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〔改訂版〕ジュラシック・テイル ~猫耳転生と恐竜少女~【異世界だと喜んでたのに実は白亜紀の地球でした!?】  作者: 黒猫ぽん!
world:01 猫耳転生とJ世代

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第2話・ライズちゃん

「うっそ~ん! 待って、ちょ、マジでヤバイって!」


 ――とっさに地面を蹴って全力ダッシュ。


 やっと逃げ切ったと思ったのに、またこいつに追いかけられるなんて冗談じゃない! 


 体長十メートルはあろうかという巨体が、ドスン、ドスンと地面を震わせながら迫ってくる。歩幅が違いすぎて、逃げても逃げても距離が離れない。 


 だが、ウチの身体能力も段違いだった。転生者補正なのだろうか、揺れる地面の上でもバランスを保ち、余裕で脚を動かし続けられる。


 このまま逃げ切れるかも――! 


 そう思った瞬間だった。突然ガクンと体力が切れ、息が上がり、脚がもつれる。そして……地面に顔面スライディングしてしまった。 


 ——背後で牙がキラリと光り、凶悪な目がウチを捉えた。 


 生きたまま食われるのか。これ、絶対痛いよな。ぐすんっ……のんびり食レポしている場合じゃなかった。


「マジでもう、ウチがなにをしたって言うんだよ」


 ……


 ……


 「……あれ?」


 しかし、ティラノサウルスはウチを完全に無視して、ポーチから飛び出したチョコの箱を必死に開けようとしていた。


 猫のようにスンスンと匂いを嗅ぎ、短い前足でゴソゴソと箱を小突き回している。


「もしかして……食いたいのか?」

「グァ!」


 肉食恐竜とは思えないつぶらな瞳でじっと見つめられ、思わず微笑んでしまった。


「ちっ、照れるじゃねぇか……」 


 震える手で新しいチョコを取り出し、箱を開ける。『待て!』と指示された犬のように大人しく待つ姿が、妙に愛おしい。 


 ウチはチョコをまとめて口に放り込んでやった。一粒ずつじゃ埒が明かない。


「これで見逃してくれないかなぁ……?」


 ティラノサウルスはしばらく夢中で舐めていたが、急に動きを止め——


「グアアアアアアアアアア……!」


 荒野に響き渡る巨大な唸り声。木々がガタガタと震え、空へと突き抜けていく。


 ヤバい、可愛いとか気のせいだった! 逃げなきゃ——そう思った瞬間、唸り声がピタッと止まった。


 ティラノサウルスの巨体がみるみる小さくなり、『ぽんっ』という軽い音とともに白い煙が上がった。


「え……なにこれ?」 


 煙の中から現れたのは、人間の女の子だった。


 ——だが、腰からスラリと生えた恐竜の尻尾が……ゆらりと揺れていた。 


 赤の差し色が入った黒の特攻服。背中には金文字で『帝羅乃《ティラノ》』と刺繍され、紅いハチマキに木刀という、昭和ヤンキー全開のスタイル。


 バターブロンドの波打ったロングヘアが腰まで伸び、風に靡くたび光が透けるように輝く。切れ長の涼しげな目と、透明な蒼い瞳——かなりの美少女だ。


 彼女は風で乱れた前髪を颯爽とかき上げ、自信たっぷりの笑みを浮かべてウチを見つめてきた。


「こ、これが……ウチの恐竜人(ライズ)ちゃん……?」


 目の前にいるのは、巨大なティラノサウルスの――いや、今は可愛らしい女の子に姿を変えた彼女。


 この娘(こ)がウチの恐竜人(ライズ)なのか。


「しっかし、チョコが変身させるアイテムだったなんて……」


 彼女との視線が交わるその辺りに、小さな光がフワッと浮かんでいた。キラキラと輝きながらゆっくり落ちてくる“それ”を、ウチはじっと見つめた。


「……指輪?」


 透明感のある真っ白な石がはめ込まれたシンプルで美しい指輪が、ウチの手の上に舞(・)い(・)降(・)り(・)て(・)きた。


〔――それは恐竜との契約の証、約束珠の指輪です〕

「うおっ、だから急にしゃべんな! マジでビビるっての!」


 ……姿が見えない分、突然すぎて本当に焦る。


〔♪で~でんっ!〕

「もうええって。んで、約束珠って、なんなんそれ?」

〔恐竜人(ライズ)となった者の、言わば心です。そして繁栄の約束と知識を与えるためのエンゲージリングなのです〕

「つまり、これを指にはめてライズ化完了って事か」


 エンゲージリングなんて言われると、つい左手の薬指に……と意識してしまい、訳のわからない恥ずかしさが込み上げてくる。


 そんな自分を笑い飛ばしながら、ウチはその輝く指輪をそっとはめた。


 瞬間、左手薬指から脳へ、妙な感覚が駆け抜けた。言葉にしにくいけれど、『嬉しい』とか『楽しい』といった、心がぱっと明るくなる感情だ。


「……これでいいのかな?」

「アンタかい? 俺様を呼びだしたのは」

「うわ、しゃべった……」

「ちっ、なんだテメェ。なめてんのか? コラ!」

「こわ……」

〔八白亜紀、あなたがライズ化させた恐竜には“それなりの知性と、ある程度の知識”が与えられます〕


 ……ったく、それなりとかある程度とか適当すぎだろ。

ティラノ→https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2329941/blogkey/3163814


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表紙及び作中イラストはNovel AIで生成後、加筆修正して仕上げており、著作権は作者に帰属しています。


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