱん。肝臓はフォアグラ。心臓もサシ入ってるわ。」
淡々と。とても淡々と。怖い。アオイすっくと立ちました。
「ここはひとまずベッドに沈めてくる。んで、水分はとらせて、一週間絶食させよう」
さあ、とっととぶってきましょう、って、
アオイ、ストップ!ストーップ!!
どっから出してきたんですか、シェイクハンドラケット。
「私が、アオイもクレア親衛隊も喜ぶプランを考えますから。ここはひとまず!!」
「…そんな、おしゃれなこと、イーゼ出来るの?」
がんばります、がんばりますから!
「ちゃんと王子も貴女も、満足させます。」
ふうん、じゃあぁ…
ん?アオイ、上目使い?
「今も、満足、さ・せ・て?」
アオイさん、これ全年齢対象。えへへ、はあい。
「はあい、皆さんよろしいですか?しおりは行き渡りましたか?はい、表紙にはお名前ですよ!
1ページ目を開けましょう。お部屋割りです!」
アオイがつやつやとしたお肌で、活き活きと引率教師役をこなしています。
「男子生徒部屋は2階4名のスイートルームです!班長は、バルト君。女子生徒部屋は3階4名のスイートです。班長はフローラさんね。班長は9時にロビーに来ること。アザラシは4階。お付きの方々お願いしまあす。」
先生はあ?…来るなよガカロ。
「5階の新婚スイートです!ートラブルにはクレアがオーナーと対処してくれます。内線0ね。分かりましたか?では、荷物を置いたら10時に正面玄関前です!皆さん、5分前行動ですよ!」
バナナはおやつですよ!
早朝、列車は温泉駅に到着。空気がきれいです。山地の中間に位置する中々の賑やかな街です。ホテルはなぜかギリシャがテーマのようです。獅子の石像がお迎えしてくれました。
「どうもどうも、皆様。オーナーのゴランと申します。この度は、ご用命いただきまして誠に光栄至極。ヴァレリオーズ様、王子様までお連れいただき…」
「オーナー。今回はお忍びだ。フェーベルトの素性は禁句。」
「承知いたしました、このシエン観光委員長といたしましては、皆様に最上級のおもてなしをいたしますので、どうぞよろしくお願いします。」
小柄なオーナーは、シエン市のブレインらしいです。
「私といたしましては、皆様のご滞在プランを今後の招致活動に活かすつもりです。」
なかなか賢い方です。先ほどアオイが印刷を依頼しましたら、しおりにぱぱっと7日間の滞在プランを差し込んでくれました。
「これまで資源開発と農耕中心だったが、例の鉄道で観光も伸びしろがありそうだ。ゴラン。ヴァレリオーズのために、頼むぞ。」
次期領主の力強い言葉に、オーナーにこにこです。
アオイ、私のために覚悟を決めてくれたようです。曰く
「私の教師スキルで、この旅行、成功させてやるわよ。王子については、医師のイーゼに任せるわ。…だから、その分、甘やかしてね?」
当たり前じゃないですか!
も、精一杯おつとめさせていただきますよ!奥さん!!
「はい、バルト君、フローラさん。定刻通りです。君たちには、リーダーとしてこの旅行をサポートしてもらいたいの。」
アオイはコートのような長いジャケットにワイドパンツという、この国では男装のご婦人のような旅行ルックです。お似合いです。バルト君とフローラさんは、学院の制服です。マジメです。
「なにせ、君の弟たちは貴族の子息のせいか、わがままよね。それからフローラさんたちは、クレアにぞっこんだから、どんな距離感でいるかわからないし。とにかく、旅行プランを守りつつ、グループをまとめて欲しいのよ。」
なるほど。学生のことは学生に任せる策ですね。
「フェーベルトについては?」
バルト君、さすがです。超我が儘な人物対策に言及です。
「アザラシは、今回ハードなスケジュールをこなしてもらうから。イーゼがサポートします。それから、アザラシは視察をご所望だから、それはクレアにお願いするわね」
「承知した」
「とにかく。お二人の自主性と協調性、創造性を期待します!旅の恥はかきすてとならないよう、実り多い一週間にしてください。解散!」
おお。慣れたもんです。
「はい皆さん、全員集合しましたね!しおりも持ってきましたね!マナーを守って静かに待ちましたね。よろしい。主体的に積極的に旅を楽しむ姿勢が見られて、とても頼もしい限りです。では、リーダーのバルト君とフローラさんから本日の日程を確認してもらいます!」
三人組、思い思いの軽装です。女の子はらくちんワンピース。
それでもバルト君とフローラさんは制服です。マジメです。
「はい。これからみんなで岩盤浴体験をします。水分補給を忘れないで下さい」
バルト君は記憶のマーレ持ちです。何も見なくても、スケジュールと地図はインプットされています。ツアコンに最適です。
「そのほか、数種類のスパがありますので、思い思いに過ごしましょう。ドリンクはフリーです。お好みのものをオーダーして下さい。」
「女性の皆さんは、オプションにエステがあります。男性の皆さんは、温水プールもありますのでお楽しみに。」
「その後、2時に遅いブランチとなります。場所はスパの2階です。よろしいですか。」
バルト君はパトロ君のお兄さんだけあって、きりっとしたハンサムです。緑の髪とヘーゼルナッツの瞳がおんなじです。髪はあちこちなびいていますが、好感がもてます。
フローラ・トールマーレは、たしかトールマーレ商会のお嬢さんです。なかなか綺麗な子ですが、クレアの親友だけあって、賢くマジメそうです。
岩盤浴。スパ。プール。エステ。
てんこもりのお楽しみに、生徒達きゃいきゃいです。
「夜は7時。クレア主催の晩餐です!」
わあーい!やったー!いえーい!
「しつもーん」
「はい、ガカロ」
「ぼくも、エステいってもいーい?」
「お好きにどうぞ。他に」
ありませーん!!!
「では、先生」
「はい。学院の誇りと礼節を忘れず楽しんで下さい。」
「ありがとうございます。皆さん、温泉まで徒歩で10分です。参りましょう!」
しゅっぱーつ。バルト君、旗、旗。
アオイ、引率慣れです。
主体を学生にして、秩序をつくっちゃいました。やるう。
さて。
王子の着替えは、終わりましたね。
「イーゼ!できたぞ!」
おお、タオルの着ぐるみかと思いましたよ。
さあ、始まりますよ、もっさり王子。
ダイエットプログラム始動です!
私も行きたい(笑)




