第4話・爆誕ニャン!
「……あれ、なにこれ?」
ひと心地ついて余裕ができたせいか、ウチはその時、ようやく自分の身体の変化に気づいた。
——しっぽ? それに、頭の上に……耳!?
「まさか……ウチ、猫耳にしっぽまでついているじゃないか」
動く……こいつ動くぞ!
右に左にしっぽが揺れ、伏せたり立てたり耳がぴょこぴょこ。しかも、ふわふわもふもふ。
さらに見た目が若返っている。十六、七歳くらいだろうか……これは、転生特典なのか?
「猫耳美少女爆誕ニャン!! ……とか言ったりして」
水たまりに映った自分と目が合ってしまった。そこには、片足を上げ両手で猫ポーズをキメる、中身アラサーの猫人がいた。
猫耳転生のテンションで思わず浮かれてしまった。なんだか猛烈に恥ずかしい。
「あ~、顔熱っ……生きててごめんなさいレベルだよ、これ」
横を見ると、ティラノがウチのポーズを真似していた。……なんか可愛い。
「これ、なんの技なんだ?」
「そっとしておいてください……」
ティラノサウルスに追われて、ゆれる地面を難なく走っていられたのも、そして持久力がなかったのも、この猫人の身体だったからなのか。
「しっかし、とんでもないところに来ちまったな……」
〔現代社会から太古のロマンあふれる地球に転生したのです。むしろFairy Tale、おとぎ話のようなものってことでここはひとつ……〕
「……ったく『ここはひとつ』じゃないやろ。酔っぱらった中間管理職のおっさんか」
もう、なにこの転生詐欺。街も人も文化もない時代、しかも『魔王軍と戦え』とか言っていたような……?
「ウチ、急に生きていく自信がなくなったんですけど」
もうヤバイだろ、ヤバイ。語彙力いらないくらいヤバイ。人間が生きていける環境じゃないし……こんなサバイバル、ネット配信者だってやらねぇぞ。
「もう、ジュライチ驚いたわ!」
〔なんですかそのパワーワードは……〕
「ジュラで一番って意味やで」
〔ふむ、適応力はありそうですね〕
……ほっとけ。
〔魔王軍が攻めてくるまで猶予はありません。仲間を増やし、対抗できるだけの戦力をととのえてください。恐竜人となった仲間には、その者の特徴に応じたスキルや魔法が付与されます〕
「それが戦う力ってことね。……それはそれとしてさ」
〔なんでしょう?〕
「やっぱり異世界に転生させてくれないかな~と……ダメっすか?」
〔ダメです〕
ゴミみたいな人生から転生したら、こんな原始時代に飛ばされるとか反則すぎる。それで恐竜を仲間にしろとかさ。ふざけんなってんだ。
――でも、ウチには秘策がある。
さっき女神は『数名しか持っていない能力』って言った。『数名』と。これは他にも神がいるってことだ。そしてその中には、異世界転移ができる能力を持った神様がいるかもしれない。
……ならば、今はこの詐欺女神に取り入ってでも、心象をよくしておくべきか。
「オメーら、さっきからなに話してんだ?」
「ああ、ごめん。なんかね、面倒なヤツらがくるから対抗勢力を作れって、このフワフワしたのに言われててさ」
まあ、そうは言ってもやる気でないし……適当に立ち回っておけばいいでしょ。
「ああ? そんなもんは俺様一人で十分だろ」
「ん~、それでも空とか海とかは無理でしょ」
「確かに、飛んでるヤツには俺様の牙は届かねえ。だがな……」
――ドンッ!!
ティラノは小石を拾うと、ものすごいスピードで空に向けて投げ放った。
衝撃波をともないながら一直線に飛び、雲を蹴散らして青空を突き抜ける!
「キーーーーー!」
突然、空に響く悲鳴。見上げると、なにか黒い物体が落ちてきて……
……って、あれはプテラノドン!?
「ちょ、でかくね?」
「どうよ、俺様にかかれば飛んでるヤツもこの通りだぜ!」
う~ん、強い。ティラノ強い。さすがは恐竜の王、最初にライズ化できて本当によかった。
それにしても、ウチ……よく食われなかったな。
八白亜紀→https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2329941/blogkey/3163811/
ご覧いただきありがとうございます。
「この作風嫌いじゃない!」という方いらっしゃいましたら、このあとがきのかなり下にある☆☆☆☆☆で応援していただけると嬉しいです(下にずんどこスクロールお願いします!)
ブックマークやランキングボタンをポチっとして頂けたら、涙流して踊ってしまうかもしれません。Shall we ダンス?
是非是非、続けてご覧いただけると幸いです!
無断転載・引用禁止。
表紙及び作中イラストはNovel AIで生成後、加筆修正して仕上げており、著作権は作者に帰属しています。




