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いじめ対応マニュアルー転生教師はクビをかけて貴族令嬢を糾弾するー  作者: 神埼 アオイ
転生教師アオイとのアズーナ王国物語
18/45

王子断罪

評価・ブックマークありがとうございます!

伏線回収できてますでしょうか。

今回きりのよい所で、というわけで短いです。ごめんなさい。

「お前は学院を去れ」


王子は上座に座ったまま、ぞんざいな口調でアゼリアに宣告する。

対するアゼリアは中央に座り込んで王子と向かい合っている。


「蝶よ花よと育てられ、周りにちやほやされた挙げ句、何を血迷ってここに入ったか知らんが、な。ここは学院。学びの場」

「殿下・・・」

「花を愛で、詩を吟じ、茶を嗜み、着飾る...そんなことはここで学ぶことではない。」

「お許し・・・下さいませ。わたくし・・・」

「努力すると?本を捨て、取り巻きの同情をかい、恥をかかされた相手に手向かえないとなると、兄や家を動かすために狂言を企む。浅いな、アゼリア」


「わたくしは・・・

殿下と同じ景色が見たい。殿下と同じ学院生活を送りたい。さすればどんなにお文をお送りしても返事もなく、節目節目に花もお送りいただけない・・・わたくしのことをお認めになって下さると・・・ただ殿下をお慕い申し上げて・・・共に歩みたいと・・・」


「お前と私とは違う。お前には無理だ。」

「殿下!」

「くどい」

わああああああぁっ。

これで何度目の泣き姿だろう。

でも今の泪がアゼリアには一番つらい。見かねたパトロ君がしゃがんでよしよしし始めた。


「それからクレア」

クレアは泣きじゃくるアゼリアの傍らに佇んでいたが、王子の声にはっと正面に向き直る。

「何か」

「爵位は、諦めろ」

「なっ!!」

「養子を迎え、お前は伯爵夫人となるがいい。」


たん!とクレアは怒りを押し隠して立ち上がる。

「ばかな。フェーベルト、なにを!」


「良き学友と思っていた。名前で呼び合う女は、身内以外はアゼリアとお前だけだ。お前は違うと思っていたよ。女同士のつば迫り合い、そんなものとは無縁の同輩だとな」


「フェーベルト・・・」


「所詮、お前も女だったというわけだ。自己顕示欲。権威欲。次代王妃より臣下の自分の方が優れているとアゼリアに示したということ。まったく、女というものは・・・。」

「ーーーっ。」


「父上から、大叔父上(へんきょうはく)に伝えていただく。ふん、女が無理をして当主にならずとも。よいな。」

クレアは爪が食い込むほどこぶしを握りしめ、血が滲むほど珊瑚の唇を噛みしめていた。


(なに?ダブル断罪????)


婚約者の放校。しかも王子からの裁可である。次期王妃としての力はそがれたといってよい。

この醜聞は痛い。まさかの婚約破棄も、ありえる。


そして、クレア。学友としては絶交ということ。しかも爵位を授かり領地を治める当主となるのは彼女の満願なのだ。それをすっかりそぎ取られて、クレアのアイデンティティは崩壊確実。


アオイは焦る。

このくそ王子、なんてことを!

バッドエンドにしやがる気か!


「お待ち下さい殿下!」

ずっと沈黙を守っていたジュリナ副校長が立ち上がった。

「初めにお伝えしましたわ。この会は学院のルールでいたしますと。殿下の裁可はしばしお待ちを」

「ジュリナ副校長。先生方のお手を煩わせるわけにはいきません。かえってこの馬鹿女たちがご迷惑をかけました。」

一応王子も学生の身。尊大だが教師には丁寧だ。


「いいえ。学生は等しく学院の庇護にあります。互いの確執が学院生活に起因するのであれば私どもが解決を」

「ほう。だがすでに解決したではないですか。」

「いいえっ」ギロリとジュリナが王子を見据える。灰色の瞳が鋭く光った。

「2人の生徒の心を闇から救い、健全な学院生活を過ごせるよう支えになることも教師の役目ですわ。正しく導くわたくし共のお邪魔は控えていただけますか!!」

かああっこいい!!

さすが、学院のラスボス!

ぱちぱちぱち!!


「ふ・・・闇、とな?」

王子はふんと鼻を鳴らして小馬鹿にしたように副校長に切り返す。


「この2人にどんな闇があると言うんだ。底の浅いこの女共に。メス猿がオスの気をひこうと小競り合いをしただけのこと。」

おい。仮にも婚約者と親友だろうが。苛苛苛。


「まこと、女という生き物は・・・弁は立つが(ことわり)はない。感情だけで押し切ろうとする。人と比べて一喜一憂。他人からどう見られるかが一大事。我が身は可愛いが自分というものを見失・「こんの、、、く さ れ 王 子 が あ っ っ!!!」


ぶ あ ち ち い ぃぃぃぃ ん!!!


部屋中に響き渡る音


それは


アオイの右の手のひらが


王子のほおを


高速フォアハンドスマッシュで打ち果たした音だった。

私卓球部でした(笑)

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