↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
50/111

わがまま

 今日のにんげんは魚の姉に果物を取ってきて、気に入ったものはあるか聞いた後、二人で手遊びをしています。

両手を親指を出した状態で握ってつけて、一から四までの数字を言い合い、親指を立てた本数と宣言した本数が同じだったら上がりとして手を片方外します、先に両手を外した方の勝ちです。

 これににんげんは大はしゃぎして魚の姉と遊んでいたのですが、犬はその姿をじっと見ています。

時折、ちらちらと自分の脚を見ながら、魚の姉と楽しそうなにんげんを見ています。

そしてとうとう立ち上がると鋭い遠吠えを一つ上げました。

 これに驚いたのはにんげんです。何かあったのかと魚の姉との遊びも忘れて犬の方に駆け寄りました。

「どうしたの犬、何があったの?」と問うにんげんに、犬は「いや、なにがあったというわけではないんだ。」と歯切れ悪く言います。

「じゃあなんで遠吠えしたの?」などと聞いているうちに湖からお母さんがすぅっと現れます。

「何ですか犬。にんげんの食事の時間にはまだ早い気がしますが。」というお母さんに、犬はしばらく口を開け閉めしてから言いました。

「お母さん、俺もにんげんや魚の姉のような手にする方法ってないかな。」と。

 これを聞いてにんげんは良く解らないという顔、魚の姉は、「この子ったら…」と呆れ顔。

お母さんだけは「ありません。貴方はその姿で完成形。生まれてからずっと、この先もその形が変わることはありません。」と穏やかに答えます。

その答えに犬はがっくりと顔を地面に向けてしまいます。

 にんげんは犬がどうしたのかお母さんに聞きました、するとお母さんは、「犬は貴方と魚の姉の様に遊びたかったのよ。」と答えました。

その答えににんげんは犬に抱きつくと「ごめん、ごめんね犬。仲間はずれにしたわけじゃないんだよぅ。今度石取り遊びをやって遊ぼうね。だからそんなに落ち込まないで。」と言いました。

それに対して犬は「でも手合わせ遊びは出来ないだろ。」と拗ねて見せます。

 にんげんが「あーうー。」と困っていると、魚の姉が「こら、貴方お兄ちゃんでしょう。にんげんを困らせないの!」と犬を叱りました。

すると幾分、久々に出した末っ子気分が引っ込んだのか、犬も、「解ったよ…ごめんなにんげん。俺はお前と石取り遊びができればいい。」と言ってにんげんの頬を舐めました。

にんげんはちょっと納得が言っていない様子で、「にんげん、遊びの続きをしましょう」と魚の姉が呼んでも犬の傍を離れませんでした。

 これは普段お兄さん風を吹かせている犬が、珍しくにんげんの前でわがままを言った話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。