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ヨルンくんの実家

商業ギルドで言語能力が披露され、ギルドの保護確約を取り付ける事になりました。

青の大魔導士さまの親戚になったカリンです。


善良な丸顔ギルド長がこれを持っていきなさい、そうしなさいと持たされたのは商業ギルド長を後ろ盾にしてますよって裏書きされた通行証。

これで、どんな辺境でもギルドの拡張バッグ利用している場所ならフリーパスな正しくスーパー認証カードです。

これに、団長とエル様の認証済み記章がプラスされ、あら、不当逮捕や、連れ去りなどできそうにない、この国でもかなりな要職者に成り上がりました。スーパーランクアップ、逆バンジー。


さらに、これも持っていきなさい、あれもいるかもさぁさぁさぁと押し付けてきたのは

・拡張バッグ上級(所有者未登録・新規)

・冒険者基本道具類(テント、寝袋、毛布、ランタン、結界石、手拭い5枚、松明、油入れ5つ、空袋大小3セット)

・行商人基本道具類(露天商のためのカーペット、大傘、売り札、計算器、文房具類、申請書一式など)

・商業ギルド翼賛(よくさん)証(最安値で売りなさいと強制するカード。提示されたら、売手に儲けはないが、手間賃として手数料を商業ギルドが支払うことを約したギルド証。ギルド規約に記載あり)

・領土地図(冒険者版)

・裁縫一式

・調理道具一式

・ベルトにつけられる小さな専用袋(水、ポーション、小物などがすぐに出せる)


至れり尽くせりでギルドで売ってて必要だと思われるものを拡張バッグ上級版にドンドン詰めてくれました。

有難いです、嬉しいです。


エル様に感謝のお返しにチー鱈渡しても良いか尋ねてみたけれど、却下された。

心狭くない?

紙ナプキンはどうか聞いたら、それはいいとのこと。チー鱈については心に余裕がないらしい。


紙ナプキンをギルド長に差し上げたら、穴あくくらいジーと見たあと、いくらでも引き取るので、売却する際にはご連絡くださいと超笑顔で言われましたが、私には勝手に売ってしまえる権利ないのです。ごめんなさい。


それに紙ナプキンはこちらでは珍しいものかもだけど、チー鱈とかクラッカーみたいな性能もないの、団長達が納品許してくれても、ギルドでお役に立ちますか?

大魔導士ほどの革命起こせるはずないよね。


それからは、たくさん頂いた物を拡張バッグに全部入れたのを確認して、これからヨルンくんちに行くことを告げて、ギルド長に挨拶して、部屋を出ました。


結局、青やら赤やらの事は分からずじまいですが、良いのです。

行きも帰りもあんまり変わらないように見えますが、今の私はさっきまでの私ではない!一端の冒険者並の道具を持ってるんですよ〜。拡張バッグの魔法石だけをバングル状にして(ギルド長ありがとう)身に着けてるので、相当身軽です。

だけど、いっぱい道具を持ってるの!


ギルド長はエル様の呪いの人形チョイスみたいな独特の感性がないし、必要な物をパックでくれるなんて!

ホントいい人!太っ腹ですね〜(実物も太っ腹だ)。


エル様は富豪だけどギルド長もお金持ちで良かった。それかあれは必要経費?これからうちとこのギルドで商品卸してね、的な。


とにかくホクホク顔で、エル様の後から、階段降りてギルド内の痛い視線を(全部エルさまのせい)潜り抜け、魔馬車停めまで来ました。ここからヨルンくんの実家までは、歩いても近い場所なんだそう。


なんでも、ここら辺が新市街地の中心街になるそうで、商業ギルドと冒険者ギルドを中心に市街地が広がっているんだって。

大通りの南に沿って店舗を冷やかしながら歩くと、ヨルンくんちまではそれ程時間かからず到着しました。


ヨルンくんの実家は商売人10傑に選ばれるほどですから、大店になります。お店は日本でいう総合スーパーのような、とりあえずアソコなら何でも揃うよね的な立ち位置に見えます。お店は2階建で、大通りなのに間口が相当広く取られているためお客様の出入りが激しい、この周辺では一番活気があるお店でした。こちらの新市街の店舗には機能性と値段の噛み合った商品たちが、綺麗に整頓された状態で陳列棚に並べられていますね。値札を見てみたけど、高くもなく、安くもない(多分)。ただし、商品の取り揃えが充実していて、選ぶのがとっても楽しい。


前に立ち寄った町は可愛らしい外観でしたが、購入したい商品を選べる程、数も種類もなかったんですよ。確かに購買できる人を考えれば無理もないでしょうが(だって魔の森にある)、やはり大領地の商業中心地だけあって、ペン一つをとっても、男性女性、高級普段使い、ペン先の太さ細さ、色柄など種類も豊富に見やすいように並べてあります。基本的に細かな手作業に時間をかけるものは高価なので手に取る際や、試し書きなどは店員さんに申し出るんですが、一通り揃えたくなるようなコレクター魂を揺さぶる一画でした。

後で買ってもいいかな?


軒先にはお土産、旅人に必要な消耗品、安価な菓子類などが置かれているため、沢山の人が楽しそうにお店をひやかして回ってますね。


中に案内してもらうと、比較的手の届きやすそうな装飾品、衣類、食器などが整然と並べられているようで、案内図では2階は個室と1階では置けない高額な商品、家具類が置かれているみたい。


ヨルンくんから連絡あったらしく、エル様と馴染みらしい店員さんが世間話しと近況を伝えあいながら店員専用と思われるプライベート空間に案内されました。


小さな石が嵌められた指輪を渡された後、店内奥にある扉のうち、右側の彫刻された方に進みます。指輪がないと扉が開かないマジックドアになっていて、指輪の管理者の許しなく入れないゾーンなんですって。


そこは、大店の店主やその家族の居住スペース兼重要な会議資料や書類などの保管庫があり、私たちはその中の来客対応のための広い応接室まで案内された後、こちらでお待ちくださいと言われ現在待機中です。


どっしりとした3人掛けの長椅子と一人用の肘掛椅子2脚の間にウォールナット風(種類不明)の自然に流れるような木目をいかす落ち着いた模様のブラウンカラーのセンターテーブルが置かれ、私達2人はそのうちの長椅子に座ってます。

応接室の壁はあたたかみのある線画でつた模様が大きく描かれた、所々が金色と銀色に配色された壁面でヴィンテージ感を演出。

大きな壁面側に掛けられた絵画はヨルンくん家族らしい。明るい配色は幸せな光景を切り取った家族写真のようで、絵画の良し悪しはわからないけど、いい絵だなと思えた。


「お待たせいたしました、お久しぶりですねエルマール様。内の愚弟はご迷惑をお掛けしませんでしたでしょうか?」


扉から控えめにノックがあり、登場した人は、商会で現在は次期店主と目されているヨルンくんのお兄さんです。


エル様に軽快にご挨拶した後、それぞれ自己紹介。名前はショーンさん、30歳は超えてそう?エル様と同じような細身で身長も変わらないけど、小回りのきいた機敏な動きとちょっと軽めな髪色髪質がヨルンくんに似ているような。

ヨルンくんと雰囲気は似てるのですが、ヨルンくんがはしっこいイメージで、ショーン兄は人当たりが良い印象に見えます。


「ヨルンくんは働きもので、団長からの信頼も厚くて、なんのご心配もありませんよ」


ヨルンくんへの高評価に満足気なお兄さん。

ウンウン頷きながら、チリンチリンと呼び鈴を鳴らしだしました。


「ヨルンから、聞いておりますが、こちらのカリンさんですね?お嬢様が仕事するのに過不足ないように整えてて差し上げたいと聞いてまして、一通り揃えておきました。ご覧いただきお気に召しましたら、お買い求めなり、取り置きなり致します」


呼び鈴が鳴り終わるなり、店員さんが手に手に今回用意していたと思われる品々を次々に運びこんできます。


沢山あります…。


ここに持ち込んだもの全部は買わないだろうけど、ここから選ぶのが無難なんでしょう。私たち常識知らずだし!


まずは、一般的な見習いに配られる支給服に合わすことの出来る付け襟や、汚れや洗濯のための換えの服など一揃い。


制服は支給されるものの、あくまで職種や職級を分かりやすく識別するためだけなので、ほとんどの服などは自前で用意する必要があるんだって。確かに、エプロンや、ベストだけを支給されても、他を用意して着ないとほぼ裸ですものね。


洗濯はクリーン魔法っていう生活魔法(なにそれ素敵)で、清浄魔法の応用魔法があるんだって。でも魔法は根こそぎ汚れを取るためか、布地の傷みが早いそうなので、ここでは付け襟と袖口につけるつけ袖を活用して手洗いと生活魔法のクリーン魔法の回数を減らして長持ちさせているそうです。

仕事上、見苦しくない程度には清潔さとか求められる職種でも頻繁に買い換えるには確かに洋服は高いもんね。


私がこれがいいかな、こっちと合わせたらいいかな、ヨルン兄がこちらはこれと合わせると素敵です、意外とこの組み合わせがおススメなんですよと楽しく選んでるところを『じゃあ、全部ください』なんてぶった切るエル様は先程から空気扱いです。

お金に糸目つけずに片っ端から買いたがるので、ヨルン兄と私が反対していくつか厳選しましたよ。 ヨルン兄はこの仕事着については私を優先した方が今後継続取引が可能そうであると判断したようです。確かに足りないものだらけだから、これからも買いに来ます。よろしくお願いします。


だいたい、新品ばっかり大量に用意してる新人なんて、疎まれるよね?

田舎モノにしてはおかしいと思うような聡い人がいて、もしエル様のえこひいきがバレたらどうするの?私が困るんですよ!


上質で滑らかな光沢放つ生地、縫取りも細やかな上級士官向けの高級路線まで揃えてあります。そこで、またまた購入しようとするエル様に、実力が伴っていないのに使えないですよと異を唱えました。だけど、さっきから買いたいというのを却下され続けていたためか、国王や領主一族に会う時に使うためいるのです!購入するのでそっちの籠に入れなさいと強硬に言われ買ってもらいました。


なんなの一体。ヨルン兄の意見が採用されてばっかりだから、張り合ってんのかな?

今後そのような偉い人に会う予定ないし、無理ですので当分は拡張バッグの肥やしです。

もったいない。

ヨルン兄に微笑ましいですねと言われましたよ、エルさまいいの?

生ぬるい目されてましたけど?


次に、その服装に見合った靴、ブーツ、外出用の靴、靴下、お買い物用の籠バッグ、仕分け袋、整理用の箱、必要と思われる文房具類、身だしなみ整えられるように櫛や手鏡、石鹸など細かい、だけど必需品を選んでいくが、適度に良質で、だけど妥当性あるものの見極めラインはヨルン兄に決定権があり、私も文句なく従いますよ、絶妙な選び方ですもん。言う事ありません。選ぶ歳の基準と価格帯、選んだ理由を一緒にお話ししてくれるので、とっても勉強になりました。


その間、エル様はこっそりと自分チョイスの品物を勝手にお買い上げ予定籠に混ぜ込みヨルン兄から返却されてましたね、その気持ちは嬉しいんですよ?

だけど、それどこから出したの?運んでもらったラインナップには無かったよね?金細工の意匠を凝らした頭飾りとかさ、一体どこで使えるの?それエル様の拡張バッグから出してきたんじゃないですか?

エル様のは、いちいち高いんだから私が持つには無理あるんですよ。紛れさせても、ダメですからね?なんだか意固地になってませんか?

それに精算前の買い物籠に私物を混ぜたらややこしいでしょ?!


その後は、女性店員の方に下着の着け方やら、女性視点の必要なアレコレを別室で教えてもらう事が出来て大変助かりました!

こればっかりは、エル様も無理だし、私も聞けない、恥ずかしくて。


私の髪はいまだ布に巻き込み見えないようにしてますし、瞳の色も認識阻害魔法でわからないはずですが、それでも、目敏くわかる人にはわかってしまう。ヨルンくんから連絡あったのか、髪を隠すための装身具と瞳の色がわからなくなるような魔法眼鏡も数種類勧めてもらいました。


他にも、万一のため、変装道具まで用意されました。すごくない?

華奢な(貧相?)身体つきだからと少年配達人成り切りセット、必要な職人道具と配達員であることがわかるような独自ワッペンのようなのもあります。これにギルド長から貰った通行証があれば、だいたいどこでも不審がられず通れるので、逃げ出す必要がある時に大活躍しそうだ。


他にも、踊り子さん見習い一式。踊り子さんは各地を興行して廻るので見慣れない異国人でも怪しむ人が少ない。

ただ、長いベールで身体を隠すくせに、やたら薄くて露出の激しい下着のような踊り子さん衣装を見たら、一生着ないで済むようにとお願いしました、心のなかで。


エル様と果実水を頂きつつ、簡易拡張バッグがパンパンになり、拡張バッグ上級版にも当面使わなさそうなものを選んで詰めていかないといけないぐらいお買い上げして、本日のヨルンくん実家訪問は終了です。

お疲れ様でした!


お支払いは、私の紙ナプキン払いはダメなので富豪エル様払いです。

ありがとうございます。

団長やエル様から、紙ナプキンの売却許可が出てないため仕方ありません。

エル様には出世払いでいいかと聞いたら、未来の現金より今のチー鱈と言われました。

チー鱈長者ですから、いいんですが、そんなにチー鱈溜め込んでたら傷みませんか?一応食品なんですよ、それ。魔道具ではないのですけど…。

買える時に買えるだけ買う?

そうですか…。


結局、今あるチー鱈の賞味期限は大丈夫そうにだけど、実際に食べられないようになったら、申し訳ないのでエル様限定ですが、支払残高帳作って、エル様が必要な時に必要なだけ出すようにしましょうかね。


現物払いだと溜め込んで腐ると怖いし。

エル様がいる時に順次チー鱈を渡して、渡した分だけ私が払うチー鱈残高を削る表です。

私の保護者ですからね!

なるだけ都合つけますよ〜。

いつでもチー鱈欲しいって言ってくださいね!


さて、ヨルンくん実家のこちらでも、沢山のものを手にする事ができましたし、順調すぎて怖いぐらいです。

疲れたけど。


「ご配慮いただきまして、心よりの感謝をとお父様にお伝えください」


エル様も満足そうです。にこやかにヨルン兄にお礼の言葉を連ねていました。


私も手を合わせて、差し出された厚意にありがとうと拝みたいぐらいです。常識的に見てどこまでがおかしいかというモノサシがまだできていない私に、とっても良い知識を教えてもらえました。


見送りに出た皆さんに見えなくなるまで、手を振り次の目的地へと向かいます。


次は、騎士団です。本日は帰ってきたことを知らせて、エル様は遠征中?での報告と私の引き合わせを団の方にしておかないといけないそうです、ふーん。


あ、騎士団バッチも仮記章から本記章にしないといけないらしいしね。受付とか登録とか早くする方がいいものね。


その後は、エル様のお家(旧市街地にあるという自宅)でお泊りです。

エル様は忙しくて帰れない時や夜勤で詰めた日、研究が乗ってきた時のために騎士寮にも部屋を持っているそうですが、家令が采配

する市にある自宅の方がなにかと便利で掃除も行き届いて部屋数も多いというので、今日から当面の間はこちらの方へ私はお邪魔させてもらう事になりました。


エル様と同居…大モテ人気者の近くで私みたいな成人前の女の子がウロウロしてたら、恨まれてしまう未来が!

絶対隠れていよう。


配達員セット買ったので、練習がてら配達員さんになりきれるかチャレンジする?

踊り子さんは却下で。


平穏な生活にために!

頑張るぞ!




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