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第5話「ついに会えた!画面越しの君」

第9問も正解!!セーラはここまで、毎回、僕に全賭けしてくれてる。

ゴールは目前だ。僕の乗った潜水艇が第4コーナーを回って、最後の直線を急加速で進行するエフェクトが発現する。

次が3ステップ以上をゲットできる問題であれば、このゲームの決着は着く。

10問目の問題のジャンルは【買い物】

「これはゲームマスターがギャラクティカ・フリーダム・オークションで落札したフィギュアです。落札価格を当ててください。答えは解答フォームへ」

早押し問題ではない全員に解答が許可された問題…ゲットポイントは4ポイント、正解すればゴールだ。

GFA(Galactica Freedom Auction)というのは、この銀河宇宙で最も自由で最も高額の取引がバンバン行われることで有名なオークション。

そのフィギュアは、AR(拡張現実)テクノロジーによりコックピット内に立体的に出現し、もちろん触ることができた。

僕も当然知ってる有名な歌姫のフィギュアだ。

第4コーナーを超えているのは、僕とセディさんの二人…事実上の決定戦!

二人が同じ答えで落札額に最も近い金額なら同時にゴールフィニッシュ。

他のパネラーが正解なら、決着は次の問題に繰り越し。

6人の答えが出揃う。「90,000GC」「150,000GC」「250,000GC」「600,000GC」「1,000,000GC」「1,200,000GC」

僕が出したファイナルアンサーはジャスト「100万ギンガコイン」無職の猫にとっては、かなりの大金だ。聞いたことはあるけど、見たことはない。

正解は…「1,100,000GC」。「1,200,000GC」と解答したパネラーは、やっぱりセディさんだった。

チェッカーフラグが翻り、2つの潜水艇がゴールラインをド派手に通過した。

《お二人ともゴールフィニッシュおめでとう!!優勝決定戦ね。私は、ここで1位が決定よ。ありがとう…僕っ娘のマルちゃん》

これもやっぱりばれてた。そう…僕は女の子なんだ。

同時ゴールのため、優勝決定戦の問題が出題される。

ジャンルは【イントロ問題】「早押し問題です!次のイントロの曲名を答えてください」

僕を取り巻く全ての電子音が停止して、完全なる無音の世界の中で、曲がかかるのを待つ。

「♪・・・・・・・・・・・・・」

僕とセディさんの二人が同時にスマホの早押しボタンを押す。

モニターには、その押した瞬間の秒数が映し出される。

【マルコ:0.578秒】【セディ:0.879秒】

《解答権は、マルちゃん、あなたよ》

「HAPPY PARTY TRAIN!!!!!」大好きな曲だ。間違えることは100%ありえない。僕は大きな声で、曲名を叫んだ。


《ピンポンピンポンピンポーン!!》

コックピット内に、鼓膜が震えるほどの祝福の鐘が鳴り響いた。モニターには「WINNER:MARCO」の文字が躍り、金色の紙吹雪がARの海を埋め尽くす。


《正解よ!……おめでとう、私の勇敢なマルちゃん》


セーラの声が、今度はスピーカーを通さず、頭の中に直接響いたような気がした。と同時に、アクリルのコックピットが静かに上昇を始める。水面を割り、夜の噴水広場へと姿を現した潜水艇のハッチが、プシュッという音とともに開いた。


夜風が、旅で少し火照った僕の体に心地よく吹き抜ける。

スマホの画面には「ご褒美:ヴァーチャルデートを開始します」という通知。でも、目の前の光景は、どんな液晶画面よりも鮮やかだった。


噴水の縁に、一人の女性が腰かけていた。

青白い月光を浴びて輝く、水瓶座の星々を編み込んだような不思議な色の髪。手元で光るスマホを僕に向けて、彼女は優しく微笑んでいる。


「……セーラ、さん?」


僕は震える足で、彼女の方へと一歩踏み出した。彼女はスマホをポケットにしまうと、そっと両手を広げる。

画面越しのアイコンだった彼女が、いま、僕のすぐ目の前で呼吸をしている。2月の始まりを告げる新しい風が、二人の間を通り抜けていった。

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