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第19話 運が良ければハーレム状態が築ける

 国の王女が、俺たちの仲間に入りたいだと!?

 な、何かの間違いなんじゃあ……。


「それは、俺たちと一緒に冒険をしたいってことですか?」


「うん。そういうこと」


 間違いじゃなかったよ。

 でも、なんで王女様が冒険に出たがるんだ?


「なんで、ミナ様は冒険がしたいんですか?」


「だって、楽しそうじゃない。仲間と協力して敵を倒したり、一緒にご飯食べたりするの」


 そ、そういうもんだろうか……。

 でも、さすがにエブルド様の許可が出ないだろ。


「エブルド様に止められるのでは?」


「そう、そこよ!」


 そこ? って、どこ?

 ポカーンとする俺に、王女様は言葉を続けた。


「父は過保護なのよ! 私が冒険に行くなんて言っても、絶対に聞いてくれないわ。だから、ヒカルに父を説得してほしいの」


「いや、無理でしょ……」


 前言撤回。ミナ様のお願いなら、絶対に叶えるって言ったけど、これは無理です。

 国の王女様が、危険が伴う旅をするのを、国王様が許すわけないよ。


「そこをなんとか! 私には、ヒカルしか頼れる人がいないの」


「そう言われてもなあ……」


 エブルド様が過保護なのは、俺への報酬を自腹で払うのを見ても分かる通り、相当だからな。

 これを説得するのは、不可能な気が……。


 ギュッ。


 うおっ! い、いきなりミナ様に手を握られた!?

 一体なぜ!?


「お願い、ヒカル!」


 これはダメだ! 可愛いすぎる!

 よし、何がなんでも説得するぞ!


 ◇


 結論から言うと、俺の昨夜の決意は無駄になった。

 ミナ様が旅に出るのを、エブルド様は許可したのだ。

 理由は簡単。過保護すぎるが故に、ミナ様の願いを全部叶えようとしたからである。


「俺の決心は何だったんだよ……」


「まあまあ。ミナ様が仲間に加わってくださるなら、いいじゃないですか」


「ルリの言う通りだぞ、ヒカル。シャキッとしろ、シャキッと」


 まったく。人の気も知らないで。

 でも、これで超可愛い子三人と旅が出来るってことだよな?

 俺の運、やっぱりヤバイ!


「それじゃあ、私は旅の支度をしてくるわ!」


「ミナ様、もしかして、リュックか何か持っていくつもりで?」


「ええ、リュックを背負っていこうと思ってる。それと、私のことは、ミナと呼んでね?」


 だよな。普通そうなる。

 だが、俺たちには伝説の道具、異空間袋があるのだ!


「ミナさ……、ミナ。ちょっといい?」


 危ない危ない、様をつけるところだった。

 それはそうと、俺は、ミナに異空間袋の説明をした。

 その時、とても驚かれたのは、言うまでもない。


「じゃあ、行くか!」


「オー!」


 俺の呼びかけに、三人が応じる。

 エブルド様の計らいで、食料は大量に準備済みだ。

 後は、目的地の場所を確認するのみ。


「ミナ、王都の大図書館はどこだ?」


「大図書館? そこなら、徒歩数分の所にあるけど。何をするの?」


「私も知らないぞ。ヒカル、説明してくれ」


 そうだった。俺たちが王都に来た目的は、ルリしか知らないんだったな。

 それじゃあ、説明しますか。


「俺とルリが、伝説の神器や道具を持ってるのは、もう知ってるよな。俺たちは、なんでそんなヤバイものが、簡単に手に入ったのか気になったんだ。そこで、王都の大図書館で、勇者様たちについて調べようと思ってな」


「なるほど。そういうことか」


「わかったわ。案内する!」


 よし、早速大図書館に向かうか。

 と、その前に……、


「ミナの武器が何か、教えてもらっていいか?」


 そう、俺たちは、ミナがどの武器を使うのかまったく知らない。

 もし、良い武器を持っていないなら、エブルド様に貰った金貨で、新しく買うことも考えないといけないのだ。


「私、槍を使うのが得意よ!」


 や、槍!? 王女様って、槍の使い方習うの?

 ちなみに、後でミナに理由を聞くと、「槍は長いから、過保護な父が、他の武器と比べて安全だと思ったんだ」と、返答が返ってきた。

 エブルド様、過保護すぎるだろ……。


 でも、ミナは槍を持っていないぞ。

 どこかで買うとするか……。


「勇者様の仲間は全員で五人です。その中には、世界一の槍の使い手と言われていた、ゲンブ様がいらっしゃいます!」


 おお、マジか! ナイスだ、ルリ。

 これは、出来るだけ速く、ゲンブ様の神器を手に入れないとな。


「なあ、一つ気になったんだが……」


「リンカ、どうしたんだ?」


「私の紅蓮の弓は、ユサン様の出身地である弓楓(きゅうふう)の森で見つけた。そして、ルリの太陽の杖は、ミサト様の出身地であるサミ村で手に入れたんだよな?」


「そうですね」


 言われてみれば、その通りだな。

 うん? 待てよ?


「おい、リンカ。お前が言いたいことって……」


「ああ。伝説の神器は、()()()()()()()()()()()()()置かれていると考えても、不思議ではない」


「ちょっと待ってください。確か、ゲンブ様の出身地って……」


 え? え? え?

 おいおい、この流れはまさか……、


「ゲンブ様の出身地は、東国イストラルの王都サヒルド。つまり、ここね」


 ですよねー。この流れだとそうなりますよねー。

 ということは……、


「ミナさん。この近くに、遺跡や神殿らしきものはありますか?」


「あるわよ。サヒルドの北西にある、山の頂上に」


 こうなるよなー。

 よし、ここまできたら当然……、


「目的地変更。今から、北西の山の頂上を目指すぞ」


 今回の俺の運、いつもより暴走してたな。

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