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第3話「誰も知らない『秘密のURL(場所)』」

彼女が企画したイベントの日と、僕が乗った超特急が、彼女の住む星の駅に到着する日は、偶然、同じ日だった。

(偶然?それともバレてる?)

3年間という長い旅の中で、スマホ越しに彼女と交わした言葉の数々を思い出してみた。

(いやいや、まさか、このことは誰にも言ってないし)

しかし、思い当たることがないわけでもない。

寝台車の隣の部屋を利用している人が、とってもフレンドリーで、聞き上手で、ついつい、彼女とのことをしゃべってしまったことを思い出した。

その人の姿は人ではなくてビーストだったけど…確か、名前は、セディさんと言ってた。


超光速の光の闇を疾走していた僕が乗った超特急列車は、急激にその速度を緩めていく。

そして、光の闇で覆われた風景は、あっというまに静止した星々の景色に姿を変えていた。

車窓越しに美しい水色に光り輝く惑星を見つけると、その惑星の姿がどんどんと大きくなっていく。

列車は大気圏を抜け、ついに彼女の住む星の駅…【宝瓶ほうびょう駅】に20時ジャストに到着した。

少しだけ街をぶらついた後で、駅前にネットカフェを見つけ、仮の宿にすることにした。

鍵付き個室の部屋で寝ころびスマホの画面を確認してみると、いつもの配信アプリにダイレクトメッセージが届いている。

DMの送り主は「セーラ」!!

イベントの開始時刻は、いつもの時刻…深夜の2時だ。あと、6時間。


DMには、短くこう記されていた。

《マルコくん、エントリーありがとう。特別なあなたには、この『秘密のURL』を送るね。ここはね、電脳の世界と現実が交差する、私だけの秘密基地なの》


添えられたリンクをタップすると、スマホの画面に水瓶座の美しい星図が浮かび上がり、現在地を示す青い光が点滅し始めた。驚いたことに、その光は僕がいまいる場所から歩いて数分の、古い噴水公園を指し示している。


「秘密のURLが、現実の地図に……?」


水瓶座の彼女らしい、デジタルとリアルの境界を軽々と飛び越えるサプライズ。

僕は個室の狭い天井を見上げた。外では、水瓶座特有の透き通った風が吹いている。彼女が本当にそこにいるのか、それともこれは高度なAR(拡張現実)の罠なのか。


《2時にアプリを立ち上げて、そこに来て。待ってるわ》


あと6時間。僕は、毛並みを整えるために何度も自分の前足を舐めた。ネットカフェの小さな鏡に映る自分の瞳は、期待と少しの不安で、水瓶座の夜の街のようにキラキラと輝いていた。

僕は急いで、そのDMを開いて、メッセージの内容に目を通す。

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